
そうだった、そうだった。
最初の女は、ほんとブサイクな女だったな。
今でも目を閉じると、その姿が目に浮かぶよ。
目を閉じてキスをせがんできた、キミの唇は生肉を喰らったように赤くて、
閉じたまぶたは、パンチをくらったのかのように青かった。
あまえようとしてるんだか、恐怖におののかせようとしているんだか。
ボクは、その場でしばらく、固まっていた。
それを、ボクがキスをためらっていると思ったキミは、
自分から唇を押しつけてきたものね。
男心を察するのも、化粧も、両方下手だったキミ。
*****
2番目の女は、くさい女だった。
なんでこんな臭いなのかって、いつも不思議に思っていたよ。
デパートの1階の化粧品コーナーのにおいを嗅ぎながら、
トイレの芳香剤を一気飲みしたような気分だったなぁ。
なつかしいよ。
ボクはアレルギー持ちだから、キミといるといつもくしゃみがでた。
それを、「風邪なの?」と思いやってくれたキミ。
ときどき、いつものにおいに混じって、ドブのにおいかクサヤのにおいが混じることがあって、
そんな時は、顔を赤らめながら、
「ごめん。ぷぅ しちゃった。」と、照れるキミ。
その頃のボクは、そういうキミにどん引きだったけど、
今なら、許容できる。
飾り気がないってのは、美徳だよ。
キミが飾りすぎていたのは、香水だけだったものね。
*****
3番目の女は、それはうるさい女だったなぁ。
その上、声が高い。
高いというか、金属音だったな。
よくしなうのこぎりの刃で、黒板を削ったらキミのことを思い出せると思う。
その高い声で、よくお話を聞かせてくれたよね。
場所を考えずに話し続けるものだから、
ボクはレストランでも、カフェでも、バーでも、
隣の客に、めくばせで謝っていた。
きみの話は、とても楽しかったよ。これは本当だ。
デートの後、耳鳴りがひどくて寝付けないことが多かったから、
いつも耳栓をしていたんだ。
だから、とぎれとぎれに聞こえる君の言葉を、ボクは頭のなかで文章に組み立てて、
おもしろい話にしていた。
「ごめん。私ばっかり話してたね。なつむぎも、なにか話してよ。」
ってよく言われた。優しさなんだよ。キミの本質は。
「そういえばね...」とボクが話し始めるより早く、次の話題になっていた。
本当に退屈することのない女だったよ。
*****
でも、ボクが本当にキミたちを覚えているのは...
はい、これから先には3つのバージョンがあります。
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