交響曲第7番 ロ短調 D 759 は、フランツ・シューベルトが1822年に作曲した未完の交響曲です。
交響曲第7番は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトの作曲した7番目の交響曲ですが、シューベルトの後期の交響曲は何度も番号が変更されており、『交響曲第7番』が示す曲もその都度変化しています。
シューベルトはグラーツ楽友協会から「名誉ディプロマ」を授与されました。わずか25歳でのこの授与に対して、シューベルトは返礼として交響曲を作曲することにしたのです。でも、シューベルトが送付したのは第1楽章と第2楽章だけで、残りの楽章は送付しなかったとされています。
そのままシューベルトはなぜか別の交響曲（ハ長調 D 944）の作曲をはじめ、ロ短調交響曲を完成させる前に逝去してしまいました。シューベルトの名声が確実なものとなった没後数十年を経て、残された2楽章分のみが出版されることになりました。初演はウィーンで1865年12月17日。初演された当時、シューベルトはすでに「大家」の扱いであり、未完成の理由について多くの推察が行われたが、決定的な証拠は遺されなかった。
交響曲は通常4つの楽章から構成され、その最も典型的な形がベートーベン『運命』などに見られるアレグロ・ソナタ - 緩徐楽章 - スケルツォ - フィナーレ という形式です。シューベルトも当初はそのようなものを構想して、この交響曲ロ短調の作曲を進めていったのだろうと考えられる。でも、シューベルトは第2楽章まで完成させ、スケルツォ（第3楽章）をスケッチまでほぼ仕上げながら、そこで作曲を中止してしまったとされているが、諸説あって決定打はないようです。
なぜ第2楽章までで作曲を中止してしまったのかには、さまざまな説があります。
例えば「第1楽章を4分の3拍子、第2楽章を8分の3拍子で書いてしまったために、4分の3拍子のスケルツォがありきたりなものになってしまった」というもの。
また「シューベルトは、第2楽章までのままでも十分に芸術的であると判断し、それ以上のつけたしは蛇足に過ぎないと考えた」という説などである。
事実、第3楽章のスケッチの完成度があまり高くないため、シューベルトのこの判断は正しかったと考える人は多いようです。シューベルトはこの交響曲を完成させていたが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するためグラーツ楽友協会に第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、結果として楽譜が散逸した、とする説もあります。
もっとも、このように音楽作品を完成させないまま放棄するということをシューベルトはきわめて頻繁に行っており、「未完成」であることは、この交響曲の成立に関してそれほど本質的な意味はないとする考えもあるのです。
どれもありそうですね('◇')ゞ
●指揮者シャルル・ミュンシュについて
ミュンシュといえばベルリオーズの『幻想』！ミュンシュの極めつきとされた『幻想交響曲』の、ボストン響との最初の録音がありますが、同じボストン響での「未完成」もなかなか捨てたもんじゃありません。各パーツのバランスが素晴らしく、この曲のスタンダード演奏としての位置を与えられてもよいと思います。
1891年フランスストラスブール（当時ドイツ領）生まれ。1968年没。音楽一家に生まれる。38年からパリ音楽院管の常任となり、49年から13年間ボストン響の常任、67年に新設パリ管の初代音楽監督に就任する。生涯のほぼ半分ずつを、それぞれドイツ人とフランス人として送ったミュンシュは、両国の音楽を共に得意とした。
ミュンシュの指揮でシューベルト交響曲第7番「未完成交響曲」を聞いてみたい方は下の「ミュンシュ指揮：・・・」をクリックしてください。「クラシック音楽用アップローダー 」のページが開きます。下方の「ダウンロード」をクリックするとダウンロードできます。各楽章ごとにダウンロードしてくださいね。音楽がダウンロード出来たら早速聞いてみましょう。
ミュンシュ指揮：シューベルト交響曲第７番 ロ短調 D.759 「未完成」 ボストン交響楽団 １９５５年５月２日録音 「第一楽章」
ミュンシュ指揮：シューベルト交響曲第７番 ロ短調 D.759 「未完成」 ボストン交響楽団 １９５５年５月２日録音 「第二楽章」
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