特に大きな予定も入れず、あちこち歩き回り、ひたすら食べまくってる我々の東京滞在ですが、残り数日を残すのみとなりました。この日は、午前中浅草まで足を伸ばし、午後は日本橋運河クルーズのミニトリップを楽しんできました。天気予報では雨の確率が30%以上でしたが、天気もなんとかもってくれました。

 

午前中は、旦那Dのリクエストでかっぱ橋道具街を訪問。恥ずかしながら東京に住んでいたにもかかわらず、この道具街のことを知らず、数年前にDから聞いて初めて知りました。元々飲食店を相手に食器を販売する問屋街的存在のようですが、今や国内外からの観光客がここを目当てに訪問する人気ショッピングスポットになっています。こんなものまで売ってるんだ〜と思いくらい、ウインドーショッピングしているだけでも楽しい界隈です。ニューヨークでは今、日本の包丁が人気でドイツ製と双璧をなしています。海外では高額な日本の有名ブランドの包丁がここかっぱ橋道具街では3分の1くらいの値段で売っていているそうです。包丁を扱うお店には外国人客が結構いました。どのお店も英語が流暢な店員さんがいて意外な発見でした。

 

その後、ここまで来たら浅草寺にお参りせずして帰るわけにはいかないと思い雷門方面へ歩きました。少し手前の交差点に到達したら、雷門の前あたりに人が溢れているのが見え、中には路上にはみ出して車の往来の妨害になってる人たちもいました。雷門の巨大提灯をバックに記念撮影をする旅行者たちのようでした。

 

賽銭箱が写真スポットになり、参拝客は遠巻きに参拝

 

境内に続く土産物の並ぶ参道はもっと混雑していて歩けたものではないので、土産店の裏手の道を歩きました。しかし浅草寺境内もまるで初詣シーズンのような人出で、あちこちで写真や動画撮影する人たちで溢れています。地元の人達と思われる参拝客は遠慮がちにしています。外国人ツーリストが日本に戻ってきてくれているのは嬉しいことだと思いますが、これは行き過ぎでないかと思いました。これが噂のオーバーツーリズム状態かと、ついに実感。オーバーツーリズムとは、観光客が増え過ぎて、地元に住む人たちの生活に支障が出るなど、その土地の負担になってしまっている状態を指します。観光客が増え過ぎて路線バスに地元の人が乗れないと言われる京都や、住居が宿泊施設になってしまい、地元の人が市内に住めなくなってしまっているバルセロナなどの例が有名です。浅草寺の門前街の土産物屋などはともかく、外国人がお寺にお布施をしていくとも思えないし、お賽銭の習慣すら知らない人が多いと思うので、どんなに人が訪問しても、彼らが浅草寺にたくさん金を落としていくとは思えないです。

 

我々は早々に退散して、数日前に行ったばかりの日本橋へ戻りました。銀座線が通勤ラッシュ並みに混んでたので、混雑を避けるため、少し歩いて都営浅草線で移動しました。日本橋では、ずっと気になっていた東京湾クルージング主催の舟旅を予約していました。日本橋の船着場を起点に、隅田川、東京湾へ向かう日本橋クルーズと、上流に遡る神田川クルーズがあって、どちらも東京の隠れたアトラクションになっています。東京のリバークルーズといえば、浅草を発着する隅田川水上バスが有名ですが、こちらのクルーズも最近徐々に人気が出てきて、予約なしでは乗れないこともあるそうです。ネットで予約しようとしたら、日本の携帯番号を持っていないと購入できなかったので、数日前三越に買い物に来た時に発着場で紙のチケットを確保しておきました。

 

天気予報を気にしつつも、なんとか雨にはふられずクルーズは予定通り日本橋を出発し、首都高の下を進みます。この区間、数年後には地下化され、将来的には日本橋及びこの付近からは空が一望できるようになるそうです。すでに首都高への入り口施設などは封鎖され撤去工事が始まっていました。

 

さて、浅草のオーバーツーリズムとは無縁の静かな船旅でしたが、クルージング会社の予約サイトには日本語の案内しかないのにもかかわらず、こんなところにも外国人ツーリストたちの姿が見えました。というか、40人程度のお客さんの半分以上外国人。うち、ゲイが我々含め4組。西洋人は私の旦那含め、全員ゲイ男性と思われました。そのうちイギリスのハリー王子に似た感じのイケメンを含めた3人組が我々の視線の先に席を陣取っていて気になっていたんですが、大声でおかま談義してて、小っ恥ずかしくなりました。オネェ言葉がエンジン音に負けずに響き渡る船上はまるでゲイクルーズ。もっと、下町の水辺の雰囲気を楽しめよ〜と思いました。

 

日本橋を出発。約1時間のミニクルーズ

 

この付近から首都高の下から外れて開放感たっぷり

 

隅田川、東京湾方面へ。ゲイグループがひたすら喋ってて、ややウザ。

 

色々な橋をくぐる楽しい船旅。おネェさん、ここで膝抱っこはちょっと、

 

隅田川に出るとスカイツリーも見えました

 

こちらは大人しめのゲイカップル。

 

我々の真後ろに、50代くらいの熊さん風ゲイカップルが座っていて、出航前にDと一言二言話してました。日本人が海外に行くと他のアジア人と日本人を区別できるように、アメリカ人も何となくお互いアメリカ人だとわかるようで、熊さんカップルはDをすぐに同胞アメリカ人だと分かったようでした。なんとなく我々とお友達になりたそうな雰囲気を醸し出していたのですが、後ろを向いての会話が難しかったのでそれっきりになってしまいました。個人的には、彼らがどうして、日本人しか知らないようなこのツアーのことを知ったのか興味がありました。

 

 

あっという間に小一時間のクルーズは終わり、日本橋付近は夕方の喧騒が始まりつつありました。オーバーツーリズム状態の有名観光スポットは避けて、こういう知る人ぞ知るマイナーな旅も楽しいものです。

 

東京には、こうした隠れたスポットが数多くあるので、まだまだ十分に楽しめる余地はあると思いました。今これを書いてる時点では雨模様ですが、天気が悪くてもそれなりにお楽しみスポットが多いのが東京の魅力。あと数日、何して過ごそうか楽しみです。

 

江戸情緒に浸った船旅の後は鰻が食べたくなりました