少し間隔が空きましたが、プロテインの使い分け第三回目、アミノ酸編です。

アミノ酸のサプリメントには、

  • グルタミン
  • BCAA
  • EAA(必須アミノ酸)
などの種類があり、それぞれの働きや用途、摂取タイミングなどが異なります。アミノ酸をサプリメントを使用する際は、これらアミノ酸の働きと違いをよく理解して使い分けていきましょう。
 
まず、一番ベーシックなアミノ酸サプリであるEAAは、身体を構成しているアミノ酸20種類のアミノ酸のうち、体内で合成出来ない「必須アミノ酸」9種類を主に配合したものです。
 
必須アミノ酸(EAA)
  • バリン
  • トレオニン
  • イソロイシン
  • ヒスチジン
  • ロイシン
  • メチオニン
  • リシン
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
 
 
必須アミノ酸は、体内で合成することが出来ないので、食事から必ず摂取する必要があります。
 
対して非必須アミノ酸は、体内で合成することができるアミノ酸です。ただし、体内で合成出来るからといって摂取が不要というわけではありません。非必須アミノ酸を合成するためには、材料として主に「必須アミノ酸」から作られているものがあります。
 
そのため、必須アミノ酸が非必須アミノ酸に変えられてしまう「浪費」を防ぐためにも、アミノ酸は非必須アミノ酸も含めて摂取していくことが必要になります。
 
EAAは、身体を作るために必要な必須アミノ酸の摂取バランスをとるための、ベースとなるサプリメントです。(あくまでベースというのがポイント)
 
基本的には、
 
  • EAAにグルタミンを足す
  • EAAにBCAAを追加する
  • EAAにグルタミンとBCAAを追加する
 
のように、EAAをベースに持って来つつ、より需要が高まっているグルタミンやBCAA等を足して利用するのが基本ですね。
 
この時、プロテインが飲めないからといって、EAAだけを大量に摂取するのはNGです。
アミノ酸は、必須アミノ酸に限らず非必須アミノ酸も同時に摂取していく必要があります。
 
その理由は、EAAのみでタンパク質を補給すると、せっかく摂ったEAAが非必須アミノ酸の合成に使われてしまうためです。
 
体内では、非必須アミノ酸の摂取量が不十分の場合、必須アミノ酸を材料に非必須アミノ酸を合成してバランスをとろうとする機能が備わっています。つまり、非必須アミノ酸を十分に摂取せずに、必須アミノ酸であるEAAばかりを摂った場合、EAAは非必須アミノ酸に変えられていってしまうということですね。
 
例えば、非必須アミノ酸の中に「システイン」があります。システインは必須アミノ酸の「メチオニン」を材料に合成出来るため、非必須アミノ酸に分類されています。
 
ではシステインを適切に補給せずにメチオニンばかり補給するとどうなるのでしょうか?
 
メチオニンが余ってシステインが足りていない場合、身体は足りなくなったシステインを補うために、メチオニンからシステインを合成したり、グルタチオンを分解したりして供給しようとします。

この時、必須アミノ酸から非必須アミノ酸へ合成するためには、エネルギー(ATP)に加えて合成酵素が必要です。
 
具体的には、メチオニンからシステインに合成するためには「メチオニン合成酵素(ビタミンB12)」「シスタチオニンβ-合成酵素(ビタミンB6)」などが必要になります。
 
これら酵素の合成・代謝にはビタミンB6やB12、葉酸が必要なので、EAAだけを大量に摂ると、むしろ必須アミノ酸やビタミンの浪費に加え、酵素の合成・代謝に関わるエネルギー(ATP)の浪費に繋がります。
 
また、グルタチオンを分解してシステインを取り出す場合も、グルタチオンの浪費とγ-GTPの浪費に繋がります。
 
EAAだけでタンパク質を摂取しようとすると、むしろ栄養の消耗に繋がってしまうというわけです。
 
ですので、EAAだけでタンパク質を補給しようとしないで下さい。特にEAAを1回に20g摂るなどプロテイン代わりのように利用すると非常に危険です。
 
EAAは消化吸収の必要がない分、急激に血中アミノ酸濃度が上昇します。アミノ酸代謝、タンパク質代謝はキャパシティがあるため、それを超えた分は無駄になります。無駄になるどころか、肝臓や腎臓など、身体にダメージを与えてしまいます。
 
アミノ酸はバランス良く、かつ適切に摂取することが大切ですので、EAAだけに頼らず食事やサプリメント(プロテイン)などからも摂取するようにしましょう。
 
 
また、このEAAをお子さんに利用する際には、注意点があります。
 
プロテインが飲めないお子さんや、プロテインを飲むと下痢をしてしまうお子さんに対し、EAAを飲ませている場合があるかと思います。
 
この場合、EAAにはお子さんに必須のアミノ酸である「アルギニン」が含まれていないため、主要なタンパク補給源としては適していません。
 
アルギニンは成長ホルモンの合成・分泌を高めるために必要なアミノ酸です。大人は成長ホルモンの合成が低下しているので、アルギニンは「非必須アミノ酸」に分類されています。
 
 
EAAサプリメントのほとんどは、必須アミノ酸9種類を配合しているだけのものなので、非必須アミノ酸であるアルギニンは含まれていません。
 
お子さんがプロテインが飲めないからといってEAAだけでタンパク質を摂らせようとすると、アルギニンが不足してしまいます。
 
アルギニンが不足すると、身長が伸びない、筋肉や骨の成長が遅れるなどの悪影響が起こります。
 
そのため、EAAを利用する際は、アルギニンなど「準必須アミノ酸」が同時に配合されているものを選ぶ、需要を満たせるようアルギニンなどのアミノ酸を足す、プロテインも併用するなど工夫するのがオススメです。
 
 
次に、BCAAについてです。
BCAAとは、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3種類のアミノ酸のことです。この3つのアミノ酸は、分岐鎖アミノ酸と言って、必須アミノ酸に含まれます。
 
 
BCAAは筋トレしている人が摂るイメージがありますが、タンパク質不足の場合でも積極的な摂取が必要です。BCAAは筋肉を作る材料になる以外にも、体タンパクの状態を表す「アルブミン」の材料になったり、血糖調節にも関わっています。
 
アルブミンの値が低い方や低血糖など血糖の調節で問題を抱えている方などでは、より積極的な補給が必要です。
 
BCAAの具体的な推奨摂取量としては、次の通り。
 
  • 運動の前後 3,600mg ~
  • 血糖調整 5,400mg ~
  • 低アルブミン血症 5,400mg〜
  • 高齢者 3,600mg~
  • 筋肉量の維持 5,400mg~
  • 筋力低下の改善 5,400mg~
 
 
BCAAは、BCAAだけ摂っても意味がありませんので、EAA+BCAA」や、「プロテイン+BCAA」などスポットで追加して利用するようにして下さい。
 
 
続いて、グルタミンです。
グルタミンは体内で最も多いアミノ酸で、免疫細胞や腸粘膜細胞のエネルギー源や粘膜の修復などに関わっているアミノ酸です。
 
 
グルタミンは腸粘膜細胞のエネルギー源となるので、下痢症状がある、お腹の調子が悪いなどの症状がある場合はグルタミンが第一選択になります。

 

プロテインを飲むと下痢をしてしまう方は、「グルタミン」もしくは「EAA+グルタミン」が良いですね。

 

お腹の調子が悪くてタンパク栄養が不足している方、アルブミン値が低下している方は、合わせてBCAAを摂取するのがオススメです。

 

グルタミンの具体的な摂取量目安は次の通り。

 

  • 予防 3,000mg~
  • 高度ストレス時 9,000mg~
  • 下痢症状 9,000mg ~
  • 粘膜強化対策 6,000mg~

 

 

 

このグルタミンを摂取する際は、準必須アミノ酸である「グリシン」と共に摂るようにして下さい。グリシンもグルタミンと同様に消化管粘膜細胞のエネルギー源となるアミノ酸で、グルタミンの需要が高いときはグリシンの需要も高くなります。

 

 

グリシンはグルタミンと同じく非必須アミノ酸ですが、体内での合成量が低いため食事からの摂取が推奨されているアミノ酸です。

 

EAA+グルタミンなどアミノ酸でタンパク質を補給する際は、このような特定のアミノ酸の需要も考慮して行いましょう。

 

特に市販品で独自に分子栄養学を実践する場合、適切な知識が無いまま実践すると、むしろ生体内分子の乱れに繋がることがあります。

 

例えば、分子栄養学において「グルタミンを摂りましょう」と言えば「グリシンも一緒に摂る」、お子さんにEAAを摂らせる場合は「アルギニンなど準必須アミノ酸も摂らせる」など明文化されていなくても前提知識として行うべき暗黙のルールのようなものが数多く存在しています。

 

このような前提知識を知らずに、安易に分子栄養学を独自で行う事は危険です。くれぐれもご注意下さい。


 

 

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