今日、紹介する「Chovendo Na Roseira(ばらに降る雨)」は、
そういう変わり種のとても美しい曲です。
作詞作曲は、ボクが愛するアントニオ・カルロス・ジョビン。
まぁ、ジョビンは、ボクだけじゃなくて世界中から愛されてるけどね。
ワルツの持つ甘さと軽やかさと、ジョビンのメロディの叙情性が、とても合っている。
泣ける曲の1つです。
邦題は「バラに降る雨」ですが、正確には「ばら園に降る雨」
その方が、たくさんのバラの花の上に、雨が降り注ぐ情景が思い浮かぶ様でしょ。
英題は何故か「Double Rainbow」
英語の詩を読んでみないと、何故だかは分からないな。
Olha está chovendo na roseira
Que só dá rosa mas não cheira
A frescura das gotas úmidas
Que é de Luisa
Que é de Paulinho
Que é de João
Que é de ninguém
ほら、ばらの園に雨が降っている
ただばらの花が咲いているだけ
しずくのみずみずさは香らない
ルイーザのでも
パウリーニョのでも
ジョアンのでも
誰のものでもない
こういった詩で始まり、最後のフレーズではこう歌われてます。
Olha o jasmineiro está florido
E o riachinho de água esperta
Se lança em vasto rio de águas calmas
Ah, você é de ninguém
Ah, você é de ninguém
ほら、ジャスミンの園は満開だよ
爽やかな水の流れが
静かで広大な河へと流れ込む
あぁ、あなたは誰のものでも
誰のものでもない
*****
とても美しい詩なんだって思う。
残念ながらボクのポルトガル語の力だと、その1割も味わうことはできないんだけど。
(だって、スペイン語からの類推なんだもの...)
でも、その1割でも美しい。
そして、あらためて曲を聴き返して驚いた発見が1つ。
それは、この詩の中でも「バラ」と「ジャスミン」が対になって歌われているということ。
以前、オペラ「ラクメ」の中の「花の二重奏」を紹介して、
そこで歌われている歌詞から、ピグの2匹のペットの名前をつけたんだって書いたけど、 ●ここ
「バラ」と「ジャスミン」の組み合わせには、
西洋の文化の中で、もっと面白い意味があるのかもしれないって、
そう思った。
お勧めの You Tube は、2つね。
●Elis Regina e Tom Jobim
ボサノバの名盤の1つに数えてもいい。
ボサノバが好きでもしこのアルバムを持っていない人がいたら、
絶対に買うように勧めちゃうな。
●Sandy Leah
彼女の歌は、映像付きでみたいな。それは...
あと、You Tube では見つけられなかったけど、
カロル・サボヤ(Carol Saboya)の歌も、透明感があってとても好き。
ダンサ・ダ・ヴォース/カロル・サボヤ

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それから、お勧めの名盤を持っていない人のために。
バラに降る雨/アントニオ・カルロス・ジョビン

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