ピロリ菌を除菌するだけでは低血糖症は改善しない。除菌後は糖代謝を改善させるアプローチを。

ここまで、低血糖症の原因となるピロリ菌感染についてや、その除菌方法と栄養アプローチの方法について解説してきました。

 

低血糖症には根本にピロリ菌感染などによる消化吸収能の低下と糖代謝の悪化などが関係しており、糖代謝の悪化には口腔内の環境悪化や腸内環境の悪化、脂肪肝、筋肉量の低下などが関係しています。また、この他にも甲状腺機能障害や貧血など様々な疾病や栄養不足も低血糖症と関係していて、ここでは解説しきれなかった原因や疾患、対策法も沢山あります。

 

特にピロリ菌の感染と貧血には相関関係があり、他にも甲状腺機能低下や筋肉量低下もピロリ菌感染によって引き起こされる症状の1つです。これらは低血糖症の原因にもなるので、単にピロリ菌を除菌したからと言って低血糖症が良くなるとは言えません。

 

例えば、低血糖症はピロリ菌の感染以外にも次のような疾患と関連があると考えられています。

  • 糖尿病

  • 副腎疲労・慢性疲労症候群

  • 副腎不全

  • 脂肪肝など肝機能障害

  • 甲状腺機能障害

  • ピロリ菌感染、胃腸障害

  • SIBO

  • リーキーガット症候群

  • 腸カンジダ症

  • 機能性ディスペプシア

  • 口腔内環境の悪化

  • 更年期障害、自律神経失調症

  • 肥満、痩せすぎ

例えば、「甲状腺機能低下症」と「ピロリ菌の感染」「副腎疲労」「アレルギー」が組み合わさって低血糖症になっている方と、「ピロリ菌の感染」に加えて「貧血」と「更年期障害」によって低血糖が起きている方とのアプローチは全く違います。これらは人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多く、検査もなしに適切な栄養アプローチを行うのは困難です。

 

また、この記事で紹介した「SIBO」や「リーキーガット症候群」など消化吸収能に問題がある場合なども低血糖症と関係してきます。

 

このように低血糖症にはピロリ菌の感染以外にも様々な原因があり、個人個人バラバラに組み合わさって引き起こされています。同じ低血糖症に見えても対処法は全く異なりますので、これら原因となる要因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。

 

その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

 

当方の推奨するオーソモレキュラー療法では、68項目にも及ぶ血液検査項目に加え、低血糖症の状態や甲状腺の検査、副腎疲労や酸化ストレス、短鎖脂肪酸検査やリーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。

 

複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの低血糖症の根本原因がどこから来ているのかが分かります。また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。


根本原因からきちんと対処していくことが出来れば、無反応性低血糖症や機能性低血糖症なども改善出来る可能性があります。

 

同じように見える低血糖症でも人によって全くアプローチが違いますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

 

質の悪いサプリでのアプローチはむしろ低血糖を悪化させる!

オーソモレキュラー療法では、血液検査や各種検査の結果に応じて専用に設計されたサプリメントで栄養アプローチをしていきます。

この際、「市販されているサプリメントや海外サプリメントを利用して行っていきたい」と思うかも知れません。しかし、市販されているサプリメントやアイハーブなどで販売されているサプリメントで栄養アプローチをするのは非常に危険です。

特に海外で販売されているサプリメントやプロテインについては、日本人向けには設計されていません。加えて、主な目的が「スポーツ用」として開発された物ばかりで、治療を目的とした利用には不向きです。

また、人工甘味料を始めとした添加物も多い上、栄養素が酸化して効力を失っている物や、自然界に存在しない化学構造に加工された物も多くあります。これらを大量に摂取することでむしろ身体や肝臓にダメージを与えてしまい、低血糖症がさらに酷くなる場合もありますので、栄養アプローチを行うときは市販サプリや海外サプリで代用せず、オーソモレキュラー療法専用のサプリメントでアプローチするようにしましょう。

ピロリ菌に感染していると低血糖症発症リスク大。ピロリ菌と低血糖症の関係と、除菌成功率を高める分子栄養学的アプローチをご紹介まとめ

以上が、低血糖症の原因となるピロリ菌感染についてや、その除菌方法と栄養アプローチのご紹介でした。

 

ピロリ菌の感染については以前から糖尿病との関連が知られていたものの、低血糖症との関連はあまり知られていません。そのため、現在における低血糖症の対処法としては、副腎疲労対策や糖質制限、食事制限など見当違いの指導しているところが大半です。

 

しかし、これでは低血糖症は良くなるどころかむしろ悪くなってしまいますよね。低血糖症にはピロリ菌感染による消化吸収能の低下や甲状腺機能障害など様々な疾病が複雑に関係していますので、単に血糖値の状態を食べ物などでコントロールしているだけでは良くなる訳がないのです。

 

人の身体には、元々糖質などの栄養素や血糖値を上手く利用したりコントロールしたりする機能が備わっています。低血糖症は、この機能が正常に働けなくなってしまったことが一番の問題です。この機能を元に戻すことが出来れば、機能性低血糖症や無反応性低血糖症も改善出来る可能性があります。

 

是非、このあたりの原因をしっかり調べて適切なアプローチを行っていきましょう。今回ご紹介した原因や対策、検査方法は根本原因から低血糖症を解決する際の大きな手助けになるはずです。

 

糖質の摂取量だけで血糖値をコントロールしようとせず、低血糖症が引き起こされている根本の原因からアプローチしていくようにしてください。

 

 

 

 

 

 

 

この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓