
未練を残しているってことではないんだけど、やぱり忘れられない思い出はあるな。
特に初めて好きになった人なんて、思い出深いよ。忘れられない。
でも、いつがが初恋だったのか、誰が初恋の相手だったのか、って問われるとちょっと困っちゃう。
「好き」だったけど、本当に「恋」だったのかなぁ、って思うことない?
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最近、「初恋の人からの手紙」がブロガーの多くに届いているみたいなんだけど、
とうとうボクにも届きました。
って言ったって、本当はこのサイトで作ったんだけどね。 http://letter.hanihoh.com/
届いた手紙は、ここ http://letter.hanihoh.com/r/?k=090313131549b9f2c334eff
初恋の人から、もし本当にこんな手紙が届いたら、どうするのかな。
そうだ、やっぱり返事を書かなくちゃ。
ってことで。
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くみこちゃん。
久しぶりにもらうくみこちゃんからの手紙、なんだかすごくドキドキした。
女の子なのに相変わらず乱暴な文字なのも、懐かしく思ったよ。
手紙を読んでて思ったんだけど、くみこちゃんの記憶はちょっと混乱している。
もうあれから35年も経つんだものね。記憶があいまいになっちゃうのは仕方がないさ。
でも、痴呆が始まるにはまだ早いと思うよ。
修学旅行で模造刀を買ってたのは、ボクじゃなくて大山下だよ。
ほら、二人いた山下のうちのデカイ方。
ヤツは身体はでかいのに臆病なものだから、ああいうものを買いたがったんだよ。
ボクと大山下とが、くみこちゃんの中でごっちゃにしてるのも仕方がないね。
だって、くみこちゃんが浮気をしてたのは大山下とだったもんな。
それを知ったときは、ボクはボクなりにショックだった。
浮気されたことがショックだってことより、なんで大山下なの?って思ったんだ。
「おまえの純粋さは分かっている」なんて、本当にボクが言った言葉だとしたら笑っちゃうよね。
純粋なのはむしろボクの方だったよね。
もちろん、くみこちゃんとの楽しい思い出もある。
初めて手をつないだときのこと、ボクもはっきりと覚えているよ。
手が汗でびっちょりだったのも、女の子の手はそういうものなのかなって、最初思ってたんだ。
でも気が付くと、ボクは額からもどっと汗をかいていて、
その後でトイレに行ったらTシャツもパンツも汗でびしょぬれだった。
ボクらの卒業後もくみこちゃんは、いろんな男と付き合ったみたいだね。
でも最後には一回り半年上の、資産家の歯科医と結婚して何不自由ない生活をしてるって、
うわさ話で聞いているよ。
そりゃ、初恋の女性が不幸になるより、幸せになるほうが男としてはうれしいものだよ。
でも、「な・ん・だ・か、な結婚だなぁ」って感想を持ったのも確かなんだ。
学生時代にフェラーリで通学する男に、そうそうは共感できないものさ。
お互いに若かったけど、それでも恋愛から学ぶことがあったのだとしたら、良いことだったと思う。
もちろんボクもくみこちゃんのことが好きだった。たぶんね。
でも、あの感情を好きって言葉で表すのが本当に適当か、今となっては自信がないなぁ。
そうそう、ボクが買ってあげた下着、はいていてくれたんだ。ありがとう。
きっとマニアが高く買ってくれると思うから、捨てない方がいいと思う。
それから、ノストラダムスの研究をしていたのは、ボクじゃなくて白木だよ。
ほら、ちびで勉強も運動もだめで、でもオカルトだけにはすごく詳しかったヤツ。
覚えてるよね。大山下と別れた後、彼と付き合ってたじゃない。
いろいろと記憶があやふやなところもあるけど、
お互い、これ以上ぼけないようにがんばろうね。
P.S.
くみこちゃん、ボクの女房と名前が一緒だけど、偶然かな?
最近女房が、ニヤニヤしながら手紙を書いていたんでね。
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あはは。もちろんウソです。でも本当のところもちょっとあります。
なんとなく、気になったとこだけ太字にしてみました。
そうそう「くみこ」というのは、我が家ではパパが好きな女性をあらわす時の架空の名前なんですよ。
これ、ほんと。
大山下と、白木には、モデルが居ます。
今日は、仕事にいまひとつパワーがかからなかったので、遊んじゃいました。
失礼しました。
