ナンナン
 

うーん・・・全然良くならないなぁ・・・💧

 

はる かおる
 

どうしたの❓ 何が良くならないの❓

 

ナンナン
 

あ、今ね、低血糖の治療のために糖質の摂取量をコントロールしてるんだけど、血糖値の波が全然一定にならないんだよね💧

 

はる かおる
 

血糖値の波かぁ・・・血糖値の波を一定にするために、「血糖値だけ」を見るのは意味ないよ

 

ナンナン
 

えっ、どういうこと❗❓ 血糖値の波を一定に出来れば低血糖症が治るんじゃ無いの❓❓

 

はる かおる
 

残念だけど、それだけで良くなる事は無いね。低血糖はいわゆる「糖代謝の悪化」が関係していて、糖代謝の悪化はその他の代謝にも影響を及ぼすよ。

 

ナンナン
 

と、糖代謝の悪化❓❓ その他の代謝❓❓

 

はる かおる
 

そう。例えば「糖代謝」と「骨代謝」は深い関係があって、「骨代謝」が悪くなると「糖代謝も悪くなる」という関係にあるよ。分子栄養学を実践するなら、このあたりもよく学んでから行うのが良いね。

 

 

低血糖症や糖尿病の分子栄養学的アプローチとして、「食事を変えて血糖コントロールを行っていきましょう」と紹介されていることがあります。

 

中には、血糖値をモニタリングする機器の「リブレ」を装着して、血糖値が乱高下しないように食事を行っている方もいますね。

 

このようなアプローチでは、食事をコントロールしている限り、血糖値の波や低血糖が抑えられているように見えます。

 

ですが、逆に食事のコントロールを続けていないと、血糖値の波や低血糖・高血糖が抑えられません。

 

このようなことをエンドレスで続けている方が居ますが、これだけで低血糖や糖尿病を改善させるのはかなり難しいです。

 

そもそも、このアプローチは分子栄養学として紹介されていますが、分子栄養学ではありません。あくまで、基礎的なアプローチの1つです。

 

分子栄養学の実践で低血糖や糖尿病などの糖代謝の悪化を改善させるためには、もっと広い視点を持ってアプローチを行っていく事が必要です。

 

 

例えば、「血糖値」と「骨の状態」には深い関係があります。

 

骨の状態が悪くなると糖代謝が悪化し、糖代謝が悪化すると骨の状態が悪くなるという相関関係があるんですね。

 

この理由は、骨代謝の主要成分であるカルシウム・マグネシウム・ビタミンDが糖代謝にも深く関連しているからです。

 

例えば、カルシウムは、マグネシウムと共に糖代謝に関わっています。カルシウムはインスリンの分泌(感度)と作用に関係しており、不足するとインスリンの分泌や働きが低下します。

 

このインスリンは血糖値を下げてくれるホルモンのことで、インスリンの分泌や働きが低下すると、血糖値が十分に下げられなくなって血糖値の乱高下や2型糖尿病を発症する原因になります。

 

 

 

また、マグネシウムは、脂質や糖質などから身体を動かしたり体温を維持したりする為に必要な「エネルギー代謝」に関わっています。

 

私達の体を構成する細胞には「ミトコンドリア」と呼ばれるエネルギーの生産工場があって、私達が食べた食べ物から日々エネルギーの元となる「ATP」を作ってくれています。

 

このエネルギーの元となるATPを作るために、マグネシウムが必要なんですね。

 

 

具体的には、エネルギーの元となる「ATP(アデノシン三リン酸)」にはマグネシウムが結合していて、エネルギー供給のための基質として機能しています。

 

ATPとはミトコンドリアが糖質や脂質を元に作るエネルギーの電池のようなもので、私達の身体はこのATPを利用して身体を動かしたり体温を維持したりしています。

 

このATPを作るためには、糖質や脂質、タンパク質の他に鉄やビタミンB群、マグネシウムなどが必要です。もしマグネシウムが不足していた場合は、ATPを作り出せる量が減ってしまい、身体はエネルギー不足に陥ってしまいます。

 

エネルギー不足になると、疲れやすくなったり、めまいや息切れがしたり、身体が冷えたりうつ症状が起こるなど様々な不調が引き起こされます。

 

また、糖質や脂質をエネルギーとしてうまく利用出来なくなってしまうので、太りやすくなったり脂質異常症、糖尿病などを引き起こしやすくなります。

 

この悪循環によって、血糖コントロールがうまくいかなくなったり、血糖値が上がりすぎたりして低血糖症や血糖値の乱高下、糖尿病を発症しやすくなってしまうんですね。

 

 

そして、慢性的にカルシウム・マグネシウム、ビタミンDが不足していると、体はカルシウムの血中濃度を保つために、骨からカルシウムを溶かして利用します。

 

 

この時、副甲状腺ホルモンの働きによって骨が溶かされるのですが、副甲状腺ホルモンの働きは強力なので、骨からは過剰にカルシウムが溶け出してしまいます。

 

この過剰に溶け出したカルシウムによって血中濃度が上昇し、余剰なカルシウムは血管壁に沈着したり細胞内のカルシウム濃度バランスを崩したりしてしまいます。

 

また、過剰に骨が溶かされることによって骨もスカスカになってしまいます。

 

このようなカルシウムが足りないほど血中カルシウム濃度が上昇し、カルシウムが足りているように見える状態を「カルシウムパラドックス」と言います。

 

このカルシウムパラドックスが起こっている状態では、骨からカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがドンドン溶け出していくため、慢性的にカルシウム・マグネシウム不足に陥ります。

 

加えて、カルシウムパラドックスによってカルシウムやマグネシウム、ビタミンDが不足すると、糖代謝が悪化して高血糖・高浸透圧利尿を引き起こします。

 

高浸透圧利尿とは、例えば尿糖などで浸透圧が高まっていると、腎臓にある尿細管内の浸透圧が上昇して水やナトリウム、カルシウムやマグネシウムなどの再吸収が抑制されて尿中排泄量が増加してしまう状態の事です。

 

この高血糖・高浸透圧利尿も腎臓に大きなダメージを与え、更にカルシウムやマグネシウムの尿中排泄量も増加するので、ますますカルシウムやマグネシウム不足に陥ります。(高カルシウム尿症)

 

 

カルシウムやマグネシウムが不足すると糖代謝が悪化し、糖代謝が悪化すると高浸透圧利尿でカルシウムとマグネシウムが不足するというように、カルシウムやマグネシウム・ビタミンDは糖代謝と深い関係があるのです。

 

 

 

 

 

そのため、糖代謝に問題がある場合は、同時に「骨代謝」も見ていく必要があります。

 

「血糖値だけ」をモニタリングして「血糖値が上がった」「血糖値が下がった」とやっているだけでは糖代謝は改善することが出来ません。

 

糖代謝を改善させるためには、骨代謝を始め、タンパク質代謝、脂質代謝、鉄代謝等、あらゆる代謝の状態を検査して同時に改善していく必要が必要です。(省きますが、糖代謝は免疫やホルモン、自律神経等とも関連があります。)

 

これら代謝は歯車のように密接に関係していることから、どれか1つの代謝だけが悪くなるなんて事は無いんですね。

 

つまり、糖代謝が悪化するということはタンパク質代謝、脂質代謝、骨代謝、鉄代謝など全ての代謝が低下している事を表しています。

 

ですので、血糖値だけにとらわれず、体全体の代謝状態も同時に見ていくようにしましょう。

 

 

例えば、ケンビックスの血液検査では、全身の状態を調べる69項目の基本検査の他に、糖代謝の状態と脂質代謝、骨代謝を見るK02というオプション検査があります。

 

 

K01とK02の詳細。一番下にある項目がK02糖尿病のオプション検査詳細

 

 

基本検査では、タンパク質関連や脂質関連、貧血関連や炎症・免疫関連などの項目を調べて体の全身状態を可視化します。

 

ただ、これだけだとインスリンの分泌量や働きなど、詳細な糖代謝の状態が分かりません。

糖代謝の詳細を詳しく検査するためには、K02のオプション追加が必要です。

 

K02では、

  • CPR (C-ペプチド)
  • β2MG(β2マイクログロブリン)
  • 1,5-AG(1,5-アンヒドローDーグルシトール)
  • TRACP-5b(骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ-5b)
  • リポタンパク分画
  • 尿中ALB(尿中アルブミン)
  • 尿中β2MG(尿中β2マイクログロブリン)
  • 尿中Ca(尿中カルシウム)

 

を調べることで、更に詳しく糖代謝の状態と脂質代謝の状態、骨代謝の状態を見ています。

 

それぞれの検査項目の詳細は次の通りです。

 

検査項目 詳細と意味
CPR (C-ペプチド) 膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンと同時に分泌されるペプチド。血中C-ペプチド値を測定することで、体内でどの程度のインスリンが作られているかを評価する。
β2MG(β2マイクログロブリン) ほとんどの細胞の表面に存在する低分子の蛋白質。血液や尿中で測定され、腎機能障害や一部の悪性腫瘍、炎症性疾患などで高値を示す。
1,5-AG(1,5-アンヒドローDーグルシトール) 食事からのグルコース摂取量に比較的影響を受けにくい血糖コントロールの指標。過去1~2週間の平均的な血糖状態を反映するとされ、糖尿病の診断や治療効果の判定に用いられる。
TRACP-5b(骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ-5b) 破骨細胞によって産生される酵素で、骨吸収のマーカーとして用いられる。骨粗鬆症や骨パジェット病、悪性腫瘍の骨転移などの評価に役立つ。
リポタンパク分画 脂質異常症の診断や動脈硬化のリスク評価。K02検査では、りぽアルブミン、リポα、リポPRE β、リポβ、リポテーリング、リポ塗布点を調べる。
尿中ALB(尿中アルブミン) 糖尿病性腎症の早期発見や、腎臓病の早期診断に重要な指標。腎臓の糸球体で濾過されない蛋白質であるアルブミンが、尿中に微量に漏れ出てくる状態を検出する検査。
尿中β2MG(尿中β2マイクログロブリン) 糖尿病性腎症の早期発見や、腎臓病の早期診断に重要な指標。尿中のβ2マイクログロブリンが高値の場合、近位尿細管の機能障害の疑い。
尿中Ca(尿中カルシウム) 尿中に排泄されるカルシウムの量を測定する検査。副甲状腺機能亢進症、腎結石、骨粗鬆症などの診断や、糖尿病、ストレスなどによるカルシウム代謝異常の評価。

 

 

これらを検査することで、糖代謝、脂質代謝、骨代謝、鉄代謝、タンパク質代謝、免疫、炎症の状態など「体全体のインフラ」を調べています。

 

この他、人によっては甲状腺機能のK06、脂質酸化検査のK14、胃腸機能を調べるK15の検査なども必要になります。(ピロリ菌など感染症の検査も含む)

 

これら検査によって「体のインフラ」状態をしらべ、更に追加して「リブレ」で血糖値を測定していくのが正解です。

 

 

血糖値の乱高下や低血糖・高血糖は、これら代謝異常の「結果」として起こります。リブレで血糖値の変動という「結果だけ」を測定し続けても、根本解決にはなりません。

 

ですので、リブレを装着して血糖コントロールを行おうとする前に、必ずこれら検査で糖代謝が悪化している原因を調べ、根本からアプローチを行って下さい。

 

食事のコントロールだけで「血糖値が上がった・下がった」と一喜一憂するのはほぼ無意味です。間違った分子栄養学の情報には惑わされないようにしましょう。


 

また、骨代謝と糖代謝、筋肉量は相関関係にあります。

 

血糖値を下げるインスリンは、主に筋肉細胞内にブドウ糖を供給することで血糖値を下げています。

 

この筋肉量が少ない、機能が低下していると、ブドウ糖が筋肉細胞内になかなか入らず、ブドウ糖が消費できずに血糖値の乱高下や高血糖・低血糖に繋がります。

 

加えて、筋肉は骨を支えたり保護したりする役割もあるので、筋肉量が低下すると骨代謝も低下します。

 

 

そのため、上述した検査や、低血糖・糖尿病に対する分子栄養学的アプローチを行う際は、必ず体組成計で筋肉量や骨量も測定し、これらが基準以下になっていないかも調べるようにして下さい。

 

筋肉量やタンパク質量が低下している場合は、糖代謝等の悪化に筋肉量低下が関係しています。

 

また、脂肪肝や肥満(脂質代謝異常)がある場合は、これらも糖代謝の悪化に繋がります。肥満や筋肉量の低下も低血糖や糖尿病と関連がありますので、これらもあわせて改善していくようにしましょう。

 

 

このように、血糖値の異常1つとっても、全身の状態と関連しています。血糖値に異常があるからといって、血糖値だけを正そうとしても出来ません。

 

小手先のテクニックや誤った分子栄養学の情報に騙されず、きちんと全身の検査を行い、正しい分子栄養学を実践していきましょう。

 

 

 

ナンナン
 

むむむ・・・リブレで血糖値の波を抑え込んでも、食べたら血糖値の乱高下が起こるのはその為か・・・💧

 

 

はる かおる
 

そうだね。血糖値の異常は糖代謝の悪化があり、その裏には様々な代謝異常と関連しているよ。糖代謝を改善させるためには、その他の代謝も同時に改善していく必要があるんだ

 

 

 

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