ナンナン
 

ビタミンDが足りないって言うけどさ、サケをちょっとかじっただけで一日の摂取目安量を満たせるらしいじゃん。わざわざサプリメントで摂る必要あるの❓

 

はる かおる
 

ビタミンDの摂取目安量❓ あれは、あんまりアテにならないよ

 

ナンナン
 

アテにならないってどういうこと❓ サプリメント売るための口実❓

 

はる かおる
 

いやいや、あの摂取目安量は皮膚からビタミンDが作られる前提の目安になっているんだよ。実際には住んでいる地域や個人差でビタミンD産生量が大きく異なるから、それを考慮する必要があるんだ。

 

ナンナン
 

なぬ❗❓ そうは言ってもさ、ビタミンDの摂りすぎって危ないんでしょ❓ なら、摂取目安量を守らなくちゃ❗

 

はる かおる
 

そう言われることが多いけど、その認識は間違ってるね。じゃあ、そもそも摂取目安量がどうやって設定されているのか、なぜアテにならないのか、詳しく説明してあげるね

 

 

国が定める日本人の食事摂取基準(2025)では、ビタミンDの一日あたりの摂取目安量が18歳以上の男女ともに9.0㎍(360IU)、耐用上限量が100㎍(4000IU)と設定されています。

 

ビタミンDは魚やキノコなどに多く含まれているので、一日あたりの摂取目安量の9.0㎍(360IU)は、食事からでも比較的に簡単に摂取可能です。

 

例えば、食品データベースではまいわし一尾分(80g)にはビタミンD 32㎍(1280IU)、鮭一切れ(80g)に25.6㎍(1024IU)含まれているとされています。

 

一日の摂取目安量が9.0㎍(360IU)なので、サケ一切れ食べればおおよそ一日あたり目安量の3倍の量が摂取出来る計算です。

 

これら食品を少量摂取すれば十分に摂取目安量を満たすことが出来るので、ビタミンDは食事から摂取すれば十分と言われていることがよくあります。

 

これなら、

 

わざわざサプリメントからビタミンDを摂取する必要なんて無い

 

と思いますよね。

 

 

ですが、この計算式、理解には誤りがあります。そもそも、この日本人の食事摂取基準は、地域差や個体差、病態などは全く考慮されていません

 

また、食品に含まれる栄養成分は季節等によって異なり、調理による損失や、酸化、劣化などにおける損失量は考慮されていません。

 

つまり、鮭一切れ(80g)を食べても、25.6㎍(1024IU)のビタミンDがきっちり摂取出来るとは限らないんですね。

 

 

もう少し具体的に解説していきましょう。

 

まず、前提となっている日本人の食事摂取基準における一日あたりの摂取目安量ですが、この目安量は、適度に日光に当たり、体内でビタミンDが一定量作られることを前提として考慮されています。

 

そして、健康な人が骨折を予防するために必要とされる最低量から、体内合成量を差し引いた値を元に設定されたものです。

 

どういう事かというと、もともとビタミンDの摂取目安は、アメリカ・カナダの食事摂取基準(2011)を参考にして策定されています。

 

アメリカ・カナダの食事摂取基準(2011)では、ビタミンDの推奨量として、70 歳以下に対して 15 µg/日、71 歳以上に対して 20 µg/日とされていました。

 

ただし、この推奨量は日照による皮膚でのビタミン D 産生を考慮していません。日本ではビタミンD摂取量と骨折に関する研究データ等が十分に無かったため、これをそのまま目安量とすると、過大な策定となる懸念がありました。

 

そのため、日本人の食事摂取基準では、アメリカ・カナダの食事摂取基準(2011)を参考に、日照により皮膚で産生されると考えられるビタミン D を差し引いた量を、目安量として設定したのです。

 

上記のように、我が国においては、骨折リスクと血液中 25─ ヒドロキシビタミン D 濃度の関係に関するコホート研究は、少ないながら報告があるものの、摂取量評価が同時に行われた研究が極めて乏しい。また、海外では多くの大規模臨床試験が行われており、1日当たり 10 µg 程度では無効だが、20 µg 程度では大腿骨近位部骨折を抑制するとの報告があるものの 48,49) 、我が国においては、骨折予防をアウトカムとした介入試験は行われていない。

このような状況から、我が国のデータに基づいて、目安量を定めることは困難と考えられた。アメリカ・カナダの食事摂取基準(2011)においては、ビタミン D の推奨量として、70 歳以下に対して 15 µg/日、71 歳以上に対して 20 µg/日とされており、これに準拠することとした。ただし、これらの値は日照による皮膚でのビタミン D 産生を考慮しないものであるため、そのまま目安量とすることは過大な策定となる懸念があり、この値から、日照により皮膚で産生されると考えられるビタミン D を差し引いた量を、目安量とすることとした。

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

 

 

つまり、日本人の食事摂取基準における一日の摂取目安量は、骨折予防として「最低限」必要と考えられる量であり、そこからさらに日光を浴びることで皮膚で産生されるビタミンD量を差し引いた数値が設定されています。

 

日光を浴びることで皮膚で産生されるビタミンD量が差し引かれているので、目安量を摂取しても一日のビタミンD摂取量が足りるとは限らないんですね。

 


なぜなら、日照により皮膚で産生されるビタミンD量は、住んでいるところや人によって違いが大きいためです。特に、日光の強さは北と南の地域で大きく異なるため、一概に十分な量が産生できるとは限りません。

 

例えば、東北や北海道など、北の方に住んでいる人ほど日照量が少なく、皮膚から産生できるビタミンD量は少ない傾向にあります。

 

また、屋内で過ごす時間が多い人や、屋外で過ごす時間が多い人、着ている服や日焼け止めの有無などでもビタミンDの産生量は変わってきます。

 

このように、皮膚からのビタミンD産生量は環境や天候、人によって大きく左右されるんですね。

 

 

ですが、日本人の食事摂取基準では、このような複雑な条件があるにもかかわらず、低日照地域において「最大限」産生できるビタミンD量が目安として設定されています。

 

例えば、12月の札幌では、正午前後以外ではほとんどビタミンD産生が期待出来ません。一番日光が強くなる晴天日の正午前後においても、5.5 µg のビタミン D3 を産生するのに76分もかかるという結果になっています。(顔と手の甲を日光に当て続けた場合)

 

しかもこれは「晴天日」に限った結果です。曇りや雨、雪の日は更にビタミンDの産生量が低下します。このような環境下でも、極力日光に当たるなどすれば最大で一日5 µg程度のビタミンD産生が出来るという見積もりがされました。

 

日本人の食事摂取基準では、この冬季の札幌で最大限日光に当たった際のビタミンD産生量が摂取目安量から引かれる計算になっています。

 

皮膚に有害な作用を起こさない範囲で、ビタミン D 産生に必要な紫外線量を確保することは、現実的に可能であると考えられた。ただし、紫外線の照射は、緯度や季節による影響を大きく受ける。国内3地域(札幌・つくば・那覇)において、顔と両手を露出した状況で、5.5 µg のビタミン D3 を産生するのに必要な日照への曝露時間を求めた報告によると、那覇では冬季でもビタミン D 産生が期待できるが、12 月の札幌では正午前後以外ではほとんど期待できず、晴天日の正午前後でも 76 分を要するという結果であった 51) (表 1、図 3)。

 

しかし、これは晴天日に限定した算出であり、晴天日に限定しなかった場合、冬季の札幌では、最大限に見積もっても、5 µg 程度の産生と考えられた。目安量という指標の特質を考慮して、日照による産生が最も低いと考えられる冬季の札幌における値を引用すると、アメリカ・カナダの食事摂取基準で示されている推奨量(15 µg/日)から、この値を引いた残り(10 µg/日)が1日における必要量と考えられた。

 

 

ビタミン D については、こうした特殊性を考慮した上で、実現可能性に鑑みた目安量の策定が必要と考えられた。全国4地域における調査結果(16 日間食事記録法)データの中央値を単純平均すると 8.3 µg/日であり、これを丸めて 8.5 µg/日を目安量とした。なお、男女別のデータは十分に存在しないために男女とも同じ値とした。しかしながら、上記に示した日照曝露時間や日照曝露によって産生されるであろうビタミン D の量に現時点では強い根拠はないことに留意すべきである。またこの値を一律に適用するのではなく、夏期又は緯度の低い地域における必要量はより低い可能性を考慮するなど、ビタミン D の特質を理解した活用が求められる。

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

 

 

ですが、実際には真冬に手を出して日光に当てづづける人はそう居ませんよね。手袋をしたりポケットに手を入れたり、マスクやマフラーをしたりしている人も多くいます。

 

当然ですが、これではビタミンDの産生量も殆ど期待出来ません。

 

基本的に、皮膚からのビタミンD産生量は個人差が非常に大きいものです。個人差や環境が大きく影響することから、日本人の食事摂取基準においても、日照暴露によって産生されるであろうビタミンDの量については、特に「根拠はない」としています。

 

そして、季節や住んでいる地域によってビタミンD産生量の違いや必要量を個別に考慮するよう求められています。

 

 

つまり、日本人の食事摂取基準におけるビタミンDの摂取目安は、目安量を摂ればビタミンDのが足りるという数値では無いんですね。

 

色んな所で、一日当たり9.0㎍(360IU)を摂取すれば足りると言われていますが、それはです。

 

実際には、住んでいる地域や天候、生活習慣やサンスクリーンの使用有無など、その人の「個体差」に応じて目安量を個別に考慮する必要があります。

 

日本人の食事摂取基準においての目安量は「健康な人が骨折を予防するために必要となる最低限の摂取目安」なので、実際には目安量よりもより多くのビタミンD摂取が必要です。

 

 

また、食品からビタミンDを摂取する場合、その食品に含まれるビタミンDが100%全て摂取出来るとは限りません。

 

例えば、食品に含まれる栄養成分は季節や摂れた時期・場所によっても大きく変化します。これに加えて、調理法によっても一定量の栄養成分が流出、酸化・劣化するなどして失われていきます。

 

ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、調理に油を使用するかどうかでも、その後の吸収率は変わってきます。

 

この他、

 

  • 高齢者
  • 日光をあまり浴びない人
  • 腎疾患を抱えている方
  • 肝疾患を抱えている方
  • 脂肪吸収不良を抱えている方
  • 妊婦と授乳中の女性
  • 乳幼児と子供
  • 成長期のお子さん
などはビタミンDの不足や需要が高く、より多くのビタミンD補給が必要です。

 

このような個人差や調理法などによっても摂取量の差が大きいことから、○○を食べればビタミンDが足りると言い切ることは出来ません。

 

ネット上ではこのような状況を考慮せず、単に目安量と食品に含まれる栄養成分のみを引用して解説されている記事が非常に多くあります。

 

このような情報は各個人の環境・生活習慣等が考慮されていないため、あなたにとって正しい情報とは限りません。

 

栄養の必要量、目安量は人によって異なりますので、これらを考慮することが必要です。日本人の食事摂取基準の目安量においても、これらを考慮するよう求められています。目安量の数値が絶対正しいわけではありませんので、鵜呑みにしないよう注意して下さい。

 


 

 

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