あなたの低血糖症の原因、もしかしてピロリ菌が潜んでいるかも? ピロリ菌に感染しているかチェックするには?

ここまで、ピロリ菌感染による低血糖症との関連や、消化能力の低下から低血糖症へと発展する仕組みについて解説してきました。特に、低血糖症を発症する要因としてタンパク質の消化能力低下やタンパク質不足を始めとした栄養欠損は大きく関係しています。

 

もし、今あなたが低血糖症の症状を抱えている状態なら、ピロリ菌感染によって胃腸機能が低下し、これが原因で低血糖症を発症している可能性も考えられます。低血糖症の根本原因から改善させるためにも、まずはご自身にピロリ菌の感染が無いかどうかを調べてみましょう。

 

ピロリ菌に感染しているかどうかは一般的に「胃カメラ」によって検査します。でも、いきなり胃カメラの検査を受けるのは抵抗がありますよね。胃カメラでは鼻や口からカメラを挿入し、胃粘膜の状態を直接目視します。この時に鼻や喉に麻酔を使ってカメラを挿入する際、苦痛を伴う方も少なくありません。このため、いきなり胃カメラを受けるのは抵抗がある方も多いかと思います。

 

ですが、いきなり無理して胃カメラを受けなくても大丈夫です。ピロリ菌に感染しているかどうかは、血液検査である程度知ることが出来ます。これなら、胃カメラを受けるよりも負担がありません。まずは血液検査を受けて、ピロリ菌の感染状態や胃粘膜の状態、タンパク質の消化能力を調べて見てください。

 

血液検査の項目としては、胃酸の分泌量を表すPG1や粘膜の炎症程度を表すPG2、胃粘膜萎縮の程度を見るPG1/2比、ピロリ菌感染の有無を調べるHp抗体などがあります。このHp抗体の数値が10以上だった場合は、ピロリ菌に感染している可能性が高いです。Hp抗体は「ヘリコバクター・ピロリ抗体」と言って、免疫機能がピロリ菌と闘っていると増える抗体のことです。もしこの抗体の数値が10以上や、9以上など10に近い場合は次に説明する「胃カメラ」を受けてピロリ菌がいるかどうかを確認してください。

 

この他、胃の状態を知る方法として、PG1やPG2などがあります。ピロリ菌に感染していると胃粘膜に炎症が発生したり萎縮が発生する事から、PG1は減少、PG2は上昇する傾向にあります。

 

例えば、健康な人であればPG1が50、PG2が5といった感じに対し、ピロリ菌に感染している場合はPG1が20、PG2が10のようにPG1が減少、PG2が上昇します。このPG1の数値からPG2を割るとPG1/2比となり、この数値が3.1を下回るようなら胃粘膜に萎縮が起きている可能性が高いです。(例 50÷5=10、20÷10=2)

 

もしPG1の数値が低い場合は、胃酸の分泌量が少なく、タンパク質をしっかり消化吸収出来ていない可能性があります。加えて、PG2が上昇している場合は胃粘膜が萎縮している可能性があり、胃粘膜の炎症や萎縮によってタンパク質が上手く強化できなくなっている可能性があります。

 

また、人によってはピロリ菌に感染していなくてもPG1の数値が低かったり、PG2の値が高かったりする場合があります。この場合もピロリ菌に感染しているときと同じく消化能力が落ちていると判断出来ますので、これらの検査を参考に、タンパク質がしっかり消化吸収出来ているかを確認してみましょう。

 

ちなみに、過去にピロリ菌の除菌をしている場合は、ピロリ菌の除菌に成功していてもピロリ菌抗体が残る場合があります。胃カメラによる目視でピロリ菌感染が否定された場合は、ピロリ菌抗体が10以上あったとしても問題ありません。

 

また、血液検査によるピロリ菌の検査は、血液中に含まれるピロリ菌の抗体量を調べる検査です。ピロリ菌の有無を直接調べているわけではないので注意して下さい。このため、ピロリ菌抗体の数値が高かった方や、PG1の胃粘膜の炎症が高かった方、PG1/2比の数値が3.1を下回っている方は、胃カメラによる直接の目視が必要です。

 

当てはまった方は、ピロリ菌の感染有無を確定させるためにも、必ず専門のクリニックで胃カメラの検査を受けましょう。

 

ここでご紹介した血液検査や胃カメラの検査は、当方の推奨する「オーソモレキュラー療法」でも受ける事が出来ます。特に胃カメラは検査技師の腕前によって診断が大きく左右されることから、クリニック選びが最も重要です。近いからといって近所のクリニックで安易にピロリ菌の検査や除菌を受けると、技師の腕前によってはピロリ菌が見つけられなかったり除菌に失敗したりする可能性もあります。このようなリスクを減らすためにも、胃カメラやピロリ菌の除菌を受けるクリニックは、技師の腕が良い信頼出来るクリニックを選んで下さい。

胃カメラは技師の技量による。ピロリ菌の検査、除菌は腕の良い技師がいるクリニックで受けましょう

ピロリ菌の除菌において、何よりも避けたいことがあります。それが「検査技師の技量不足による発見の遅れ」と「ピロリ菌の除菌に何回も失敗すること」です。


先ほども触れましたが、胃カメラは目視で胃粘膜の状態を直接確認する為、カメラの操作や診断には長年の経験と知識が必要になります。中には熟練の技師でもピロリ菌感染の有無や除菌の必要性を判断するのが難しい場合もあり、この判断によってはピロリ菌の存在を見逃してしまうこともあり得ます。

 

このことから、胃カメラを受ける際やピロリ菌の除菌をする場合は、少し遠くても技師の腕が良い信頼出来るクリニックを選んでいただくのがオススメです。

 

クリニックを選ぶときのポイントとしては、ピロリ菌の除菌に関して昔から精通している所を選ぶことが挙げられます。

 

実は、ピロリ菌の除菌が健康保険適用になったのは2000年の11月からです。この時はまだ胃潰瘍と十二指腸潰瘍を発症した方に限定されており、しかも一度除菌に失敗したら次の治療は健康保険適用外の状態でした。

 

その後、2007年8月に一時除菌不成功時における二次除菌が保険適用可となり、2010年6月にようやく慢性胃炎も含めた早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者さんにも保険適用となりました。

 

つまり、ピロリ菌の除菌が保険適用として確立されたのはかなり最近のことです。その昔まではピロリ菌に感染していても自費診療で対処するしか無く、そもそもピロリ菌の除菌や治療自体が世間から認知されていない状態でした。このため、胃カメラやピロリ菌の除菌に対応したクリニックが増えてきたのも、ごくごく最近のことなのです。

 

その点、当方が推奨するオーソモレキュラー療法の場合では、ピロリ菌の治療が保険適用になる前から消化器専門の医師と提携し、ピロリ菌の除菌や治療に取り組んできました。これは、分子整合栄養学の第一人者でもある金子雅俊先生が、バリー・マーシャル博士との直接対談を通じて早くからピロリのリスクや除菌についての知識を深めていたためです。

 

このように、当方が推奨するオーソモレキュラー療法では、古くからピロリ菌の除菌治療に精通しているクリニックや医師とも連携しており、胃カメラの腕や除菌に関する知識も折り紙付きです。

 

消化器内科と聞くとどこでも一緒のような気がしますが、その知識や腕にはかなりの差があります。特に出来たばかりのクリニックや、あまり経験の無い技師では、ピロリ菌の発見が遅れたり除菌に失敗したりするリスクもありますので注意しましょう。

 

 

 

 

 

 

 


この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓