
おだてに弱い方でして、
基本的に、褒められて伸びるタイプの「なつむぎ」です。
どうぞ、褒めたいだけ、褒めちゃって下さいね。
性格的に、自分で自分を、決して褒めることができないものだから、
ひとの褒め言葉が、じわ~んとありがたい。
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たぶん、最初に嬉しかった褒め言葉は、中学校の時の同級生からのもので、
「... その時さ、オレがなつむぎだったら、どうするだろうって考えたんだ」
彼はその頃、家庭でちょっとしたトラブルがあって、辛い思いをしてたらしい。
それが一段落して、実はさ... と事の顛末を話してくれた時のことだった。
ボクは、彼がトラブルの渦中に居ることなんて知らなかったし、
彼に、なにもしてあげることが出来なかったのだけど、
感謝された。
照れたね。で、嬉しかった。
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次に記憶にあるのは、就職して数年経った頃のエピソード。
ボクは会社の若手設計者数人と、建築雑誌に小さな建築評を書いていたんだけど、
その文章をいつも読んでくれている、優秀で、軽妙で、朗らかなU先輩がいた。
彼のチームの新入りの女の子と廊下ですれ違った時、
「なつむぎさんの文章、難しい事をすごく簡単な言葉で書いてあるって、Uさんが褒めてたよ」
と言われた。
直接言われるよりも、嬉しいって思ったな。
しかも、笑顔が可愛くて、設計部の独身男性の人気の的だった彼女に言わせるところが、実にニクイ。
ボクも後輩をこういう風に褒めてやろうって思ったけれど、
褒めるべき後輩が出来る前に、会社を辞めちゃった。
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もう一つくらい、何かあるんじゃないかなぁ...
なにか、想い出に残る、褒め言葉はなかったかなぁ...
それは、息子の成人式をちょっと高めの焼肉屋で祝った時のこと。
その店は、お肉の値段がいつもの店の3倍くらいで、しかもヨーロッパの旨いビールがたくさんある。
そりゃ、ちょいとした出費になったけどね。
ま、お祝いですし。
店からの帰り道、「大人として、しっかりやってけよ」ってな事を、彼に言ったのだと思う。
ボクも一応、父親なんでね。 えへへ
ビールで上機嫌だった彼は、
「パパみたいな人生を送れるかは、まだ分からないけどね」
それって、褒め言葉? お前は、褒めているのか?
まぁ、嬉しくなかったって言ったら、ウソになるけれど...
そう言ってもらえたことには感謝するけど...
決して、子供からバカにされる父親では居たくないけれど...
ばかぁ! 父親にお世辞言ってどうする!
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いつだって、
自分が、なりたかったような人間になってないってことに、
自分が一番良く気付いている。
だからかな。
褒められ好きなのに、褒められるとハッピーが増えるのに、
じんわりと、心に長く残ってる褒め言葉って、少ない。
