そもそも低血糖症とは?貧血から引き起こされる低血糖症の代表例

貧血と低血糖症の関係がわかったところで、次に貧血から引き起こされる低血糖症はどんな症状なのか?低血糖症とはそもそもどんな症状が引き起こされるのかについて解説していきましょう。

 

まず、低血糖症についてのおさらいです。低血糖症とは、血糖値が正常範囲以下にまで下がってしまった状態の事です。通常血糖値は80〜100前後に保たれていますが、何らかの原因で血糖値が80以下を下回っている状態が続いていると、低血糖症と判断することが出来ます。

 

低血糖状態になると、冷や汗や動機、意識障害や痙攣、手足の震えなどの症状が現れることもあり、最悪の場合は死に至る恐れもあります。

 

他にも、「食べた後や夕方になると猛烈な眠気が襲ってくる」というのも低血糖の典型的な症状の1つです。それ以外にも耐えられないほど甘い物の欲求が強くなったり、気分が落ち込んだり不安感に襲われるなど、その症状は多岐にわたります。

 

https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/050/05.htmlより

その他の症状については、この記事の最初でお伝えしたとおり。貧血と同じような症状が引き起こされることも低血糖症の特徴です。そして、低血糖症と一言で言っても、この低血糖症には状態によって異なる3つの種類があります。1つが「糖尿病の人が血糖降下剤やインスリン注射を使用する事による低血糖症」と、糖尿病とは認められない人でも低血糖症に陥る「無反応性低血糖症」「機能性低血糖症、乱高下型低血糖症」です。

 

貧血によって低血糖症に陥る方の殆どは「無反応性低血糖症」か「機能性低血糖症」のどちらかになります。無反応性低血糖症とは、何か食べ物を食べても殆ど血糖値が上がらず、常に血糖値が80を下回っているような状態のことです。これは貧血から引き起こされる自律神経の乱れが腸内環境の悪化を引き起こし、腸内環境の悪化から消化吸収に問題が起こってしまった場合や、副腎疲労、甲状腺機能障害などで陥りやすい低血糖症です。

 

対して機能性低血糖症とは、空腹時血糖は正常値あたりになっているのにもかかわらず、何か物を食べたり甘い物を食べたりすると急激に血糖値が上昇し、その後急降下してしまう状態の事です。この血糖値の上昇と下降を繰り返してしまうことから、血糖値が乱高下してしまう低血糖症になります。

 

例えば、甘い物や炭水化物の摂りすぎによって血糖値が急上昇し、その後すい臓から血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが大量に分泌されます。インスリンが大量に分泌されたことによって血糖値が急降下し、低血糖に陥ります。

 

この時、低血糖は脳を動かすためのエネルギーが足りなくなるため、耐えがたいほどの眠気や動機、冷や汗や息苦しさ、不安感や気分の落ち込み、頭痛など様々な不調が表れます。さらに、意識を失ったり命を失うリスクがあることから、身体は血糖値を上げるために副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリン等の血糖値を上げる作用のあるホルモンを分泌します。これら血糖値を上げる作用のあるホルモンは、同時に交感神経を刺激するため、イライラしたり不眠になったり、ちょっとしたことで爆発的な怒りが湧いてきたり等の精神症状、身体症状を引き起こしてしまうのです。

 

このような血糖値の乱高下を引き起こしてしまう状態を「反応性低血糖症」もしくは「機能性低血糖症」「血糖値スパイク」や「隠れ低血糖症」といいます。これら機能性低血糖症では、血糖値の波の状態に応じて精神症状や自律神経症状を伴うのが最大の特徴です。

 

そして、貧血から引き起こされる低血糖症は、どちらかと言えば機能性低血糖症を抱えている人の方が多い印象があります。これは、貧血によって糖分をエネルギーとして十分に使えなくなることが主に関係しており、エネルギーとして使えなかった糖が血管内に溢れることによって血糖値が上昇、急降下しやすくなるためです。

 

では、貧血の方が低血糖症の症状を訴えた場合、その症状だけで「機能性低血糖症」と決めつけて良いのでしょうか?

 

実は、症状だけでは「無反応性低血糖症」か「機能性低血糖症」の判断をする事は出来ません。この2つの低血糖症のうち、どちらの低血糖症に陥ってしまっているかは検査をしてみなければ分からないのです。

 

低血糖症の状態を検査としては、「持続グルコース測定検査」があります。これは主に「リブレ」と呼ばれる血糖値をリアルタイムで測定してくれる機器を腕に装着し、その数値を元に「機能性低血糖症」か「無反応性低血糖症」かなどの状態を知る事が出来る検査です。

 

この「機能性低血糖症」と「無反応性低血糖症」では、原因も対処法も異なります。そのため、ご自身がどちらの低血糖症に陥ってしまっているかを調べることは非常に重要です。今後正しい栄養アプローチを行うためにも、一度は持続グルコース濃度測定検査を受けてみて下さい。

 

持続グルコース濃度測定検査は、上の画像のように腕に装着したセンサーに読み取り装置をかざすことによって血中のグルコース濃度をリアルタイムでモニタリング出来る仕組みです。この装置で読み取ったデータはリアルタイムでグラフ化され、どのような低血糖や血糖コントロール障害が体内で起こっているかを解析することが出来ます。

 

例えば、

空腹時血糖が80を下回る時間が長かったら低血糖症の可能性あり。
食後血糖値が160を超えるようなら血糖値スパイクの疑いあり。
空腹時血糖が130を超えているようなら糖尿病の疑いあり。
夜間低血糖や特定の時間に低血糖が起こる場合は、糖代謝異常の疑いあり。
血糖値が60~80前後から上がらない場合は、血糖値を上げられない糖代謝異常の疑いあり

 

といったように、読み取ったグラフや血糖値の傾向からどのような低血糖や血糖コントロールの異常があるのかを判断することが出来ます。

 

先ほどお伝えしたように、低血糖症には種類があり、それぞれ原因も対処法も違います。機能性低血糖症の場合は、貧血改善に加えてインスリンの働きを整えたり、代謝を上げるアプローチが重要です。対して無反応性低血糖症では、貧血改善に加えて腸ケアを含めた消化吸収のサポートや自律神経、ホルモンバランスなどを整えるアプローチも必要になる事があります。

 

この2つの低血糖症は原因もアプローチ方法が全く異なりますので、どちらの低血糖症かを調べずに当てずっぽうで対処することは、低血糖症がさらに酷くなってしまう可能性があります。このような状態を避けるためにも、是非持続グルコース濃度測定検査を受けてみて下さい。

持続グルコース濃度測定検査の受け方

持続グルコース濃度測定の受け方についてですが、当方が推奨するオーソモレキュラー療法と同時に受ける事が可能です。

 

検査自体はクリニックが提供していますが、わざわざ病院まで検査を受けに行く必要はありません。測定に必要な測定器とセンサーは申し込み後に宅配で送られてくるため、ご自宅にて測定可能です。

 

測定した結果はクリニックに自動的に送られ、検査終了後は医師の解析や解説もセットで提供されています。解説は電話で受ける事が出来ますので、ご自宅に居ながらより詳しく状態を知ることが出来ます。

 

ですので、低血糖症でお悩みの方はオーソモレキュラー療法の検査とあわせて持続グルコース濃度測定検査も受けてみて下さい。

 

また、血糖値の測定自体は病院など医療を通さなくてもご自身で必要な機材を揃えて頂ければ測定可能です。「リブレ」と呼ばれるセンサーと読み取り装置を準備し、ご自身で装着すればお好きなタイミングで血糖値をモニタリングすることが可能になります。

 

持続グルコース濃度測定に用いるリブレのセンサーと読み取り装置については、楽天やアマゾンでも販売されていますので興味ある方はご自身で揃えてみて下さい。

 

ただし、ご自身で行う場合は医師からの解析はありません。測定結果は、全てご自身の判断の下で利用して頂くことになります。

 

持続グルコース濃度測定検査は、血糖値の上がり下がりを単に見ているだけで無く、その根本にある糖代謝異常の原因を探る検査になります。ご自身で測定しても、そのデータを活用出来なければ全く意味がありません。データの読み方が分からない方は、きちんと医療を通して医師に解析して貰いましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓