「運命の男(Mr.Right)を求めて」シリーズ第3弾です。マンハッタン在住のゲイ友の、運命の恋人と思い込んでいた男との別れ、そして彼がどうして結婚できないかという考察をしてきました。今回は、再婚相手を見つけるにあたって、何がリスクになっていて、それをどう乗り越えるかということを書いていきたいと思います。

 

「普通の男を探しているだけなのに、、、」と「ありのままの自分を受け入れてくれる彼はきっといるはず、、」の婚活における2大妄言に惑わされ、さらにはSATC(セックスアンドザシティ)に洗脳されてしまいマンハッタンこそが世界の中心という信仰の強いZhao。結婚できない要素満載のシングル・ゲイなんですが、それでも50歳の誕生日前には再婚する、という目標を新たに設定しました。そこで、まず、婚活でマッチングを実現する4つの重要項目に彼がどうやって対応していくか、彼と話した内容を書いてみたいと思います。(もう婚活コンサルタント気取りですが、これは私とZhaoの私的な会話ですので、あまり真に受けないでくださいねニコニコ)

 

とは言っても、Zhaoは本気で、Dialogueの後には具体的なアクションプランの方向性が見えてきたので、お付き合いいただける方は、最後までぜひ。

 

市場にいるいい男の数は限られているので、中年の婚活、しかもゲイの再婚という超ニッチマーケットでは雲をも掴むようなファンタジーは禁物です。運命の男にどうやってリーチアウトするか冷静なビジネス的アプローチと徹底的な分析が必要。そこで前回のブログで書いた婚活重要4指標各項目を5段階で評価し、最高点合計20点を割り出します。高ければ高いほど結婚は難しいという指標です。よって、このスコアをどう低く抑えて結婚できないリスクを回避するかが鍵です。以下、まるでビジネス雑誌風に書いてみました。

 

ルックス・外見の好み

 

彼は、ルックスのいい白人男性にしか興味がありません。ポリコレで全人種OKというするゲイもいますが、Zhaoは気持ちがいいくらい明確。同胞のアジア人については、兄弟や父親とセックスしてるみたいで気持ち悪くてダメ、という生理的嫌悪感。ヒスパニックとかアフリカ系等は怖くて恋愛の対象には入らないそうです。昔Zhaoに想いを寄せてた中国人のゲイに、人種差別と言われたこともあるそうですが、こればかりはしょうがないです。彼に、自分と同じ中華系男性に恋をしろというのは、例えばストレート男女に同性に恋をしろというくらい難しいと思います。白人男でもデブとハゲ、そしてガリガリ君もだめ。ということでルックスは絶対に妥協できないようです。クリア難易度は5段階で5としましょう。

 

性格の相性 

 

Zhaoはルックスの選り好みは激しいのに、一方では付き合いやすい(=EasyGoing)性格なので、一度ルックス基準をクリアした相手を見つけて一緒になれば、性格の不一致が原因で別れたりすることはないようです。前の旦那と別れたのは明らかに旦那の方に性格の難があったのは私もよく知っています。ただ、旦那にモラハラされ続け離婚して以降、塞ぎ込みがちになってしまっています。またワンコを中心とした生活が続いて、融通が効かない部分も出て来たので、誰かいい男と出会いがあったときに様々なマイルールが邪魔をする可能性もあります。加齢とともに、融通の効かなくなってきたと自分も認めているので、中間をとってこの項目は難易度中程度の3。

 

経済的背景

 

Zhaoに限りませんが、ゲイもストレートも、ニューヨークや国際婚活のマーケットでは、皆自分と同じくらい稼ぐ力がある相手を選ぶ傾向にあります。ですので彼の要求が特別とは思いません。ただ、今のように自分より若い男を選ぼうとすれば、彼より稼ぎが少ないのは当然。年齢で妥協して収入が高い男を探すか、ジェイコブのように、今の収入は少なくても将来のキャリア設計がしっかりしていれば受け入れようというのが私の提案。Zhaoの回答は「クレジットスコア、チェックして決める」とSATCも驚きの反応。さすが中国人。クレジットスコアとは、金に関わる個人の信用度を数値で表したものです。クレジットカードの返済歴などで数値が積み上げられていく仕組みです。個人情報ですが、金を払えば購入できます。婚活相手に当てはめるのは非常に論理的です。Zhaoの収入はおそらく180Kドル程度。日本円で言うと2千万円くらいですが、ニューヨークのプロフェッショナルではこの程度は中間値です。よって、経済的背景でのマッチング項目は難易度中程度の3。

 

文化的許容性

 

Zhaoはもう中国を離れて過ごしている人生の方が長くなっているのと、職場もグローバル企業なので、国際人としてとてもスマートに振る舞います。私と話している時も日本に興味を示しリスペクトします。誰に対しても同じように接するジェントルマンです。前の旦那ともお互いの出身文化の違いが原因で喧嘩になったりしたことはないそうです。それどころか、中国料理があまり好きでない元旦那に合わせて、夕食などは2パターン準備したりと、文化の違いに現実的に対応してました。アジア人にありがちな、本国の親にマインドコントロールされている様子もありません。深層心理では中華思想を持ち続けているかもしれませんが、それでも表面上は相手に合わせられるので、これに関しては難易度易で1。なお、子連れのシングルで、恋人よりも子供を優先して、それを高らかに宣言したりすると、残念ながら再婚難易度は高くなります。お子さんが大切というのは充分わかりますが「あなたは子供の次に大事、」というようなことはわざわざ相手に了解させようとはせずに、心の中に秘めて、表向きはうまく立ち回った方がいいです。相手にも相手の人生があることをお忘れなく。子の有無は再婚市場で重要なファクターなのでどの項目に入れようか迷いましたが、この文化的項目に入れました。

 

ということで、以上4つの指標を総括してZhaoの結婚難易度は20点中、12。

 

比較が必要なので、この週末に私のよく知ってる国際結婚カップル10組20人を分析して勝手にスコア化しました。(←そう私は、暇人なんです!)自分たちも含めて結婚してる人たちの平均点は6点くらいでした。そして、シングルの知り合いで結婚したいと言っている数人をスコア化したら、平均点13点。明らかに、既婚者よりも結婚難易度スコアが高いことがわかりました。ちなみに、一番最高点は20点。自分のことを棚に上げて、金持ちで王子様のようなルックスで、しかもありのままの自分を受け入れてくれる男はきっといるはずだと理想像の男を夢想している玉の輿狙いの女性。自分も結構稼いでいて美人なんですが、譲れないところも多いらしいです。さらにそれ以上の稼いでる男ってどこにいるの?という感じで、彼女が自分の理想の男性と出会い結婚する確率は限りなくゼロに近そうです。ちなみにずっと書いてますが、この指標は人格の良し悪しではなく、結婚難易度を測るものなので彼女への攻撃ではありません。彼女は仕事で成功している人です。

 

側から見ればマンハッタンの成功者であるZhaoや彼女が高リスク値を叩き出したことで、仕事ができて賢いとかルックスが良いからといって必ずしも結婚できるわけではないことを証明できました。ちなみに、そういうシングルの方々は、婚活サイトの偽プロファイルに騙されることが多くロマンス詐欺に遭う傾向が高いとアメリカの消費者保護局も注意喚起してました。Zhaoも、ゲイアプリにスイス人実業家を名乗るイケメンからメッセージが来て一瞬惑わされたようですが、欧州大陸にいる金持ちイケメンがわざわざ大西洋を隔てたアメリカの中年シングルゲイに連絡をしてくるはずがないと、冷静になって気がついたそうです。昔ブログにも書きましたが、私自身ロマンス詐欺被害者として、惑わされてしまう理由、わかります。

 

Zhaoが送ってきたアプリで会った偽プロファイルのイケメン

 

ちょっと話は逸れてしまいましたが、Zhaoの結婚可能性を高めるためには彼の結婚できない可能性スコア12点をできるだけ低くしなければなりません。彼の場合、5点満点の高リスク項目「ルックス」に焦点を当てる戦略が必要と思います。見た目の好みや人種などは生理的な好みで、変えることはできないので、その狭さを補うために、数打ちゃ当たる方式で、できるだけ多くの機会自体を増やすことが唯一の戦略です。彼の好みは、いい体したハンサムな白人ですが、その属性が中年の中国人に興味がある確率は非常に低いので、とにかく多くの人にあって希少価値の白人男と出会う数を増やすしかありません。Zhaoの場合は、ここで間違っても「素敵な相手に会ったときのための自分磨きカウンセリング」みたいな方向に行ってはいけません。

 

ついに4回にわたって繰り広げてきた婚活シリーズ「運命の男を求めて」も次回が最終回。Zhaoが再婚相手を探してどんなアクションを実践していくのかを紹介したいと思います。

 

Zhao行きつけの四川飯店での談義、楽しかった