ナンナン
 

あのさ・・・鉄分摂りたいんだけど、サプリは高いから病院で処方されてる鉄剤で摂ろうと思うんだけど・・・💧

 

はる かおる
 

あ。。。それやばいやつ。分子栄養学の実践で大量の「非ヘム鉄」の摂取は非推奨だよ。

 

ナンナン
 

や・・・やっぱり❓❓

でもさ、安くてたくさん鉄分が入ってるから、いいと思うんだけど・・・💧

 

はる かおる
 

いやいや、非ヘム鉄は大量に摂取すると活性酸素の発生源となって胃や腸にダメージを与える原因になるよ。この仕組み、詳しく教えてあげるね

 

病院では、「貧血」と診断されると鉄剤が処方されます。この鉄剤を摂取すると、「胃痛」や「下痢」「便秘」「悪心」「嘔吐」など様々な副作用が現れる事があります。

 

この理由は、一般的に「活性酸素が発生するため」と言われていますが、それは何故なのでしょうか?

 

今回は、「非ヘム鉄」の基本と、その危険性について解説してみましょう。

 

 

まず、鉄分には大きく分けて「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。鉄分を理解する上で、この2つの違いをよく理解することが大切です。

 

 

ヘム鉄とは、肉や魚に含まれる動物性の鉄分のことです。肉や魚には主に「ヘモグロビン」や「ミオグロビン」として含まれていて、赤身の肉や魚に多く含まれています。

 

ヘム鉄の例

  • ヘモグロビン
  • ミオグロビン
  • 赤血球に含まれるヘモグロビン
  • サプリメントとして売られているヘム鉄

 

ヘモグロビンは、主に血液中で酸素を運ぶ役割をし、ミオグロビンは主に筋肉に含まれていて酸素を貯蔵する役割を担っています。赤身の肉に多く含まれているのは「ミオグロビン」の方です。

 

もう一方の非ヘム鉄は、ホウレン草や豆類などの植物に含まれている鉄です。植物では、主に「フェリチン鉄」として含まれています。

 

 

非ヘム鉄の例

  • フェリチン鉄(大豆・エンドウ豆など)
  • 無機鉄 (二価鉄(Fe2+)、三価鉄(Fe3+))
  • クエン酸鉄、硫酸鉄など病院で処方される鉄剤
  • アミノ酸キレート鉄などのサプリメント
 
この中で、今回は病院で処方される非ヘム鉄にフォーカスを当ててみます。病院で貧血と診断された際に処方される非ヘム鉄には、「クエン酸第一鉄」や「硫酸鉄」などの種類があります。
 
病院で処方される非ヘム鉄の例
 
  • フェロ・グラデュメット(乾燥硫酸鉄)
  • フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)
  • リオナ(クエン酸第二水和物)
  • インクレミンシロップ(溶性ピロリン酸第二鉄)
  • フェルムカプセル(フマル酸第一鉄)

 
貧血と診断されたことがあるお子さんや女性の方は、見覚えがあるかもしれません。
 
このうち、クエン酸などと結合していない鉄を「無機鉄」と言い、クエン酸やイースト菌などの有機物と結合しているものを「有機鉄」と言います。
 
そして、この「有機鉄」の中でも、アミノ酸やクエン酸などと鉄イオンをキレート結合させ、可溶性や吸収率を高めたものを「キレート鉄」と言います。
 
キレート鉄とは、クエン酸など有機化合物が「カニのハサミ」のように金属イオンを挟み込むように結合することで、安定した構造を形成している化合物のことです。
 
この有機物と金属イオンが結合している様子が、カニが物を挟むのに似ていることから、「キレート」という名前がつけられました。キレートの語源はギリシャ語の「Chele(カニのはさみ)」です。
 
 
これら違いを病院で処方される非ヘム鉄で言えば、フェロ・グラデュメット(乾燥硫酸鉄)が無機鉄、クエン酸○○鉄やビズグリシン酸鉄などナントカ酸と名前が付いているものは、基本的に「キレート鉄」になります。
 
無機鉄
  • フェロ・グラデュメット(乾燥硫酸鉄)
キレート鉄(有機鉄)
  • フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)
  • リオナ(クエン酸第二水和物)
  • フェルムカプセル(フマル酸第一鉄)
  • インクレミンシロップ(溶性ピロリン酸第二鉄)
 
ちなみに、鉄剤で「第一鉄」と書かれていたら「二価鉄(Fe2+)」が含まれている鉄剤です。もう一つの「第二鉄」と書かれていた場合は「三価の鉄(Fe3+)」が含まれています。無機鉄である硫酸鉄は三価の鉄ですが、病院で処方される乾燥硫酸鉄は二価の鉄です。
 
この第一鉄と第二鉄の大きな違いは、その吸収率にあります。非ヘム鉄を吸収するためには三価の鉄から二価の鉄に変換しなければ吸収することが出来ません。
 
 
第一鉄である二価鉄は、最初から二価鉄を配合することで三価から二価の鉄への変換をスキップし、吸収率を高めています。
 

非ヘム鉄の吸収を阻害するもの、吸収を促進するもの

動物性の「ヘム鉄」はタンパク質のカプセルに入っているため、吸収阻害や吸収促進の影響は基本的に受けませんが、「非ヘム鉄」では鉄分子がむき出しとなっているため、フィチン酸やタンニンなどと結合(キレート)して吸収が阻害されてしまいます。
 
これは、フィチン酸やタンニンなどと鉄が結合すると「不溶性」となって沈殿してしまうため、吸収出来ずに排泄されてしまうためです。

 

基本的に、食品中の非ヘム鉄は主に三価の鉄であるFe3+の状態で存在しています。この三価の鉄は基本的に不溶性で水に溶けにくく、胃酸など酸性の環境で可溶性(水溶性)となります

 

つまり、鉄は水に溶けている状態でないと吸収することが出来ないんですね。

 

この鉄と結合して不溶性の鉄に変えてしまうもの(吸収を阻害してしまうもの)には、次のようなものがあげられます。

 

鉄(Fe3+)と不溶性鉄塩(キレート)を形成し、沈殿させてしまう物質

  • フィチン酸 (玄米や豆類、全粒粉など穀物の外皮に含まれる)
  • リン酸塩 (加工食品の添加物として使われる)
  • シュウ酸塩 (ホウレン草、タケノコなどに含まれる)
  • 炭酸塩 (中華麺やこんにゃくなどの製造に使われる)
  • タンニン (ポリフェノール類。お茶やコーヒーに多く含まれる)
これらは三価の鉄に対して非常に強いキレート能力を持ち、消化管内で溶けている三価の鉄(Fe3+)と強固に結合して不溶性の沈殿物を形成してしまいます。
 

この不溶性の鉄複合体は、吸収できずに消化管をそのまま通過し、便として体外に排出されます。

 
また、上記以外に非ヘム鉄の吸収を阻害する要因として、「胃酸分泌抑制剤」などの胃薬の使用や、「カルシウム」「食物繊維」などがあります。
 
鉄を可溶化させるためには胃酸が必要で、「プロトンポンプ阻害薬」などの胃酸分泌抑制剤を使用していると鉄の可溶化を抑制して鉄の吸収を妨げてしまいます。*1
 
同じく「カルシウム」も胃酸を中和する制酸作用があり、制酸剤などとして大量に摂取すると非ヘム鉄の可溶化を妨げてしまう恐れがあります。他にも、カルシウムと鉄は同じ吸収経路である「DMT-1」から吸収されているため、吸収を阻害してしまうと言われています。
 
が・・・、カルシウムについては、よほど大量に摂取しない限り、あまり影響はないので気にしなくても大丈夫です。食事やサプリメントからの摂取量程度ではそこまで影響はありません。
 
同じく食物繊維も鉄を吸着してそのまま体外へ排泄を促してしまうことから吸収阻害要因として挙げられていますが、こちらもあまり気にしなくていいでしょう。
 
この理由は、食物繊維が腸内に存在する「大腸菌」「酪酸菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」などの餌となり、これら菌や菌が産生する乳酸や酢酸などの有機酸(短鎖脂肪酸)が鉄やマグネシウム、カルシウムや亜鉛などミネラルの吸収を助けてくれる働きがあるためです。
 
 
これら腸内細菌が出す乳酸や酢酸などの「短鎖脂肪酸」は、腸内のpHを酸性に傾けて鉄の可溶化を助けてくれます。また、これら有用菌は、菌自らが三価の鉄(Fe3+)から二価の鉄(Fe2+)への還元を行って、吸収を助けてくれる働きがあります。*2
 
通常、胃腸内の酸性環境下で可溶性となっていた鉄は、小腸に流れるにつれ胆汁やすい液などアルカリ性の消化液の影響によって中和され、中性に近づく頃には不溶性となって鉄が吸収されなくなっていきます。
 
胃や十二指腸に住む乳酸菌は、糖類を代謝して乳酸を産生することで腸内を酸性に傾け、鉄の可溶性を助けてくれます。*3
 

また、三価の鉄は胃酸によって水に溶けたとしても、三価の鉄(Fe3)の状態では吸収することが出来ません。三価の鉄は、一度二価鉄(Fe2+)に変換する必要があります。この理由は、非ヘム鉄を吸収する経路が、DMT-1という二価の金属イオンしか吸収出来ないためです。

 

 
「大腸菌」「酪酸菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」などの有用菌は、三価の鉄(Fe3+)から二価の鉄(Fe2+)への還元行って、吸収を助けてくれる働きがあります。*2
 
 
このほか、この鉄(Fe3+)の吸収を高めてくれるものとしては、他にも「ビタミンC」や「アミノ酸」などがあります。
 

非ヘム鉄(Fe3+)の吸収を助けてくれるもの

 

  • 胃酸
  • ビタミンC
  • アミノ酸
  • クエン酸
  • リンゴ酸
  • 乳酸・酢酸・酪酸やプロピオン酸などの短鎖脂肪酸
  • 乳酸菌・ビフィズス菌などの腸内細菌
 
ビタミンCは三価の鉄を可溶化させる働きと、三価の鉄から二価の鉄に還元する働きの両方を持っている栄養素です。ビタミンCは、胃酸と鉄還元酵素(Dcytb)にも含まれていて、鉄の吸収を助けています。また、クエン酸やリンゴ酸なども鉄還元酵素(Dcytb)と結合して三価鉄から二価鉄への還元を促進する働きがあります。*4
 

 

なぜ、非ヘム鉄の大量摂取が危険と言われているのか?

では、なぜこの非ヘム鉄を大量に摂取することが、危険と言われているのでしょうか?
 
この理由は、非ヘム鉄を摂取しても、その殆どが吸収されずに腸内を通過し、この時に活性酸素を発生させて胃や腸などの粘膜を傷つけてしまうためです。
 
先ほども解説した様に、非ヘム鉄はとても吸収率が低い鉄分です。非ヘム鉄の吸収率を上げるためにキレート加工が行われたものもありますが、これらとビタミンCを一緒にとってもやはりその殆どは吸収されません。
 
吸収されなかった鉄は、小腸や大腸に流れて遊離鉄が蓄積し、「フェントン反応」による活性酸素(ヒドロキシラジカル)の発生を促します。この活性酸素発生による酸化ストレスと腸粘膜へのダメージによって、腸粘膜バリアの低下や腸内細菌叢の乱れなど、様々な不調や状態悪化を発生する原因になってしまうのです。
 
このあたりの詳しい事は、MDPIの記事に詳しく解説されていますので、引用します。
 
過剰な鉄分補給または非ヘム鉄の吸収不良は、腸内に吸収されていない遊離鉄が蓄積し、酸化ストレスと重大な腸損傷を引き起こす可能性がある[43]。活性酸素種(ROS)の生成は、フリー鉄がフェントン化学を介して過酸化水素と反応してヒドロキシルラジカルを生成するため、腸上皮細胞に損傷を与え、腸管バリアを破壊し、腸内細菌叢の組成を変化させる[12,44]。

 

吸収されていない鉄は、有益な微生物を減らし、病原性微生物を促進することによって、腸内微生物叢を破壊する可能性があります[12]。マイクロバイオームの変化を超えて、高レベルの未吸収鉄は腸粘膜を直接損傷し、胃十二指腸炎、腸バリア機能障害、炎症性腸疾患などの状態に寄与する可能性がある[43]。

 

遊離鉄の酸化還元活性も全身リスクをもたらします。腸に由来する酸化ストレスは全身的に伝播し、心血管疾患、神経変性疾患、さらには結腸癌に寄与する可能性があります。疫学研究では、過剰な鉄摂取と結腸直腸癌のリスクの増加が関連しており、これは脂質過酸化生成物と遊離鉄によって触媒されるN-ニトロソ化合物の形成によって媒介されます[38]。高用量の経口鉄分は、便や歯の黒ずみにも関連しており、毒性の物理的症状をさらに強調しています。

 

遊離鉄は亜鉛の吸収を妨げ、腸の機能を損なう可能性がある[29]。これらの影響は、消化管内外で有毒な状態が発生しないように、鉄分補給を慎重に調整する必要性を強調しています。

 

毒物学の観点からは、硫酸第一鉄やグルコン酸第一鉄などの伝統的な非ヘム鉄塩は、腸内で急速に解離し、高濃度の遊離鉄を放出するため、問題になる可能性があります。研究によると、これらのサプリメントからの非ヘム鉄の最大90%が吸収されず、酸化ストレスと腸上皮細胞の炎症を引き起こすことがわかっています[33]。

 

さらに、高用量の鉄サプリメントの過剰使用は、便秘、吐き気、腹痛などの胃腸副作用の重症度により、患者のコンプライアンスを混乱させ、鉄欠乏性貧血に対処する効果をさらに制限すると考えられています[12]。

 

結論として、鉄欠乏性貧血に対処するには鉄分補給が重要ですが、鉄分を過剰に摂取したり、吸収不良になったりすると、腸内およびそれ以降に重大な毒性が生じる可能性があります。ヘム鉄の使用など、より的を絞った補充アプローチは、鉄療法の有効性と安全性を向上させながら、これらのリスクを軽減することができます。ヘム鉄の高用量への依存度の低下とその吸収効率は、鉄の過負荷に関連する合併症に対処するための有望な代替手段となっています。

 

鉄塩とキレートは、消化管に高濃度の遊離鉄を曝露する傾向があるため、栄養上の課題に対処する上で重大な制限があり、しばしば吸収されないままです。これは、これらの鉄形態の吸収、有効性、安全性に関する継続的な懸念をもたらします[45]。例えば、最も一般的に使用される鉄サプリメントの1つである硫酸第一鉄は、20%の元素鉄を提供しますが、腸内で遊離した結合されていない鉄に急速に解離し、毒性を悪化させる可能性があります[30,45]。鉄塩とキレートの吸収、分布、代謝、排泄(ADME)特性はかなり異なります。

 

一部の鉄塩とキレートは、硫酸鉄や鉄塩に比べて放出が遅く、理論的には急速な解離に関連する副作用を減らすと主張しています。しかし、これらの主張に関するデータは混在しています。「徐放」または穏やかな鉄の形態は依然として同様の吸収率を示し、有害事象率が20〜30%の間につながります[33]。小腸でより速く、より広範囲に加水分解する鉄アミノ酸キレートは、ヘム鉄と比較してより大きな解離を示す[8]。

 

過剰な経口鉄分は、腸上皮細胞におけるヘプシジン反応、炎症、および活性酸素種(ROS)の産生を引き起こす可能性があります(図4)。これらは、フェロプトーシス、アポトーシス、壊死を引き起こす可能性がある[6]。高鉄濃度の主な障壁として、上皮細胞は過剰な遊離鉄にさらされると損傷を受け、炎症と酸化ストレスを引き起こす[28]。ミトコンドリアの損傷と内質網の機能不全も、過剰な細胞鉄の特徴である[44]。同時に、遊離鉄は腸内病原体の増殖を引き起こし、胃腸症状を引き起こし、腸の炎症のレベルを高める可能性があります。特に高濃度の条件下では、腸内の鉄の解離が容易であるため、重度の腸内炎症の可能性が大幅に増加します[28]。

 

吸収されていない鉄はサルモネラ菌や大腸菌などの病原体の増殖を促進し、乳酸菌やビフィズス菌などの有益な細菌を制限します。有益な微生物は、バリアの完全性を維持し、鉄の吸収を促進する短鎖脂肪酸(SCFA)などの代謝産物を生成することで、腸の健康に貢献します。しかし、過剰な遊離鉄は微生物のバランスを乱し、腸内のジスビドーシス、酸化ストレス、炎症を引き起こします。この図は、鉄補給戦略が腸内微生物の健康を維持し、腸上皮への悪影響を防ぐために鉄の可用性を慎重に調整する必要があることを強調しています

 

(非ヘム鉄は)吸収が限られているため、補助鉄分の最大90%が小腸に残り、胃十二指腸炎、吐き気、嘔吐、腹痛、消化不良、便秘、膨満感、下痢、黒便などの副作用を引き起こします。

 

最近の研究では、経口鉄補給による消化管副作用の頻度と重症度が強調されています。10,000人以上の患者のメタアナリシスは、フマル酸鉄(43%)、グルコン酸鉄(31%)、硫酸鉄(30%)など、さまざまな鉄製剤で高いGI副作用を報告しました[54]。10,695人の患者の別のメタアナリシスでは、硫酸第一鉄グリシンで23%、グルコン酸第一鉄で31%、硫酸第一鉄で32%、フマル酸第一鉄で47%の副作用率が分かった[12]。硫酸第一鉄やフマル酸第一鉄などの従来の鉄形態は、有害事象の30〜45%の頻度と関連していたが、キレート化鉄またはグリコール化鉄形態は、わずかに低いが、20〜30%の有意な発生率を示した[12]。予想通り、これらの影響の重症度は用量に依存する傾向があります。用量が高いほど、有病率と有害事象の重症度が高まる

 

 

このように、非ヘム鉄の大量摂取は、むしろ活性酸素の発生源となり得るため、非常に危険です。病院の鉄剤やアミノ酸キレート鉄などの使用で下痢や便秘など消化器症状が起こるのはこのためです。

 

特に、活性酸素を発生させる「フェントン反応」は、二価の鉄がトリガーとなる事から、二価の鉄を含む鉄剤やアミノ酸キレート鉄等の非ヘム鉄とビタミンCを同時に大量摂取するとよりフェントン反応が促進されるリスクが高まります。(三価の鉄も同様です)

 

このフェントン反応とは、酸性条件下で二価の鉄イオン(Fe²⁺)と過酸化水素(H₂O₂)を反応させ、非常に反応性の高いヒドロキシルラジカル(・OH)を生成する反応のことです。

 

具体的には、過酸化水素であるH₂O₂が、二価の鉄イオンと反応して三価の鉄とヒドロキシラジカル(・OH)と水酸化イオン(OH-)を生じさせます。

 

 

H₂O₂ + Fe2+ →・OH + OH- + Fe3+

 

 

先ほど、ビタミンCは鉄を可溶化させ、三価の鉄から二価の鉄に還元する働きがあることを解説しましたよね。

 

このビタミンCは、大量に摂取すると吸収出来なかったビタミンCが小腸や大腸へと流れ、腸内を酸性に傾けます。そこに大量の吸収されなかった「非ヘム鉄」があると、ビタミンCと非ヘム鉄が反応して二価の鉄の状態に維持され続ける環境が揃います。

 

そして、この二価の鉄と反応する「過酸化水素」は、腸内細菌の代謝活動や炎症などにより常に存在しています。この過酸化水素と二価の鉄が反応してフェントン反応がおこり、活性酸素が発生して消化管副作用が発生してしまうというわけです。

 

つまり、吸収が良くなるからといって、

 

大量の非ヘム鉄と大量のビタミンCを同時の摂るのは危険

 

ということになります。

 

これは、病院の鉄剤に限らずサプリメントの「アミノ酸キレート鉄」でも同様です。

 

キレートされた鉄剤やサプリメントは胃の消化管副作用は考慮されていますが、その後の小腸や大腸への消化管副作用は考慮されていません。

 

貧血を改善したいからと大量の非ヘム鉄とビタミンCを摂る事は、生体内の分子を乱すリスクが高まります。むしろ逆効果となる可能性が高くなりますので、気をつけてください。

 

分子栄養学を実践する際は、このあたりの仕組みをよく理解して実践することが大切です。見よう見まねや当てずっぽうで行わず、きちんとした知識のもと、安全な方法でアプローチしていきましょう。

 

 

ナンナン
 

えっと・・・何言ってるか分かんない❗

でもなんとなく鉄剤の大量摂取がヤバいことは分かった❗

 

はる かおる
 

まぁ、一回読んだだけじゃ難しいかもね。分子栄養学は学問だから、何回も繰り返し学んで深く理解することが大切だよ

 

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はる かおる
 

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参考

 

*1

 

*2

 

*3

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/1/104_29/_pdf

 

 

*4