ゴールデンウィークに仕事をしてた、なつむぎです。
父親がよく、「能無しの節句働き」って言っていたのを思い出したな。
意味は、
できない奴は、普段はろくに仕事がはかどらないから、
普通の人の休日にも働かなくちゃならない。
とか、
できない奴ほど、普段はろくに仕事ができないくせに、
普通の人の休日に働いて忙しそうなふりをする。
だったような。
はい、できない奴です。どうも、すみません。
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さてさて、以前の記事 で、
リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の組み合わせを、
服部良一とサトウハチローの組み合わせになぞらえましたが、
そのときにイメージしてたのが、この曲です。
「胸の振子」
霧島昇が歌い、昭和22年にヒットした歌です。
じ~んときます。じわっときます。
You Tube はこちら。
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服部良一のメロディーには、独特の「バタ臭さ(注1)」があります。
ジャズの素養をベースにしてるからだろうね。
昭和時代の和製ポップスの作曲者として、
三本の指が入ります。 ←ナイツの塙風に
国民栄誉賞受賞者です。
そのメロディーにのってる歌詞が、またいい。
♪ 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が鳴る鳴る 朝から今日も
なんだか、「モボ(注2)」達、「モガ(注2)」達の、デートの朝の気分がよく出てる感じ。
ドキドキを「胸の振子が鳴る鳴る」って表現するの、ちょうど良い「気恥ずかし」感あり。
それに、「柳につばめ」で、「ベターハーフ(注3)」を表現してるところなんて、
服部良一のモダンさに、ちょうど良く和風を調和させてる。
あ、
これは、もちろん花札にも描かれている絵柄から来ているのね。
日本古来の季節感を表現する風物を示してるの。
2月 梅に鶯(うぐいす)
6月 牡丹(ぼたん)に蝶
10月 紅葉(もみじ)に鹿
なんかが、有名ですね。
柳に燕(つばめ)は、11月のモチーフなんで、これだけでデートの季節もわかるでしょ。
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You Tube では、藤島昇、八代亜紀、石川さゆり、の3人の歌を紹介しました。
ボクは、八代亜紀に一番心を動かされたかも。
彼女に、ジャズやボサノバのスタンダードを歌ってもらいたい。
あ、昔、EPOがこの歌をカバーしていたのをテレビで見たことがある。
彼女の溌剌とした、健康的な歌声が、またとても素敵だったんだけど、
見つからないんだよね。
誰か、知りませんか?
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なんとなく、死語っぽい言葉には、注釈をつけました。
注1: 「バタ臭い」=「バターにおい」=「西洋のかおり」=「和風じゃないモダンさ」
注2: 「モボ」「モガ」=「モダン・ボーイ」「モダン・ガール」 の略語。
大正末期から昭和初期の、西洋の影響を受けたファッションの男の子、女の子のこと。
注3: 「よき伴侶」のこと。 コーヒーに入れるミルクのことじゃないよ。