7月になってしまいました。歳とるごとに月日が過ぎるのが早く感じます。2024年ももう折り返し地点。今年の独立記念日は木曜なので、前後合わせて1週間まるまる休んでる人も多く仕事ものんびりモードです。
週末に久しぶりに実家とZoomしたら弟と義理の妹も両親を訪問していてネット家族会議状態になったのですが、義理の妹が長年勤めていた教職を再来年で辞することにしたと言う話を聞きました。子供達(私にとって甥っ子、姪っ子)も自立したのが大きいようですが、確か前回会った時に、長時間労働に加え、モンスターペアレンツに悩まされる事件が相次いで精神的に疲れ果てたとも言っていました。校長や教頭は2年ごとに変わり、基本的に事なかれ主義。義妹が教師をする市の公立校システム全体で彼女みたいなベテラン教師が割を食うシステムになっているようです。それどころか、モンスターペアレンツ対応を義妹に丸投げして逃げ出した校長が、市の教育委員会で教育長やってるとか、まさに日本的。そういう感じなので、若い先生たちは次々とメンタルで休職して、そのまま辞めてしまったりで、万年人手不足。妹は50近くになってもいまだに運動部の顧問やったり、それでも志のある若い先生たちの指導などもこれまで責任を持ってやって来たようですが、管理職でもないんだから体壊してまでやる必要ないのにな、と私は密かに思っていました。ただ弟がそんなに高給取りではないのもわかってるし、義理妹自身も責任感の強い女性なので余計なことを言わんでおこうと思っていたのでした。しかし、ついに決断したか、と個人的には嬉しく思い、これからゆっくり人生楽しんだほうがいいと思うよ、と義妹の決断をサポートしました。
「再来年」とまだまだ先のことを言っているので「今年度でいっぱいで辞めればいいのに?」と聞いたら、今受け持ってる学年が卒業するまではやりたいそうです。組織は真面目な人の足元見て搾取するのが常。「そんなこと言ってると、辞められなくなっちゃうよ?」と言ったのですが、。今までだって、何度梯子を外されてきたか、、、。自分は体育会出身でもないのに20代の頃からほぼ20年以上、生徒の部活のために毎週末潰して、運動部の遠征のために自らマイクロバス手配して自分も責任者として同行したり、夏休みは毎日麦茶50人分準備したり。親たちからの部活強化プレッシャーが強いから炎天下の中夏休みも部活やってんのに、生徒が熱中症の症状訴えたら、顧問の責任になるとか、世も末、、。同じ運動部でも、男女で活動が完全に分かれてて、男性教師にも頼れないらしい。そもそも男性教師はもっと多忙。地域のクラブに部活を外注しようという動きもあったようですが、年頃の女の子に男の指導者がいたら困るという理由でこれも保護者の反対で却下。なんて非効率なんだと思いますが、義妹にとってはそれが日々の現実、、。本当に再来年で辞められるのか、やや不安ではあります。
なんだか、美談のように聞こえますが、今の日本の公立校の教育制度って、うちの義理の妹みたいな教員のタダ働きと奉仕精神で成り立ってるんだなと実感。奇遇にもこんなネットニュース見ました。
モンスターペアレント対策のコンサルティングサービスもあるのですね
そのZoom家族会議の時、義理の妹から、「引退した教師を海外の日本人学校や補習校に派遣する仕組みがあって、実は興味があるんです。」と告白されました。弟はまだまだ現役だし、今まで全く海外志向がなかった夫婦がいきなり海外に住むなんて現実的ではないので、すぐにどうこうというわけではないみたいでしたが、こうして視野を広くしておくことはいいことだと思います。そしたら、うちの弟が、「アメリカの学校って、モンスターペアレンツなんていないって聞いたけど?」と聞いてきました。確かに日本のメディアでモンスターペアレンツの話が出ても海外の様子は伝えることはないですし、時には西洋式教育制度が完璧かのような意見を言う教育評論家もいます。しかし一般的な公立学校におけるモンスターペアレンツ事情は、日本もアメリカも変わらないと思います。ということで、今日は弟や義理の妹に話した内容、ブログでも紹介してみたいと思います。
結論から先に言うと、アメリカにもモンスターペアレンツ、いっぱいいます。日本だと、モンスターペアレンツから攻撃を受けた教師はメンタルやられて精神崩壊に追い込まれるということが多いようです。うちの義理の妹のように学校側や校長や教頭などの管理職は先送り主義。当然一緒に戦ってくれることはあまりなくて、一緒に攻撃されて同情してくれればいいほう。多くは結局泣き寝入りか、心や体壊して退職というケースが多いと聞きます。一方、アメリカの場合、一気に退職に追い込まれそうになることが多いようです。
無味乾燥な感じのアメリカの学校施設
実は、うちの旦那Dの親しい女友達がアメリカの公立校で教師をしていて、数ヶ月前にある生徒の親にクレームを入れられて、調査対象になった件がありました。きっかけは、その生徒がテスト中にスマホをいじっていたので、カバンにしまいなさいと注意したことだそうです。アメリカの学校ではスマホを使っていい時間、場所などを細かく指定しています。普通はどの学校でもテスト中はスマホ禁止。よって彼女の指導は真っ当なんですが、その子が、事実と全く違う話を親に伝えて、その親が校長先生に怒鳴り込んだらしいのです。「あの女教師がうちの子にカンニングの罪を着せようとした。教師として資質がないので、解雇しろ、」と。彼女曰く、カンニングだなんて言った事実はなくて、校内規則で決められているテスト中のスマホ禁止を言っただけなのに、生徒側が過剰な反応をしてしまったようです。彼女の分析では、この生徒には心の闇があって、実際、親の前ではまるで別人のようないい子になったようです。
学校内でのスマホ利用ガイドライン
調査委員会により審理が始まり、結局は彼女に落ち度は無かったことが証明されて、その生徒に警告が入ったようですが、もし生徒側の言い分が認められたりしたら、彼女は失職していたかもしれません。子も子なら、親も親で、異様に粘着質で、その後も、校長やその群の学区を管轄する教育組織(日本で言うと教育委員会)に上告して彼女を解雇するように働きかけているそうです。今度は、彼女の勤務開始以降生徒の学力低下が始まったとかいう理由。もうでっち上げでしかない。この当該生徒が嘘をついていることは他の生徒の証言からも明らかだし、彼女は校長先生の信頼も厚く、学校側は彼女を守ってくれているようですが、そのモンスターペアレントにどんな難癖をつけられるのかと思うと不安で、ここ数ヶ月は不眠症にもなってしまったとのことでした。それでも、アメリカは基本的に「やるかやられるか」そして、「やられたらやり返す」国なので、このモンスターペアレントとの法的バトル手続きに備えて、ドキュメンテーション(事実関係の記録)を始めたようです。一方、教師を定年退職した経験者の人たちが組織するサポートグループからカウンセリングなども受けているようです。
Dと3人でディナーした時に、一連のこの話を聞きましたが、まるで悪魔のようなこの問題生徒とそしてそのモンスターペアレントのことを聞いて呆気にとられましたが、改めてアメリカのモンスターペアレンツの破壊力は凄まじいと思いました。私は自分に子供がいないので、大勢の子供やその親たちと接する機会がないのでこうした事情を知りませんでしたが、彼女はまだいい方で、モンスターペアレントからのクレームでクビになった同僚教師がいて、裁判でその親を逆に訴えているそうです。
実は私も大学院時代に、TA(ティーチング・アシスタント)のアルバイトをしていた時、教え子だった学部生の親から間接的にクレームが入って、TAの仕事のシフトから一時的に外されたことがありました。ある教科のテストの採点をしていたのですが、採点者が意図的にその学部生が「女性だから」減点したので成績がBになったという文句です。結局、私は教授の作成した採点ポイント通りに加点・減点をしていたので無罪放免でしたが、、、。アメリカの大学生は大学院進学や就職時に提出する成績(GPAという)の平均値をとても重視するので、その学生も親もテストでBを取ってこの世の末みたいな感じになちゃったんでしょうかね。採点するときは、学生の名前がわからないようになっていたし、当然性別もわかりませんでした。それを「女性だからBつけられた」というのって被害妄想を通り越して、虚言?と今でも思います。今思えば、モンスターペアレント的行動だと思いました。私の行っていた大学はこうした学生側のクレームで「言ったもんがち」は絶対に許さず、ずべて事実確認をしていました。でないと類似ケースが相次ぎ、教育現場の崩壊につながるので、、、。そういった一連の学校側の介入もあり、私自身不安になるとか脅かされるという気分はなくて、この文句を言ってきたという学生とその親に対する怒りと、アメリカって怖い国だな、と思う程度でした。学校側はこういう対応には慣れていたようで、私の名前は外に出ることもなかったし、その科目を担当する教授が責任者としてその親と学生と対峙してました。
アメリカでもモンスターペアレンツは問題化しています
こういう話をしたら、弟も義理の妹も、「アメリカはやっぱり恐ろしいところなんだねぇ、」という反応でした。日本の実家との家族会議の話から、モンスターペアレンツの日米比較になってしまいましたが、個人的には、アメリカのモンスターペアレンツのほうが破壊力が大きいと思います。物騒ですが、「ひと刺し」で来る感じ。しかし、破壊力が大きいからこそ、学校側もそれに対峙するためのシステムがきちんとしていて、事実なのか、誤解なのか、嘘なのか、などきちんと整理して対応して、もしモンスターペアレンツ側に問題があればシステム全体で学校や教員を守ろうとする姿勢があるのだと思います。もちろん、アメリカでも地域や学校によるのでしょうけど、度が過ぎて違法性があれば、学生だろうが親だろうが、法的対応するのでしょう。
翻って、私の義妹は、日本での教員の仕事を無事辞められるのか?そして、自由の身になった暁には、派遣制度で海外の学校で教える興味を持ち続けているだろうか?
義務教育の現場は、日米とも辛い現実があるのです、とむすびになりますが、アメリカで教師をするDの女友達も、日本の学校で教師をする私の義理の妹も含め現在先生をしている方々には本当に脱帽です。




