ん❓なにやってるの❓
あ・・・それは一番やっちゃいけないやつ💧
AIに聞けば何でも分かると思ったら大間違いだよ
いやいや、ナンナンはまだ分子栄養学の初心者だから分からないと思うけど、生成AIに分子栄養学に関する質問をしても、単なる「栄養学的な」答えしか返ってこないよ。
そんなの実践しても、失敗するのは目に見えてるね
いいよ。それじゃあ、AIに聞いても正しい分子栄養学が実践できない理由を解説してあげるね
今、生成AIをはじめとしたAIは、日進月歩で急速に進化・普及しています。有名な物では、chatGPTやGoogleのGemini、MicrosoftのCopilotなど様々なサービスが登場していますよね。
これらAIは、スマホやパソコン等に搭載され、早くも私達のアシスタントとして生活の一部に馴染み始めています。
特に最近では情報検索機能の一部としてこれら生成AIが活用され始めました。検索機能に生成AIが実装されたことで、より自然言語で目的の情報が得られるようになっています。もしかしたらあなたも既に日常的に使っているかもしれません。
例えば、
「近くのオススメのレストランを教えて」
や
「今日の献立を考えて」
のような感じですね。
質問すれば、何でも答えてくれます。このAIさえあれば、分子栄養学的なことも何でも答えてくれそうですよね。
そんな便利なAIですが、栄養療法や分子栄養学的アプローチに関する質問をして、その答えを絶対に参考にしてはいけません。
理由は単純で、生成AIに分子栄養学的アプローチを尋ねても、正しい答えは絶対に得られないからです。
そもそも、生成AIはあなたの「パーソナルデータ」を一切知りません。そのため、栄養療法に関する質問しても得られる回答は全て「ただの栄養学」になります。
それっぽい回答を得ることは出来ますが、ほぼテンプレート的な回答が得られるだけです。こんなテンプレート的なアプローチでみんな健康になれるなら、もうみんな健康になってますよって話しですよね。
じゃあ、実際に生成AIに分子栄養学的アプローチを聞いたらどのような答えが返ってくるのか、実例を見てみましょう。
使用したAIは、ChatGPT-4oです。今回は低血糖症に対する分子栄養学的アプローチとして、次のような質問をしてみました。
質問
「何か食べると血糖値が乱高下し、低血糖になってしまいます。この場合、どのような栄養素が不足していますか?また、改善させるためにはどのような栄養素をどれくらい摂れば良いでしょうか?低血糖症に対する分子栄養学的アプローチを教えてください。」
低血糖症に対する分子栄養学的アプローチ
低血糖症(反応性低血糖など)では、食事後の血糖値が急上昇した後、急激に下降し、エネルギー不足の症状(倦怠感、冷や汗、動悸、イライラ、集中力低下など)が起こります。
この状態は、血糖調節に関わる インスリン や 副腎ホルモン(コルチゾール、アドレナリン) のバランスが乱れていることが原因である場合が多いです。そのため、血糖調節をサポートする栄養素を補うことが重要です。
1. 低血糖症の改善に必要な栄養素
① たんぱく質(アミノ酸)
• 理由:血糖値を安定させるホルモン(グルカゴン、コルチゾール)や神経伝達物質の材料になる
• 食事例:肉・魚・卵・大豆製品など
• 目安量:体重1kgあたり1.5g~2g
② ビタミンB群(特にB1、B3、B5、B6、B12)
• 理由:
• B1(チアミン):糖代謝を助ける
• B3(ナイアシン):インスリン感受性を高める
• B5(パントテン酸):副腎機能をサポートし、ストレス耐性を向上
• B6(ピリドキシン):神経伝達物質の合成をサポート
• B12:エネルギー産生と神経系の正常化
• 食事例:豚肉、魚、卵、レバー、ナッツ
• 目安量:マルチビタミン or 活性型B群サプリメント(1日50~100mg)
③ 亜鉛
• 理由:インスリンの分泌を調整し、膵臓の働きをサポート
• 食事例:牡蠣、赤身肉、ナッツ
• 目安量:15~30mg/日
④ マグネシウム
• 理由:血糖値の安定化に関与し、インスリン感受性を高める
• 食事例:ナッツ、葉野菜、海藻
• 目安量:300~400mg/日
⑤ ビタミンC
• 理由:副腎の機能を助け、ストレスホルモン(コルチゾール)の適切な分泌をサポート
• 食事例:柑橘類、パプリカ、ブロッコリー
• 目安量:1000mg~3000mg/日
⑥ クロム
• 理由:インスリンの働きを改善し、血糖値の乱高下を抑える
• 食事例:ブロッコリー、全粒穀物
• 目安量:200~400μg/日
⑦ 良質な脂質(オメガ3脂肪酸)
• 理由:血糖値の急激な変動を抑え、炎症を軽減する
• 食事例:青魚(サバ、イワシ)、亜麻仁油、えごま油
• 目安量:EPA/DHA 1000mg~2000mg/日
2. 低血糖症の改善のための食事のポイント
① 低GI食品を選ぶ
• 急激に血糖値が上がる食品(白米、パン、砂糖)は避ける
• 玄米、全粒穀物、食物繊維の多い野菜を選ぶ
② 食事のバランスを整える
• たんぱく質+脂質+食物繊維をしっかり摂る
• 例:玄米+焼き魚+野菜スープ+ナッツ
③ 間食で血糖値を安定させる
• ナッツ、ゆで卵、チーズなどを活用(糖質だけの間食はNG)
④ カフェイン・アルコールを控える
• 副腎への負担を減らし、血糖調節を改善
栄養素 推奨摂取量(目安)
活性型B群 50~100mg/日
亜鉛 15~30mg/日
マグネシウム 300~400mg/日
ビタミンC 1000~3000mg/日
クロム 200~400μg/日
EPA/DHA 1000~2000mg/日
まとめ
低血糖症は、血糖値の急上昇→急降下 が原因で起こるため、インスリンや副腎ホルモンのバランスを整えることが大切です。
✔ たんぱく質・脂質をしっかり摂る
✔ ビタミンB群、亜鉛、マグネシウムを補給
✔ 低GI食品を中心に食事を組み立てる
ChatGPT-4oの回答ここまで
なかなかしっかりと回答してくれていますね。
ですが、この通りに実践すると間違いなく失敗します。
何度も言いますが、これはただのテンプレート的な回答です。この内容があなたにも当てはまるとは限りません。
また、「この栄養素が不足するとこのような病気になるから不足しないように補いましょう」というのは栄養学の考え方であって、分子栄養学ではありません。
そもそも、低血糖症に陥る原因は、十人十色様々な原因があります。決して、副腎疲労やコルチゾールだけが原因ではありません。
低血糖症と言っても、年齢や性別、体組成の状態や生活習慣、感染症の有無やアトピーやアレルギーの状態、貧血の有無、消化能力の状態など様々な要因が複雑に関係しています。
これらを無視して生成AIが回答した内容を実践すると、ほぼ間違いなく的外れとなって失敗してしまうのです。
例えば、インスリンの分泌や働きは炎症の状態や感染症の状態によって大きく影響を受けます。そのため、まずはインスリンの働きが低下する原因となる感染症がないかなどを調べる必要があります。
また、そもそも糖代謝に異常があると血糖値にも大きな影響を及ぼします。そのため、甲状腺機能や脂質代謝、タンパク質代謝など代謝関連に異常が無いかや、消化吸収能に問題が無いかどうかを調べることも重要です。
この他にも、様々な疾病が低血糖症と深い関連があります。
低血糖症との関連が考えられる疾病
- 糖尿病(治療薬が原因の低血糖は除く)
- 貧血
- 副腎疲労・慢性疲労症候群
- 副腎不全
- 脂肪肝など肝機能障害
- 甲状腺機能障害
- ピロリ菌感染、胃腸障害
- SIBO
- リーキーガット症候群
- 腸カンジダ症
- 口腔内環境の悪化
- 更年期障害、自律神経失調症
- 肥満、痩せすぎ
※上述した疾病はあくまで一例です。上記以外にも、様々な原因が関係しています。
このように様々な原因が複雑に関係しているなかで、副腎疲労やコルチゾールなどのバランスが乱れていることが低血糖症の原因と決めつけてしまうのは、ナンセンスでありほぼ無意味です。
あなたの低血糖症の原因は、あなた自身の体の中にあります。生成AIに尋ねて分かるものではありません。
ですので、分子栄養学を実践する際には、生成AIに聞いたり回答を参考にすることは絶対にしないで下さい。
必要なのは生成AIの回答では無く、きちんと体の状態を知るための検査を受けることです。体の状態をきちんと知らなければ、適切な分子栄養学的アプローチは行えません。
そして、検査情報から得られたパーソナルデータを元に、その人その人に合わせたアプローチを行っていくのが分子栄養学です。このパーソナルデータを用いるか否かが、栄養学と分子栄養学の大きな違いです。
低血糖症に対する分子栄養学的アプローチについては、ここでは深く解説しませんが、興味のある方はこちらの記事を参考にしてみて下さい。
ちなみに、生成AIに限らず、同じようなテンプレ回答しか出来ないニセ分子栄養学カウンセラーやその人達が発信するニセ分子栄養学の情報も多くなってきています。
特に、今回ご紹介したような生成AIを利用してそのまま回答をコピペしたような質の悪い情報発信も増加傾向です。
これらニセ情報やニセ分子栄養学カウンセラーに騙されないためにも、消費者であるあなた自身が学び、知識をつけて情報の真偽を判別出来るようになってください。
そうだよ。糖代謝が悪化する原因は感染症など様々な原因があるから、きちんと検査を受けて原因を調べることが重要だね。検査を受けずに、単にこの栄養が足りてなさそうだから足すみたいなのは無意味だからやめた方が良いよ
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