ニューヨークに長年住んでいると、頻繁に友人たちから旅行のアドバイスを聞かれます。コロナでここ1−2年は鳴りを潜めていましたが、今月からついにアメリカもワクチン接種を条件に外国人旅行者の入国を開始したので、またぼちぼちそういうメールが来るようになりました。(ちなみに日本人はワクチン接種条件適用前から入国が許可されていましたので、今回ワクチン接種が義務付けられたことで、日本人にとっては入国条件が厳しくなったことになります。)
さて、この歳になると、気軽にやりとりする友人知人元同僚は95%以上が女子かゲイだけになるので、多い質問は、お勧めのホテル、レストラン、カフェ。そして安全な区域、そしてゲイに限っては最新のゲイバーシーン。そんな中、アジア某都市で働いていた時の同僚、中華系女子ジョリーンからいきなりLinkedInにメッセージが来て、「今ボストンにいて、明日マンハッタンに行くからランチしない?」と。もう10年近く会ってないのに、まるで定期的に会っているかようなアプローチ。ボストンに大学に息子さんが留学していて2年ぶりの会いに来たそうです。
「どこかすごくニューヨークっぽいカフェ探しておいて。留守番してる娘にもお土産買いたいし。」というリクエストがきて「面倒くせぇ〜、カフェと娘へのお土産ってどう結びつくんだよ?」と思い「ニューヨークのホリデー限定マグカップも売ってるし、ニューヨーカーはだいたいスタバだよ」と答えたら、きっと提案が気に食わなかったのか返信なし。(あ、この女、仕事の時もこんな感じだった!と懐かしく感じつつ、)憎めない人物でもあるので、仕方なくセントラルパークに散歩に行くついでに、彼女が喜びそうなカフェを探してみることにしました。そこで発見したのは、「ラルフズコーヒー」。小綺麗なのに敷居が高くなさそうで、客層も多様な感じ。イースト72丁目にあってセントラルパークも近いので、ジョリーン指定のボートハウスでランチした後に歩いて行けそうということで、現地下見してきました。
(ランチはパーク内の「ボートハウス」指定でリクエスト。旅行者が来た時じゃないとこういうところに行かないので、何気に楽しみ)
(そしてこれがラルフズカフェの外観。Ralph Laurenのショップ内に併設。客層はご近所さんと観光客半々といった感じ)
(平日なので空いている。この付近のカフェに生息してる、PC持参で何時間も一人で数席占領してそうな輩も居ない)
私がこの近所に住んでいた時にはまだ出店していなかったので、いい発見をしたと思いましたが、実は数年前まで5番街のラルフローレンショップにも系列のカフェあって、大人気店だったらしいです。さらに、最近は東京にも進出していることが判明。自分がニューヨークに住んでいるとこういうところには全く目がいかないんですよね。でもそんな人気店をそうとは知らずに自分の足で探し当てた目利きに自己満足。そんなに混んでいないようだし、特製マグカップやTシャツなどグッズを販売していて彼女の娘へのお土産も充実してそう。一応彼女に写真送ったら、Looks great, thanksと秒速返信が来ました。下見成功!ということで、久々の再会を楽しみにしていました。
そして、当日、、、。ボートハウスに向かっている途中に彼女からテキストがきて、乗る予定だった電車がキャンセルになって、1本後の電車に乗ってると連絡。キャンセルになった時点か、少なくともボストン出るときに教えろよ、というツッコミはおいておいて、(再び、ああ、この女、そういえば仕事の時もこんな感じだった〜)と思いつつランチは断念。だったら、旦那が買ってきたピザでランチ済ませてくりゃ良かった!
結局彼女のチェックインするホテルのロビーで2時間遅れで無事合流して、一応久しぶりの再会に感動。でも私の中ではすでに今日のハイライトである、ジョリーンをニューヨークっぽいカフェに連れて行く、という目標達成で頭がいっぱいでした。先程通りかかった時は結構席が埋まっていたので、とめどなく息子の自慢話をするジョリーンを急かしつつラルフズコーヒーに向かってマディソンアベニューを北上しました。そしたら、ジョリーンが予想外の反応。「ここにしようよ」。と何度か私もベーグルやコーヒーを買ったことのあるごく普通のデリ兼コーヒーショップの前で立ち止まるではありませんか。(勘弁してくれよ、お前がニューヨークっぽいカフェ探せって言うから見つけたのに、、、)そして、(三たび、ああ、この女、そういえば昔もこんな感じだった〜)
彼女は私が何か急いでいる雰囲気を察知したのか、「何でそんなに早足なの?どこでもいいの、あなたとキャッチアップするのが目的なんだから」と歩みを止めてしまいました。(そうだよな〜彼女の言う通りだ。そういえば昔もこんな感じで諭されたっけ、と反省)思えば仕事でも彼女と接していると、逆に自分のせっかちさとかを感じてたのです。彼女は仕事でも途中ヒヤヒヤするところがあるのですが、終わりは必ずきちんとした物を仕上げる人でした。物事の進捗を常に気にする私と、ダイナミックなジョリーンとの相性は意外に良く、結構一緒にいい仕事をしたことを思い出しました。また弟分のような感じで何気に仕事も教えてくれていました。だからこうして、10年も経ったのにわざわざ訪問して来てくれるんだな〜と妙に感謝してしまいました。
結局、このコーヒーショップで、お互いの近況や仕事の話など2時間近くおしゃべりをして久々のジョリーンとのデートを楽しみました。また、子供二人が大学終わったら今働いている某有名多国籍企業のアジア地域のバイスプレジデントのポストを狙うつもり、と宣言する彼女の飽くなきキャリアへの野望に大きな刺激を受けました。翌日はニュージャージーにある本社を訪問して大ボスとその昇進の件で相談するらしい。国境が開いたその週に遥々地球の反対側から息子訪問や旧友再会に留まらず、さらにキャリア・ネットワーキングまで実行してしまう恐るべしバイタリティの持ち主ジョリーン。最近、自分自身のキャリア上昇志向が停滞気味だったので、彼女には大いに刺激を受けました。
それと、一緒に働き始めた頃は私はまだ若かったので、結婚のこととか毎回聞かれて結構ウザいなと思った時期もありましたが、今回は何も聞いてきませんでした。別の会社に勤めているけれど同じ業界にいるので一応、ゲイであることは言っていないのですが、多分気がついているだろうな〜、と言う感じ。キャリアの話をしているときに、アジアに戻ってくれば?とも言われ、そうすると、旦那が一緒にアジアに動けるかどうかもキーになります。付き合いが長い元同僚にはやはり隠し事はしたくないし、こう言う場合には話の支障にもなるので、彼女に次会う時には自然にカミングアウトするべきかな、と思いつつ、再会の余韻に浸っています。
(ラルフローレンのカフェまであと2ブロックと言うところで見つけたデリにて決着)
(結局久しぶりの再会は一杯3ドルのコーヒーで。ラテのミルクが少ないと店員さんに文句言ってる中華女子ジョリーン)
最後には釣り記事みたいな急転直下のオチになってしまいました。本当はラルフズカフェのおしゃれなコーヒーとか、スイーツをレポートする気満々でいたのですが、そういうのはもっと得意な人がいるでしょう、、。そう言う意味ではラルフズカフェよりも、こういう近所のコーヒーショップで、同じ業界の元同僚とキャリアの話で盛り上がる、という方がより現実のニューヨーカーっぽいと言えるだろうと自分を言い聞かせています。




