若い頃、
「シャンソンとタンゴが分かるようになったら、立派なおじさん。」
って思ってました。
そりゃ、偏見入ってましたけどね。
最近、だんだんと分かるようになりつつある「なつむぎ」です。
シャンソンファン、タンゴファンで、
自分はまだ若いってセルフイメージをお持ちのおじさん、(&おばさん)
ごめんなさい。
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どうしてシャンソンとタンゴにそういうイメージを持っていたかって言うと、
たぶん、それを好んで歌う日本人歌手の傾向とか、歌詞の内容とか、だな。
溌剌としたもの歌っているんじゃなくて、
過去の溌剌としていた時代を、自分の元を去っていった恋人のことを、
懐かしんでいるようなものが多いんだもの。
そりゃ、若者には難しくてわからんよ。
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さて、今日ご紹介するのは、初めてのタンゴです。
タイトルは、In Einer Kleinen Konditorei 。
ボクにはドイツ語っぽく見えるけど、ドイツ語ですか?
邦題は、「小さな喫茶店」です。
昭和10年に、中野忠晴が日本語で歌って、ヒットしてます。
でも、なんでドイツ語? アルゼンチンはスペイン語でしょ?
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タンゴには、アルゼンチン・タンゴとコンチネンタル・タンゴがあって、
コンチネンタル・タンゴは、アルゼンチンからヨーロッパに渡って、
すこしマイルドに変化したタンゴです。
ほら、すごく情熱的でセクシーに踊るタンゴと、
すました感じの、紳士・淑女が踊るタンゴ、
の2種類のダンスを、イメージできませんか?
前者が、アルゼンチン・タンゴ。
後者が、コンチネンタル・タンゴですね。
ざっくり言えばね。
で、この「小さな喫茶店」は、コンチネンタル・タンゴ。ドイツ生まれです。
で、ドイツとタンゴには、切っても切れない関係があります。
タンゴで一番重要な楽器に「バンドネオン」がありますよね。
ほら、アコーディオンみたいなんだけど、ピアノ風の鍵盤が付いてるんじゃなくて、
なんだかボタンがたくさん付いてるやつ。
いかにも演奏するのが難しそうなそのバンド・ネオンは、ドイツの楽器なんです。
今では、ドイツでバンドネオンを作る職人はいない。
そして、バンドネオン奏者は、ドイツ製のバンドネオンを珍重する。
ってワケでドイツ製のバンドネオンは、お高いのだそうですよ。
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と、一応の、付け焼刃の知識をひけらかしたところで、今日の You Tube です。
中野忠晴とは、違う訳詩で歌う神田千鶴子の「小さな喫茶店」
それと、
オーケストラを率いて歌うドイツ人歌手、Max Raabe の In Einer Kleinen Konditrei。
わぉ!この、Max Raabe の漂わす、胡散臭さはなんだろ。
いい男風だけど、偽もの臭さもあるし、
紳士的だけど、エロっぽさのある立ち振る舞い。
Manbo No.5 の時に紹介した、Lou Bega にも共通するムードがある。
共通点は「ドイツ」。
ドイツ人らしさって、こういうことなんですか?
女性から見ると、セクシーですか?
2009.6.6 11:00 加筆
ボクの好きなあがた森魚が、「小さな喫茶店」を歌ってる。しかも2バージョンも。
試聴でできますよ。聞き比べてくださいね。
元の訳詩で歌ってるのがこちら↓ 題名は、「モンテカルロ喫茶店」
http://www.7andy.jp/cd/detail/?accd=C0954164
こちら↓ は、新しい歌詞で歌ってます。実にあがた森魚風で、好き。
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