安いサプリメントは、あまりオススメしないね。 どれも同じように見えるかもしれないけど、実は中身も質も全然違うんだよ
ビタミンAのサプリを選ぶときは、「見分け方」があるよ。
ちょっと難しいかもしれないけど、教えてあげるね
ビタミンAのサプリメントは様々なものが販売されています。しかし、パッケージの裏などを見ても、イマイチどれが良くてどれがあまり良くないのか、分かりづらいですよね。
そこで、今回はビタミンAサプリメントの選び方を基礎編としてまとめました。ビタミンAサプリメントを選ぶ際の参考にしてみて下さい。
ビタミンAサプリメントの種類
まず、ビタミンAサプリメントには、主成分の種類によって大きく3つに分かれています。
その3つとは、
- レチノール系
- レチノールパルミチン酸エステル
- カロテノイド系
です。
この3つは、分子構造も製法も全く異なるため、分子的な特性も体内に入ってからの動態も異なります。
そのため、ビタミンAのサプリメントを選ぶ際は、これらの違いをよく理解することが重要です。
1つずつ説明しますね。
レチノール系ビタミンAサプリメントの特徴
まず、レチノールについてです。ビタミンAサプリメントの主成分であるレチノールは、主にタラの肝油など魚油を原材料に作られています。
この魚油には元々、レチノール以外の成分(DHA・EPAや重金属)などが多く含まれているため、そのまま濃縮すると不純物が多くてとてもサプリメントとしては使用できません。
そこで、特殊な製法を用いてレチノールを効率よく分離・精製を行う必要があります。現在、この分離・精製には、主に「分子蒸留加工」という加工によって行われています。
分子蒸留加工が行われたレチノールは、高濃度・高純度でレチノール以外の不純物が殆ど入っていないという特徴があります。
また、比較的安価で大量に製造できるというメリットがあります。魚油に分子蒸留加工を行うとレチノールとDHA・EPAのサプリメントも同時に製造できるので、一石二鳥の製造方法です。
ただし、レチノールは酸素や光に極めて弱く、適切な加工を行わないと酸化・劣化して効力を失ってしまいます。
このような加工がきちんと行われているかどうかをしっかりと見極めることが大切です。
レチノールパルミチン酸エステルの特徴
ビタミンAサプリメントには、レチノールの他にレチノールパルミチン酸エステルが主成分として作られているものがあります。
レチノールパルミチン酸エステルとは、レチノールにパルミチン酸という脂肪酸をエステル加工したものです。エステル化とは、いわゆる「コーティング」のような感じで、エステル加工を行うと成分が安定し、酸素などの影響を受けにくくなります。
レチノールはそのままだと酸素や光に極めて弱いため、レチノールにエステル加工を行うと分子構造が安定して酸化・劣化しにくくなるというメリットがあります。
このレチノールパルミチン酸エステルは、安価で大量に生産出来るため、薬やサプリメントなど幅広いものに使用されています。
成分的には牛や豚などの肝臓に含まれる「レチニルエステル」と同様の成分ですが、サプリメントや薬などで使われているレチノールパルミチン酸エステルは、「合成」によって人工的に作られているものが殆どです。
合成によって作られるため、天然の原材料から製造されたものに比べて高濃度・高純度で不純物が極めて少ないという特徴があります。
また、「レチノール」と「レチノールパルミチン酸エステル」では、一部吸収の仕組みが異なります。
「レチノール」は小腸粘膜面で吸収された後、パルミチン酸とエステル結合して、キロミクロンに取り込まれてリンパ管に分泌されます。
一方、「レチノールパルミチン酸エステル」では、小腸粘膜面で一度「レチノール」と「パルミチン酸」に加水分解されてから吸収されます。そして、「レチノール」は再度「パルミチン酸」とエステル結合した後、キロミクロンに取り込まれてリンパ管に分泌されます。
つまり、「レチノールパルミチン酸エステル」では一度「加水分解」という処理を行わないと吸収出来ないんですね。
この加水分解は、すい臓由来のリパーゼなどの酵素によって行われています。そのため、人によってはすい臓の働きなど個体差を考慮する必要があります。
また、加水分解を必要とする「レチノールパルミチン酸エステル」では、吸収するためにレチノールに比べてある程度脂質が存在していることが重要になります。
カロテノイド系サプリメントの特徴
続いて、カロテノイド系についてです。
カロテノイドというと、トマトに含まれるリコピンなど様々なカロテノイドがありますが、ビタミンAに変換されて利用されるカロテノイドとして主に「βカロテン」があります。
βカロテンは、体内で「レチノール」に変換されて利用されるため、「プロビタミンA」と呼ばれています。
プロビタミンAには「αカロテン」や「βクリプトキサンチン」などがありますが、レチノールへの変換効率が最も高いのがβカロテンのため、プロビタミンAといえばβカロテンを指すことが一般的です。
サプリメントにおいても、基本的にはβカロテンを主成分として配合されています。
このβカロテンは、大きく分けて「合成されて作られたもの」と「天然の原材料からβカロテンのみを分離・精製したもの」「βカロテンなどカロテノイドが含まれる天然の原材料を濃縮したもの」の3つがあります。
合成されたβカロテンは天然の原材料から製造されたものに比べて高濃度・高純度で不純物が極めて少ないという特徴があります。合成のβカロテンは、天然の原材料が使用されたものよりも安価で販売されています。
また、「天然の原材料からβカロテンのみを分離・精製したもの」も高濃度・高純度で不純物が極めて少ないという特徴があります。こちらはβカロテンが高濃度・高純度で含まれていますが、天然の原材料を使用しているため、βカロテン以外のカロテノイド類も成分としては残っている可能性があります。コストは、天然の原材料を使用している分、合成よりも高くなります。
もう一方の「βカロテンなどカロテノイドが含まれる天然の原材料を濃縮したもの」では、原材料に含まれる栄養成分を出来るだけ残しつつ、なるべく不要な不純物を取り除いた物になります。こちらはβカロテン以外のαカロテンやβクリプトキサンチンなどその他の栄養素も含まれるというメリットがありますが、逆に重金属などをしっかり取り除いていないと汚染物質が残っている可能性があります。
βカロテンは上述したレチノールを摂取するのと比べ、安全性が高く過剰摂取の心配が無いと言われています。これは、体内で必要に応じてβカロテンからレチノールに変換されるためです。
しかし、βカロテンにおいても、過剰摂取を行うと「柑皮症」という皮膚が黄色くなる症状が起こることが知られています。柑皮症は皮膚の角質層にカロテノイド色素が沈着したもので、肝臓が悪くなったときに起こる「黄疸」と間違えられることがよくあります。
柑皮症は黄疸と違って色素が沈着しただけのため、特に害はありません。あまり驚きすぎないようにしましょう。柑皮症と黄疸かを見分けるには、目の「白目の部分」が黄色くなっているか否かで見分けられます。
また、柑皮症以外にもβカロテンは単品で大量に摂りすぎるとプロオキシダント(酸化促進剤)としての作用が出る恐れがあるので注意が必要です。
βカロテンには強力な抗酸化作用があり、病気の根源となる活性酸素を潰してくれる働きがあります。しかし、その抗酸化物質は、1種類のみが大量に存在していると逆に活性酸素を発生させるプロオキシダント(酸化促進剤)としての作用が起こることがあります。
通常、食品に含まれる天然のカロテノイドには、オールトランスβ-カロテンの他にもシス体のβ-カロテンやα-カロテン、リコピンなど様々なカロテノイドを含んでいます。何か1種類のカロテノイドだけが大量に含まれているなんてことは基本的にありません。
このような何か特定の1種類のカロテノイドを大量に摂取した場合、他のカロテノイドの吸収や組織での利用を妨げてしまう可能性があります。また、ある種の抗酸化剤が単独で大量に存在すると、条件によっては抗酸化剤としてよりも酸化促進剤として作用してしまう可能性があります。
そのため、安全と言われているβカロテンのサプリメントでも、質には注意しましょう。
そうだね。ビタミンAのサプリメントと一言で言っても、ピンからキリまであるよ。解説したのは、基本中の基本だね
オススメのビタミンAサプリメントの選び方
では、ここからはオススメのビタミンAサプリメントの選び方についてです。
分子栄養学でビタミンAサプリメントを使用する場合は、以下の点を意識してビタミンAサプリメントを選ぶようにしましょう。
プロが推奨するビタミンAサプリメントの条件
- 主成分は天然の原材料を使用した「レチノール」が良い
- 分子蒸溜加工で精製されすぎていないものを選ぶ
- 酸化防止剤が添加さているものを選ぶ
- レチノールとカロテノイド類(天然の原材料使用)が配合されているものを選ぶ
- 重金属など有害物質の成分検査、品質検査などが行われ、製造管理体制が整っているものを選ぶ
- 少量頻回製造が行われているものを選ぶ
- ミセル加工が行われたものもラインナップされている
が選ぶときのポイントになります。
まず、分子栄養学を実践する際は、なるべく天然由来の成分で、前駆体で摂取することが基本中の基本になります。(クルードなプレカーサ)
そのため、基本的に「合成」されて作られているものは分子栄養学の実践では使用できません。
また、天然の原材料を使用していたとしても、精製されすぎていて明らかに本来の状態と違うものとなってしまっているものも使用できません。
本来、食品から栄養素を摂取する場合、何か特定の栄養素に限らず、様々な栄養素が含まれています。これら栄養素は、お互いを守ったり、協力して働いたりしています。
それを、高度な精製加工によって高純度・高濃度に精製してしまうと、本来食品に含まれていた栄養素の働きとは違ったものになってしまう可能性があります。
イメージとしては、皆さんがよく使っている「塩」を思い浮かべてみて下さい。塩は「海水」という天然の原材料から作られていますが、その精製方法によってピンからキリまであります。
特に、海水をイオン膜処理によって「塩化ナトリウム」だけを効率的に精製した塩は、摂りすぎると体にあまり良くないと言われていますよね。これは、海水に本来含まれていたカリウムなども精製によって排除しているためです。
カリウムはナトリウムと組み合わさって体内の水分量を調節し、血圧をコントロールする働きがあります。精製された塩化ナトリウムだけを取り過ぎると、ナトリウムが過剰になって生体内の分子を乱してしまうことに繋がります。
逆に、手間暇かけて海水を濃縮して作られた塩には、マグネシウムやカルシウム、カリウムなど様々な栄養素が含まれています。こちらの塩の方が、塩化ナトリウムの塩に比べて身体に良いと言われています。
同じ天然の海水を使って作られていて見た目も殆ど同じですが、成分も違えば体内での働きも異なりますよね。加えて、塩化ナトリウムの塩は大量に安価に製造できるのに対し、海水を濃縮して作る塩は生産量が限られ、価格も高くなる傾向にあります。
これと同じように、特定の成分のみを高濃度・高純度で精製したものは、例え天然の原材料を使用していたとしても、本来の食品から得られる栄養素の働きとは異なった働きになってしまう可能性があります。
そのため、分子栄養学で使用するサプリメントを選ぶ場合は、天然の原材料が使われているかに加えて、精製されすぎていないか、本来の食品とは異なる状態になりすぎていないかをチェックすることが重要です。
ただし、天然由来の原材料を使用する場合は、別の懸念もあります。それが、合成品と違って不純物が多く混じっているということです。
例えば、タラ油なら、レチノールの他にビタミンDやDHA・EPAなどが含まれていますが、これ以外にも、高容量で摂取すると心臓に影響を及ぼす可能性がある「ドコセン酸」などの脂肪酸や、重金属などが含まれている可能性があります。
これら身体に害を及ぼす可能性の物質については、精製して取り除かなければなりません。しかし、これらを取り除くと身体に良い成分も取り除かれてしまうため、本来の食品とは異なる状態になってしまいます。
この、「体に良い成分は極力残して、身体に悪い成分は極力排除する」には、とても高度な技術とコストがかかります。
しかも、天然の原材料は季節や状態によって成分等が常に変化しています。この変化に合わせて、常に一定の品質を保ち続けるのはかなり高度な業が必要です。
ですが、分子栄養学を実践するなら、このような「体に良い成分は極力残して、身体に悪い成分は極力排除された」良い塩梅で作られたサプリメントを使用することが重要です。
これに加えて、重金属などの有害物質が混入していないか、表示された成分がしっかりと入っているかなど、品質検査がしっかり行われているもの、製造管理体制が整っているものを選ぶと良いですね。
それから、「レチノール」は酸素や光に極めて弱いため、適切な酸化防止加工が施されているもの、鮮度を保つために少量頻回製造が行われているものを選ぶのがオススメです。
そして、ビタミンAサプリメントを選ぶ際は、上記以外に「マルチカロテノイド」が配合されているかも重要です。
ビタミンAの主成分であるレチノールと、プロビタミンAであるカロテノイド類は、似ているようでその働きは大きく異なっています。
栄養素として摂取する場合、栄養素同士が守り合ったり、協力して働いたり出来るよう、複数種類の栄養素を配合して栄養・生理機能が高められているものを摂取することが大切です。
食事でいえば、肉だけを食べるのでは無く、野菜も食べて色々なものからビタミンAやカロテノイドを摂った方がいいというのと同じ事ですね。
ですので、このような栄養・生理機能的にもきちんと考慮されて設計された、質の高いビタミンAサプリを選んで頂くのがオススメです。
ビタミンAサプリメントにも様々な種類がありますので、今回解説したことを元に、分子栄養学が実践できるレベルの質の高いサプリを見極めてみて下さい。
※ビタミンAについては、下記記事でも詳しく解説しています。
一回読んだだけでは難しいかもね。もっと知りたい方には、分子栄養学のプロが教えるビタミンAサプリの選び方【応用編】もあるから、そっちも読むとより深く理解できると思うよ
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