投薬は誰のためか | 凸凹親子の甘い生活

凸凹親子の甘い生活

中学1年の息子(ASD,ADD,LD)のこと、
保育士の母(自称ADHD)が日々感じたことあれこれ。

来年度、就学を控えたお母さんから


「投薬についてどう思いますか?」


と、質問を受けた。

なかなかね、どう答えればいいのか悩むのよ。


まず、担任している子ではないので

担任の考えとあまりにも食い違うのはまずい。


主治医の見解を否定することになるのもまずい。

で、いろいろ話しを聞いて行く。


私の考え方としては、

投薬と一口に言っても

自閉症の症状に対してか

ADHDの症状に対してかで違う。


ADHDは脳のどこの部分の機能に障害があるのか

ほぼ特定されていることになっており

脳内のセロトニンだかドーパミンだか

リラックスするための物質の分泌あるいは吸収がうまくいかないために

おこる症状らしい。

その機能を補うための薬なので

投薬をそれほどネガティブに考えることはない。

糖尿病の人にインシュリン打つことと、ちかくないですかね?

もちろん、人もふくめた環境構成や

スキンシップなどでセロトニンを増やす試みが

まずは、大切だと思います。


自閉症の薬は安定剤系の向精神薬とかいうのかな?

そういう系統のものになると思うのですが

幼少期に子どもが落ち着かないからとしようすることは

あまり好ましくないと思っている。

脳の発達成長する時期にふさわしくない。

成長期を過ぎて大人になってから考えるのが良いのかと。

家庭それぞれの状況やその子それぞれの症状によって

絶対に。とはいいきれないですが。



ADHDに使用する薬に関しても

あまり幼少期に先手をうって使用するのは

おすすめできない。

まずは、環境をととのえるのが先。

それでも、本人がイライラしたり、

落ち着けない状態があって

薬を使ってスッキリするという効果を

本人が実感できたほうがいいのではないかと考える。


こんなかんがえを持つわたしがやんわりやわやわと

お母さんの質問に答えつつ

はなしを聞いていたら



お母さんは


「Dr.に6歳からコンサータが使用できるから

いまのうちに体に薬をならして

小学校に入ってまわりに迷惑をかけないために

投薬を勧められた。

副作用も心配だけど

ひつようなのかな?」


と言われた。

たんわり、やわやわ答えていたのに

ついはっきりと断言してしまった。


「そういう見解なら薬はやめたほうがいいです。

薬はあくまでも本人のためです。

本人が楽になるのなら使いましょう。

医者だけじゃなくお母さんも、すこしでもまわりに迷惑かけないために薬を

と思うなら、やめてください。

発達障害の有無に関係なく

こどもはまわりに迷惑をかける生き物です。

迷惑かけていいんです。」


やっちゃった。熱く語ってしまった。


「Dr.は、もしかして

本人が叱られたりして

自己肯定感が落ちてしまうといけないから

その前に薬を。と考えられたのかもしれないですね。」


と、ちょっと冷静になって補足しておいた。

あー。わたし自身がADHD。



ちょっと思い出したお話を


日本では

人に迷惑をかけてはいけません。

と子どもにに教えるけど

インドでは

あなたも人に迷惑をかけて生きているのだから

あなたも、人に迷惑をかけられても許してあげなさい。

と教えるそうです。


どんな立派な人間でも人に迷惑をかけないで暮らすなんてありえない。

「迷惑」ではないかもしれないけど

いろいろな見えないところで支えあって人は暮らしている。

なるべく迷惑をかけないようにという考えを持つことは大事だけど

だれにも迷惑をかけないで自分は生きているという考えを持つのは

恐ろしいことです。



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