健康について調べていると、

 

「これを食べるといい」
「この栄養素が不足しているかも」
「このサプリがいい」

 

と、本当にたくさんの情報が出てきます。

 

SNSを見ても、YouTubeを見ても、誰かが良くなった方法がたくさん紹介されています。

今ではAIに聞けば、かなり詳しいことまで教えてもらえますよね。

 

でも、そこで一度考えてみたいことがあります。

 

「その方法は、今の自分にも必要なのかな?」

 

ということです。

 

例えば、

 

「最近、疲れやすい」

 

という悩みがあったとします。

 

分子栄養学について調べていると、

「鉄が不足しているのでは?」

という情報に出会うことがあるかもしれません。

 

もちろん、鉄の状態が関係していることもあります。

でも、疲れやすさの背景はそれだけではありません。

 

最近、睡眠時間が短くなっているかもしれない。

仕事が忙しくて、食事量が減っているかもしれない。

胃腸の調子が悪くて、十分に食べられていないかもしれない。

運動量が増えていることもあれば、ストレスや服薬、何らかの病気が関係していることもあります。

 

だから、

「疲れる=鉄を摂ればいい」

と、すぐに答えを一つに決めてしまうのではなく、

 

「今の自分は、どんな状態なんだろう?」

 

と少し広く見てみることが大切です。

 

 

このことは旅行に少し似ていて、

 

「ここへ行きたい!」

 

という目的地が決まっていても、自分の現在地が分からなければ、どちらへ進めばいいのか分かりませんよね。

 

健康も同じで、

 

「もっと元気になりたい」
「疲れにくくなりたい」
「身体を引き締めたい」

 

という目的があっても、今の自分がどこにいるのか分からなければ、自分に合った方法を選ぶのは難しくなります。

 

だから、分子栄養学を自分に合わせていくときには、

 

まず「現在地を知る」こと。

 

これがとても大切になります。

 

 

では、「自分を知る」とは何を見るのでしょうか。

 

血液検査は、その一つです。

分子栄養学では血液検査から身体の状態を考えることがありますし、自分では気づいていなかった変化が数字として見えることもあります。

 

ただ、

血液検査の結果=その人そのもの

ではありません。

 

血液検査だけでなく、

 

食事はどうか。
睡眠はどうか。
運動や普段の活動量はどうか。
胃腸の調子はどうか。
筋肉や体脂肪はどう変化しているか。
病歴や服薬はあるか。
家族にはどんな病気が多いか。
どんなことにストレスを感じやすいか。

 

さらに、

 

家族と暮らしているのか。
一人暮らしなのか。
仕事は昼なのか、夜勤があるのか。
食事を作る時間はどのくらいあるのか。

そんな生活まで含めて見ていきます。

 

オーソナライズでは、

 

「検査値だけを見るのではなく、検査値も含めて『その人』を見る」

 

という考え方を大切にしています。

 

 

そして、もう一つ大切なのが、

 

今の数字だけを見ないこと

 

です。

 

例えば、体重が60kgだったとしても、以前65kgだった人が60kgになったのか、55kgだった人が60kgになったのかでは意味が違います。

 

さらに、体脂肪が減って60kgになったのか、筋肉まで減って60kgになったのかでも違いますよね。

 

血液検査も同じです。

今回の数字だけではなく、

 

「半年前はどうだった?」
「1年前と比べると?」
「最近どちらへ変化している?」

 

と見ていくことで分かることがあります。

 

「今どこにいるか」だけではなく、「どこから来て、どちらへ向かっているか」を見る。

 

これも、自分を知ることの一つです。

 

 

ただ、この時注意したいのが、数値を整える事が目的となって、本来の目的を見失ってしまう場合がある事です。
 

数字を見ていると、いつの間にか数字そのものが目的になってしまうこともあります。

 

例えば、貯蔵鉄の指標であるフェリチン値が低かった場合。

 

鉄サプリをガンガン飲んでフェリチン値が一定以上上がれば、

それが健康な状態だと思うかもしれません。

 

しかし、フェリチン値はあくまで貯蔵鉄などの状態を表しているだけです。

血液の状態はヘモグロビンやヘマトクリット、

アルブミンなどその他の状態も関係しています。

 

フェリチン値のみを気にして理想的な範囲にしただけでは、

体全体のほんの一部しか見ていません。

 

本当の目的は、フェリチン値を理想的な範囲にするのではなく、健康的な身体の状態を作る、維持することにあったはずです。

 

 

他にも、

「夏に海で水着を着たいから痩せたい」

と思ったとします。

 

すると、

「体脂肪率を20%にしよう」

という目標を作るかもしれません。

 

でも、本当に欲しいものは「20%」という数字でしょうか。

 

もしかしたら、

水着を着たときに、自分で「いい感じ」と思える身体になりたい。

 

海へ行って楽しみたい。

写真を撮ることを楽しみたい。

そんな未来なのかもしれません。

 

そう考えると、単に体脂肪を減らすだけではなく、筋肉を保つことや、身体を動かせる体力をつけることも大切になってきます。

 

つまり、

体脂肪率は「指標」。
自分が望む身体や生活が「目的」。

なんですよね。

 

ですので、検査をすることも、体重を測ることも、

サプリメントを飲むことも、完璧な食事をすることも、

それ自体が人生の目的ではありません。

 

自分が望む生活へ近づくために、それらを使っていく。

 

そのために、

今の自分を知る。
変化を観察する。
必要なら方法を変える。

 

そんなふうに、自分についての情報も更新しながら進んでいくことが大切だと思っています。

 

数字に自分を合わせるのではなく、数字を使って自分を理解する。

 

そして、自分で考えて選べるようになる。

 

それが「オーソナライズ」で大切にしている「自分を知る」という考え方です。

 

今回、この「自分を知る」について、もう少し詳しく記事にまとめました。

血液検査だけでなく、体組成、食事、睡眠、病歴・家族歴、生活環境、さまざまな検査をどのように組み合わせて考えるのかについて解説しています。

 

▼分子栄養療法ナビ
分子栄養学で「自分を知る」とは?血液検査と一緒に見たい身体と生活の情報
https://nutrinavi.co.jp/haru/know-yourself-molecular-nutrition/

考え方の部分については、noteでもまとめています。

 

▼note
「自分を知る」は、検査の数字を知ることではない。分子栄養学を自分に合わせるための現在地の見つけ方
https://note.com/nutrinavi/n/n20d349a089eb