本年度のアカデミー賞ノミネート作品が発表されましたが、前評判が高かった「マエストロ」(ブラッドリー・クーパー主演、監督)が主演男優女優両部門、そして作品賞などでノミネートされました。私も昨年公開されてすぐに旦那Dと一緒に観てきて、主演のブラッドリー・クーパーとその妻役のキャリー・マリガンの演技に感銘を受けたので、ノミネートされて当然だと思っていました。今週、行きつけのミニシアターIFCセンターで再上映をするというので、このブログにもよく登場するゲイ友Zと、この映画に実際に出演したというZの友人と一緒に観てきました。(結構光栄なことをサラッと言ってますが、詳細は後半で)

 

 

誘ってくれたゲイ友Zは、オケ指揮者を目指すユダヤ人のボーフレンド・ジェイコブと別れたばかり。ジェイコブは同じジュイッシュであるバースタインを目標としていたみたいだし、バースタイン氏も実は男性とも関係を持っていたことが物語の中でも描かれているのでZの反応が気になりましたが、もう吹っ切れているようでした。

 

 

話は本題に戻り「マエストロ」は世界的カリスマ指揮者で作曲家でもあるレオナルド・バースタインとその妻フェリシアの物語です。日本での公開時に「その音楽と愛と」と副題がついているように、音楽界の巨匠バースタイン氏のキャリアと妻のフェリシアをはじめ彼を取り巻く人々の人間模様が展開されます。ブラッドリー・クーパーがユダヤ人であるバースタインになり切るために、特殊メイクで鼻を大きくしたことが物議を醸しましたが、バースタイン氏の遺族など関係者が了承したということでその議論は下火になりました。

 

これから映画をご覧になる方もいらっしゃるでしょうから、ストーリーへの言及はしませんが、ブラッドリー・クーパーの演技はもちろん、妻のフェリシア役のキャリー・マリガンも素晴らしかったです。堂々のアカデミー賞主演女優賞にノミネートです。アカデミー賞レースライバルの大ヒット映画「バービー」でメインキャラクターの俳優がノミネートされる一方で主演女優マーゴット・ロビーがノミネートされなかったのは女性差別という意見があるようですが、主演女優賞はキャリー・マリガンのようなベテラン女優をはじめ群雄割拠な部門ですので、それを女性差別というのはお門違いのように思います。(もちろん、マーゴット・ロビーもとてもいい女優さんだと思いますが。)

 

カズ・ヒロさんのメイクの力もあり、バースタイン氏の若い頃から晩年までを演じたブラッドリー・クーパー

 

この映画の主役は妻フェリシアでもある。女優賞獲って欲しいです。

 

この映画には、私の大好きな俳優であるマット・ボマーも出演しています。若き日のバースタインの恋人兼ビジネスパートナーであるデイビッドの役で、登場シーンこそ少ないものの重要な場面で登場します。特に、お互い家庭を持ってからセントラルパークで再会するシーンは印象的でした。バースタイン氏は妻フェリシアを愛していたと共に、デイビッドのことも同じように愛していたことが伺えます。ちなみに、このシーンの撮影秘話が番外編としてYouTubeに流れており、ブラッドリー・クーパーとマット・ボマーの仲良い姿が美しくそして微笑ましいです。二人ともプロデューサー業もこなす理知的俳優なので息が合うのかなと推察しています。

 

バースタイン氏が男性とも恋愛遍歴を重ねていたことは周知の事実

 

ところで、この映画を再び鑑賞に行ったのは、アカデミー賞にノミネートされたからという理由だけでなく、冒頭でお話ししたように、ゲイ友Zの友人が端役で出演していたと聞いたからでした。撮影裏話解説もしてくれるかも、というので一緒に来ないかと誘われたのでした。旦那も留守でしたし、二つ返事で参加しました。Zが連れてきた友達は音楽関係で品のありそうなナイスガイ。新しいボーイフレンド候補なのか気になりましたが、今のところその友人がゲイかどうかもわからないんだとか。(←だったらどこで知り合ったんだよ!って感じなのが、さすがZ)ニューヨークにいるハイプロファイル層の中国人って、中華思想の影響なのか、臆せずどんどん切り込む感じで、日本人とは違うネットワークがあって面白いです。

 

さてその友人の登場シーンとは、映画の終盤、キャリア晩年を迎えたバースタイン氏が教会で大作を指揮する場面です。実際のオーケストラと合唱団が登場しますが、その友人は合唱団員の一人として出演していたのです。1回目に観た時は、ブラッドリー・クーパーの演技に魅了されすぎてしまい、後ろの合唱団がいたことすら覚えていませんでした。今回はきちんと確認することができました。実際に友人が映ったのはわずかでしたが、確かに、隣に座ってる人物がスクリーンの中にいました。たとえ登場シーンが一瞬でもアカデミー賞ノミネート作品に出演するとは誇らしいものです。最後のエンドロールではしっかりと名前を確認できました。同じ合唱団の仲間が撮ってくれたという写真をシェアしてもらったので本人の許可をもらって掲載しました。

 

このシーンは圧巻でした。こんな場にいたとは素晴らしい

 

バックコーラスの待合室での様子

 

みんな長身でハンサムオーラ満載

 

長くなりましたが、本年度アカデミー賞ノミネート作品である「マエストロ」。アカデミー賞当日まであとおよそ1ヶ月、ぜひ本戦での健闘を祈りたいです。

 

 

上映予定映画のサイン。IFCセンターでは今も手作業