あはは。バイヨン(baião)の事をすっかり忘れていました。
バイヨンは、ブラジル北東部(ノルデスチ地方)の音楽で、
そのリズムは、Forró(フォホー)や、Côco(ココ)といった、
この地方のその後の音楽の出発点となったといってもいい。
のどかで陽気な2拍子の舞曲です。
そして、バイヨンと言えば「ルイス・ゴンザーガ」ですかね。
ルイス・ゴンザーガは、1912年生まれのブラジルの作曲家で、
1940年代後半にバイヨンを流行させて「バイヨンの王様」と呼ばれるようになりました。
そうそう、念のためだけど、baião の発音をカタカナで表記するのは難しいんだよ。
いえ、ひらがなだったら簡単なのかって、そういう問題じゃなくて。
ちょっとポルトガル語をかじったことがある人だと「バイアォン」って書くことが多いんだけど、
かえってどんな発音だか見当がつかなくなるおそれが大だよね。
「São Paulo」が「サン・パウロ」でいいんだったら「バイオン」でもいいし、
オンのところにアクセントがついてることを意識させたいなら「バイオーン」でもいいかも。
つまり「ão」の発音が独特だってことなんだけど、
じゃぁ、この記事ではなぜ「バイヨン」ってしたかって言うと...
1951年、まだボサノバも生まれていなかった頃、日本でルイス・ゴンザーガのバイヨンを歌った歌手がいた。
そのタイトルが「バイヨン踊り」なんだ。バイヨンだけじゃなんのことか分からないから「踊り」を付けたんだと思う。
歌ったのは、宝塚出身の歌手「生田恵子(1928年~1995年)」
そして、この「バイヨン踊り」の原題は、「Baião de Dois(2人のバイヨン)」なんだけど、
Baião de Dois は、ノルデスチ地方の料理の名前でもある。
ルイス・ゴンザーガの「Baião de Dois」を先ず聴きたい人は ●ここ
「Baião de Dois」の歌詞と「Baião de Dois」のレシピを同時に知りたい人は ●ここ
●バイヨン踊り / 生田恵子
そして、日本ではその後もカバーされています。
2曲目は、キウイとパパイヤ、マンゴーズ(Kiwi & the Papaya Mangoes)の演奏で。
中原めいこ(*1)のヒット曲か?と思わせる名前のこのグループは、
お座敷で歌われる小唄と、ノルデスチ地方のリズムを合わせて、昭和歌謡を歌うという、
なかなか魅力的なグループです。
●バイヨン踊り(カレー味!) / キウイとパパイヤ、マンゴーズ
もちろん、本国でも歌い継がれてますよ。
3曲目は、ヴォーカルと、パンデイロと、ギターのシンプルな演奏で。
●Baião de Dois - Mário Mesquita / Dudu Holanda / Igor Ribeiro (途中で切れちゃうけど)

*1 中原めいこ / 君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。