先日、「Rakufit」なる体組成計を購入しました。
Rakufitとは、楽天が販売している体組成計のことですね。
外見はこんな感じ。
ガラス板の天板に、体組成を測定するためのセンサーが付いています。冬に体組成計に乗ると、氷みたいに冷たくて足が一瞬で冷え冷えになりますね。
見た目は普通の体重計ですが、スマホと連携することで様々な体組成項目を測定することが可能です。
しーーーーっ❗❗❗❗
例えば、Rakufitのスマートフォンアプリと連携させることで、次の14項目が測定出来ます。
体重/BMI/体脂肪率/骨格筋/筋肉量/タンパク質/基礎代謝量/除脂肪体重/皮下脂肪率/内臓脂肪レベル/体水分率/骨量/体型/体内年齢
結果はスマートフォンアプリ上に表示され、測定結果が基準値に対して低いか高いかなどの2段階から4段階で表示されます。
さらに、測定結果に対して、AIによるアドバイスも受けられます。
ただ、このAIのアドバイス内容はしょーもないアドバイスばっかりで、正直言ってほぼ役に立ちません。スムージーダイエットを取り入れろとかプロテインダイエットをしろとか、そんな事しか言わないです。
なんか、AIというよりはただのBotって感じですね。なので、特に参考にしなくて大丈夫です。
他に楽天らしいサービスとして、一日一回測定する毎に、楽天ポイントが1ポイント貰えます。健康管理をしながらポイ活できるという、なかなか良いアイディアのサービスですね。
で、このような体組成を測定することは、分子栄養学を実践する上で必ず必要な事の1つです。別にRakufit以外の体組成計で測っても大丈夫ですが、わかりやすさなども加味して今のところ一番おすすめですね。
ではなぜ、分子栄養学の実践において体組成の計測が重要かというと、分子栄養学では血液検査データ以外にも、体組成など様々な状態を加味して分析する必要があるためです。
分子栄養学と言えば、血液検査データを見て、フェリチンが100あったから鉄が足りている、足りていないとか、BUNが15位あるからタンパク質が足りているとかを判断してサプリメントを摂取する療法だと思っている方が多いと思います。
または、薬の代わりにサプリメントを摂取して治す療法だと思っている方も多いかもしれません。
ですが、これらの認識は間違いです。
分子栄養学で行う血液検査は栄養が足りているか足りていないかを調べるためのものでは無くて、栄養の需要と代謝の状態を知るための検査です。
特定の血液検査項目が基準値以上を満たしていたとしても、それで特定の栄養が足りていると判断することは出来ません。
実際に栄養状態が整っているかどうかは、血液検査データに加えて体組成を見る事が重要です。
体組成は体を構成している状態を可視化したものですので、この結果が悪ければ栄養状態も悪いって事なんですね。
例えば、BUNが15位あったとして、分子栄養学を理解していない方はこの数値だけで「タンパク質が足りている!」と喜ぶかと思います。しかし、本当にタンパク質が足りているかどうかは、体重や筋肉量、骨量、脂肪量などで判断する必要があり、いくらBUNが15くらいあったとしても、肝心の体組成で筋肉量やタンパク質量が低かったら、それはタンパク質が足りていないって事なんですね。
タンパク質を始め、私達が摂った栄養素は、体を作る材料として使われて初めて意味があります。
血液検査データの特定の数値が上がったからといって、摂った栄養素が体を作る材料として使われたという訳ではありません。
このあたりの、
摂取した栄養がきちんと体を作る材料として使われているのか?
使われていないのなら、どのような原因で使われていないのか?
栄養が体内で使われるためにはどうすればいいのか?
をより深く分析してアプローチしていくのが、分子栄養学です。
また、ガンなどの病気を発症する原因は、生活習慣が7割以上関わっていると言われています。
分子栄養学を実践することで病気が改善する、病気にならなくなると思っている方が多いですが、それは間違いです。
例えば、科学的根拠に根ざしたガン予防ガイドラインでは、喫煙や飲酒、食生活や運動不足などの生活習慣がガンと深く関わっており、これらを改善していく事でガンの罹患リスクを下げられるとしています。
具体的な結果として、国立がん研究センターでは、日本全国の11の保健所の協力を得て、調査開始時点で年齢40歳から69歳の男女、総計140,420人を対象に、生活習慣とがんやほかの病気の罹患についての追跡調査を実施してきました。その結果、この5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという推計が示されています。
5つうち、たった1つを行っただけでは殆どリスクは下がりませんが、5つ全ての健康習慣を行った方は、がんリスクはほぼ半減するという結果になりました。
分子栄養学で摂取するサプリメントや食事の改善は、このうちの「食生活を見直す」という1つの健康習慣でしか無いので、これだけをやったとしても殆ど意味がありません。
病気になる原因は、他にもウィルスや細菌感染、運動不足や太り過ぎ、痩せ過ぎなどの状態も関係しています。
例えば、ヘリコバクターピロリ菌は胃がんリスクを上昇させる主な原因として知られていますので、分子栄養学を実践する際はこれら病気の原因になるウィルスや細菌に感染していないかなども検査でチェックし、必要に応じて治療を行います。
更に、運動不足や筋肉量の低下、太り過ぎ、痩せ過ぎも病気のリスクを上げる原因になりますので、日々体組成計でチェックしてこれらを適性に保つことが重要です。正しい分子栄養学では、これらに対して総合的にアプローしていきます。
つまり、分子栄養学は単に血液検査データをみてサプリメントを飲む療法では無いということです。
サプリメントを飲んだだけで病気が改善することはありませんし、病気にならなくなるということもあり得ません。
いくら分子栄養学を実践していたとしても、病気の発症には、「生活習慣要因」以外に「遺伝要因」「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与しています。
そのため、個人の努力次第で病気のリスクをゼロにするなんてことは不可能です。ガンや病気などのリスクは、一生つきまといます。
だからこそ、毎年検査を受けて早期発見・早期治療を行う事が重要です。「分子栄養学を実践しているから大丈夫」「サプリメントを飲んでいるから大丈夫」と慢心しないようにして下さい。
このあたりについて、深く理解せずに分子栄養学を行っている方が非常に多く見受けられます。
サプリメントを飲んで血液検査の数値が「上がった」「下がった」とやっているのは
分子栄養学ごっこ
であり、分子栄養学ではありません。血液検査など検査自体を受けていないなんて論外です。
また、分子栄養学的な食事内容を紹介している情報や、メガビタミン健康法を始めとしたサプリメントの摂取のみで病気が治るなどとした情報は、
すべてニセ分子栄養学
です。
このようなニセ分子栄養学の情報や、自称分子栄養学のプロには絶対に騙されないようご注意下さい。
次回は、この体組成計の結果を基に分子栄養学的な読み方を解説していきます。今回ご紹介したような体組成計は、正しい分子栄養学を実践する上で必須になりますので、まだ持っていない方はこの機会に準備しておきましょう。
一応、おすすめしたRakufitのページを貼り付けておきます。
それから、分子栄養学の基礎についてはこちらでも詳しく解説してます。
分子栄養学のテクニックを学ぶ前に、分子栄養学の基礎については必ず学んでおいて下さい。
それでは。
本格的な分子栄養学を無料で学べるサイト「分子栄養療法ナビ」はこちら