今週からついに転職先で勤務を始めました。ほんとうは先週から勤務開始の予定だったのですが、今週ちょうど、この会社の東海岸地域拠点に最近入社した人向けのオンボーディングトレーニング(新入社員研修みたいなもの)があるとのことで、部署からの提案もあり1週間遅らせたのでした。おかげで日本にも長く滞在することができましたが、帰ってきて時差ぼけのままトレーニングに突入しているという感じです。

 

新しい会社の第一印象。おい、そこかって感じですが、「金、あるな」という印象。やはり業界最大手だけあって社内のシステムとかセキュリティーなども最先端を導入しているし、前の会社に比べてペーパーレス化も徹底しています。そんなハードの部分に加え、トレーニングの時に出されるスナックとかランチとか見ていても、一ランク上な気がします。ランチにビールとワインが出てきて、ややびっくりしました。いつもはこのオンボーディング研修の初日の夕方にハッピーアワーがあるらしいのですが、今回はスケジュールの都合でウェルカム・ランチなので特別なんだそうです。研修プログラム自体も、とても系統だっていて、自分で色々探さないと誰も教えてくれなかった前職とは雲泥の差で非常に印象のいいスタートでした。

 

研修初日のランチにアルコール。えっいいんですか?

 

初日は、午前中に会社の歴史とかミッションなどの愛社精神を育むべくレクチャーがあり、その後はビジネス概要。ウエルカムランチから幹部が参加し、食後はデザートとコーヒーをいただきながら、ラウンドテーブルがありました。ラウンドテーブルとは、登壇者数人が座談会方式でトピックを展開していき時折聴衆の質問に答えるという、パネルディスカッションみたいな形式です。新入社員の参加者は50人くらいだったでしょうか。新入社員研修とは言っても、日本みたいに新卒一括ではないので、年齢はバラバラ。大学院修了したばかりの若い人もいれば、私のようにミッドキャリアで入った人もいます。みな感じがいいけど、幹部への質問内容を聞くと、さすがみんな頭が良さそうだし勉強してるなと引き締まる思いです。

 

東京からこちらに帰ってくる飛行機の中で、金融業界の某大手企業の元マネージング・ディレクターが20年弱の在職期間に目撃した、女性嫌悪と人種差別にあふれる社内文化を告発した暴露本を読んだのですが、ニューヨークオフィスの研修の時からスパルタ教育により洗脳が始まったという冒頭がとても気になっていました。私が転職する会社もこんなだったらどうしよう、と不安でしたが、少なくとも今のところは、スパルタ教育などとは程遠い様相です。私はそもそもマネージング・ディレクターなどを目指す気など無いのですが、、。

 

 

 

午後は、人事部門からパフォーマンスレビューのシステムの話、福利厚生の説明や、社内サービスポータルの使い方、出張の手配の仕方、そしてセクハラ、パワハラ、人種差別などに遭遇したり目撃した場合の対処法などのコンプライアンスのレクチャーでした。

 

オンボーディング研修2日の朝にラップトップや社用携帯も準備されていました。初日からメールアドレスは開通していて、自分の私用パソコンからもアクセスできるようになっていたのですが、社内イントラにつながるリンクなどは開かないし、まだ同僚のことも知らないし、ラップトップ受け取ってからチェック始めればいいかと思ってたのですが、既に100通以上の未読メールが溜まっていました。メールやスケジューラーは前職と同じOutlook環境で1から勉強しなくていいので助かりました。

 

転職活動記で何度か登場した例の超絶イケメン上司、ベネディクト・サンタバーバラは今出張中で不在ですが、ちゃんと

 

「Hi NW, I know you started your new role today, welcome to XXX, and let's catch up when I return. Please get in touch with YYY to set up...」

 

(意訳:NWさん、今日が初日でしたね。XXX社へようこそ。戻り次第、話しましょう。秘書のYYYにアポ取ってもらってください、、)

 

とウェルカムメッセージが入っていました。抜かりないですね。部署のグループメールアドレスに私もちゃんと入っていて、みなさんからもあたたかい歓迎のメッセージをもらいました。前職の会社の上司は、新人が勤務開始する日を忘れてたり抜けてるところがありましたが、個人的な資質なのか、それともこの会社の社風なのか、これからいろいろ観察が楽しみです。

 

こんな感じで勤務開始の週はスムーズに進んでいますが、一つ、研修中度肝を抜かれたことを紹介。人事関係の手続きをオンラインで進めていたら、婚姻関係を申告するページになんと、こんな選択肢が!

 

 

ステイタスの申告で「私は結婚しています。」とクリックしたら

  • 私の結婚は伝統的な結婚(男女間の結婚)です。
  • 私には二人以上の配偶者がいます。
  • 私には同性の配偶者がいます。

という三つの選択肢が出てきたのです。上がそのページのスクリーンショット。思わず激写してしまいました。この会社、全世界に拠点があって、一夫多妻が許されている国でもビジネスを展開しているので、確かに2人以上の配偶者を持つスタッフもいるのではと思います。いや、びっくりしました。私は同性の配偶者がいます、をクリック。

 

同性婚をわざわざ申告させられるのはややひっかかったのですが、下の方に注意書きがあって、一部の国では同性婚が認められていなかったり、迫害を受ける国もあるので、転勤打診などの時の考慮に入れたり、スタッフの安全のためにデータ収集をしている、というようなことが書いてありました。前職の会社に転職したときはまだ独身だったし、あの時点では全米で同性婚が認められていなかったので、こういう項目にはあまり目が向きませんでしたが、世界企業の内情は面白いなと思いました。

 

明日からはいよいよ所属部署のあるビルに出勤、面接の時に会った同僚たちとついに再会です。ブログ読み返して転職先を「この会社」となんとなくまるで第三者のように書いているなと気づきました。そのうち社風に馴染んで「うちの会社」と自然にいえるようになりたいです。

 

ぐずついた天気が続いていたNY。この日は久々に青空。