No Tabuleiro da Baiana は、
以前、「Aquarela do Brasil (ブラジルの水彩画)」の作曲家として紹介した、 ●ここ
アリ・バホーゾ(Ary Barroso)の曲です。
ブラジルの水彩画があまりにも知られすぎていて、
彼のオフィシャルページ http://www.arybarroso.com.br/ を訪ねてもこの曲で迎えられる程の代表作なのに比べて、
この No Tabuleiro da Baiana は、いまひとつ知られてない気がするんだよね。
ブラジルの水彩画に先立つこと3年、1936年の作品で、実はこの曲が彼にとって初ヒット曲だった。
その後、カルメン・ミランダの歌で米国でヒットし、
1980年には、Caetano Veloso e Gal Costa で、
1983年には、Maria Bethânia e João Gilberto でヒットしているんだけどさ。
それでも、
ブラジルの水彩画に比べたら、この No Tabuleiro da Baiana は、やっぱりちょっと知られてない。
だいたい、タイトルの日本名も定まってないもの。
「バイア娘の屋台」とか、
「バイア娘のテーブル」とか...
これって Tabuleiro をどう訳すかだけなんだけど、
Tabuleiro には、お盆とか、盛り皿って意味がある。
つまり料理をのせるもの。
でも、いきなり「屋台」って訳は、どうなんだろう。
あ、失礼。
そんなことより「バイア娘」って何だ? ってのに答えなくちゃ。
バイア娘ってのは、その名の通りブラジル北東部のバイア州出身の女性の事で、
バイア州といえばブラジル音楽の中でも、独特のリズムとフレーバーを持った曲が有名で、
そしてタイトルに「バイア娘」と名の付くブラジルの曲は多く、 ●ここ
どうもブラジルの中では珍重されているようです。
ま、聴いてもらっちゃおうか。
●Caetano Veloso & Gal Costa
●Rosa Passos & Lula Galvao
ね。軽快で、良い曲でしょ。
最初のフレーズは、こんな感じです。
♪ No tabuleiro da baiana, tem
Vatapá, oi
Carurú
Mungunzá, oi
Tem umbú
Prá Ioiô
♪ バイア娘の tabuleiro には
Vatapá(料理名)がある うん
Carurú(料理名)も
Mungunzá(料理名)も そう
umbú(フルーツ)もある
旦那さまのための
バホーゾは、バイア州の首都サルバドールの当たり前の情景を詩にしたのだということです。
それは、路上で料理を作って生計を立てている黒人女性。
そして、その料理はアフリカ起源の伝統料理。
とすると、Tabuleiro を屋台って訳すのはナイスだったんだ。
それに、「バイア娘」って訳すより「バイア女」って訳した方がイメージかもね。
あ、ちなみにアリ・バホーゾ自身はリオ・デ・ジャネイロ生まれでね。
でも、詩ではこんな風に歌ってます。
♪ Juro por Deus
Pelo Senhor do Bonfim
Quero você
Baianinha inteirinha prá mim
♪ 神に誓って
聖ボンフィン(バイアの守護聖人)に誓って
お前が好きだ
ボクの小さなバイア娘まるごとを
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