以前、せっかく準備した寿司ディナーをドタキャンしてきた友人カップルRとYの話をしましたが、そのカップルとはそれ以降こちらからは一切連絡しないようにしていました。絶交を言い渡したわけでもなく、ただこちらから声をかけないようにしていただけなので、こちらが怒ってる意図は全く伝わっていなかった模様で、Rの誕生会の招待状がきました。向こうからしてみればただ久しぶりなだけで悪びれもなく声をかけてきたんでしょう。

 

Rの誕生会が開かれた先週末は特に用事もなかったし、RとY以外の他のゲイ友たちに会う機会でもあるので行ってきました。このカップルは、成金系の子金持ちカップル。プライベートジェット使うほど金持ちではないけれど、基本的に旅行で使うのはファーストクラス。ユナイテッド航空やデルタなど最近は国際線にファーストクラスがない航空会社もありますが、そういう時は、わざわざファーストクラスがある外国の航空会社を選んで乗ってると言うような話をしてました。泊まるホテルはブルガリホテルとか、アマンとか、その都市の最高級ホテル。かといって、いろんなところに別荘を持っているような超富豪でもない。ま、色々話題豊富で会えば楽しい人たちなので、友人として付き合ってきましたが、一部の金持ちにありがちな特有の顕示欲と、平気でドタキャンするなどの傲慢さが鼻につくタイプ。私とDの友人の中では一番金持ちの部類に入るのだけれど、友人関係は広く浅くと言う価値観のようです。なんと言うんだろう、そもそも友達に期待するものが我々とは根本から違う気がします。

 

愚痴はたっぷり前回のブログで書いたので割愛しますが、今回の誕生会でもまたまたネタ、そして一周回って人生の教訓を提供してくれました。

 

写真はイメージ。参加者がこんな感じの年齢構成でした

 

二人は、マンハッタンに不動産いくつか持っていて、今回の誕生パーティーは彼らが所有するコロンビア大学北辺にある推定4億円くらいの3ベッドルームコンドミニアムが会場でした。(この辺で4億円くらいだといわゆる「豪邸」ではありません)オープンハウス形式で、夕方以降いつ来ていつ帰ってもいいよ〜と言うパターンです。

 

何人招待したのかは分かりませんが、私たちが着いた時にはすでに中年〜年寄りゲイでいっぱい。週末なのにみなジャケットとか着てて、ジーンズで来てしまった我々はかなりカジュアルな方でやや場違い。パーティー用の会場ではないので全体的に窮屈な感じで、座るところもないし、提供されているのはアルコール飲料ばかりで、食べ物がチーズとクラッカーくらいしかない、、、。再会を期待してた以前からの共通の友人たちも全然いなくて、かといって多忙なRとCが我々を他の人たちに紹介してくれるわけでもなく、Dと二人で壁の花になってました。そこで人間観察してたら、年配の参加者に混じって、今風な20代くらいの若者が数人いて当然中年おかま達にチヤホヤされていました。ゲイ界隈では自分の父親くらいの男とでも付き合うのはそれほど珍しくないので、ゲイパーティーでも色々な世代の人が参加しますが、なんとなく別のカテゴリーにいる雰囲気の若いゲイたち。白人っぽい感じのイケメンから、RとYが好きそうな浅黒い感じのエキゾティックなタイプまで揃ってました。外は寒いのにみんな薄着で、今にも服脱ぎ出しておじさんたちにエンターテイメントを披露してもおかしくない雰囲気。笑

 

若い参加者はこんな感じで楽しんでた(イメージ)

 

宴もたけなわでこう言う展開になるのかも〜と変な期待

 

人見知りなDと私は相変わらず会場の片隅で二人でワイン片手にちびちびやってましたが、やっと見知った顔の知人ゲイを見かけて合流しました。中年のおかまらしく、考えていたことは我々と全く同じで、あの若い可愛いボーイズたちはなんなんだろうね、と言う話になりました。事情通の彼が言うには、あの若いゲイ数人はRとYがタウンハウスと言うアッパーイーストサイドにあるラウンジで知り合ったブラジル人のゲイたちと言うことでした。しかも、お小遣いで釣って来てもらってるとか。旦那と私は絶句。以前私もアッパーイーストサイドに住んでた時にタウンハウスには行ったことがありますが、大人のゲイ同士が集う社交場みたいな感じでした。もちろんゲイバーと同じで一夜の相手を求めてきてる客もいるので、売春夫も出入りしているという噂がありました。売春夫とまではいかないけれど、若い子たちに金を払って自分たちの誕生会に来てもらってるって、どう言うことなんだろうと、考えさせられました。

 

NYの中年以上のゲイが集うラウンジ「タウンハウス」

 

 

 

その事情通の知人はブラジル人ボーイズを「Boytoys」と呼んでいました。日本語には訳しにくいですが、文字通りおもちゃ男、ツバメとでも言ったらいいのか。彼らもお小遣いがもらえる上に「sugar daddy」(裕福な金ヅルおじさん)と巡り会える可能性もあるので、日本語で言う「パパ活」みたいな気分で来ているのかもしれません。実際そのBoytoysの一人は会場の隅の方で、ずっと一人の老紳士と親密にしてます。会場がうるさいので異様に顔近付けて会話していて今にもキスしそうな体制です。

 

まるでタウンハウスのようなゲイラウンジの雰囲気をそのままここに移植させてきたような感じで、なんだか寂しい気もしますが、当の主催者であるRとYが自分たちで稼いだ金をどう使おうか他人の私がとやかく言う筋合いはないなと思ってしまいました。若かりし頃のDと私がRとYと交際するようになったのも、彼らの物質的なおおらかさに惹かれていたからだと言うことも事実なのです。彼らと食事に行くと指定してくるのは我々が普段行くレストランより値段が一桁高いところで、しかも彼らが払ってくれることがほとんどだったりでした。彼らのように、大勢の人に囲まれるのが好きなライフスタイルを実現するために金を使って人付き合いするのも、幸せになる一つの方法なのかもしれないなと思いました。うちはそんなに金もないし、それ以前にそんなにたくさん友人は必要はないので真似はできませんが、人生いろいろです。

 

そう考えると彼らの高慢さやルーズさは、潔さにも映り憎めなくもないですし、逆に今も我々をこうして仲間に入れてくれてることには感謝するべきなのかもしれないなどと考えてしまいました。

 

会場の真ん中に鎮座してるトロピカルフルーツたっぷりのバースデーケーキがすごく美味しそうでいつ切り分けが始まるんだろうと期待しつつも、ずっと立ってて疲れ果てて私とDはお暇することになりました。ホストである二人、特に誕生日の主役のRには直接お別れを行って帰りたかったのですが、どこにいるかもわからないし、他の参加者も適当な時期を見計らって帰っているようでしたので、私たちも静かに会場を後にしました。RとYはあらかじめドアマンにもチップを弾んでいたようで、コンドミニアムの建物を出る時に、「タクシーはご入用ですか?」とドアマンがやけに親切だったのが印象的です。

 

彼らからは、これまでにもゲイ仲間をホストする術を結構学ばせてもらってきましたが、この日も面白い教訓をえた気がします。結局、日和見なDと私はすっかり懐柔されてしまいました。Rさん誕生日、おめでとう。