食事はバランスが重要。甘い物の摂りすぎは避けるとともに、食事制限のしすぎには注意しましょう②

極端なダイエット・糖質制限に注意! カロリー不足や栄養不足は低血糖に陥る原因です

次に重要となるのが、極端な糖質制限や食べないダイエットは行わないことです。上述した血糖値スパイクや隠れ低血糖では糖質や炭水化物の摂りすぎが問題でしたが、だからと言って極端に制限しすぎてしまうことも逆効果となります。

 

特に最近では、健康志向の高まりから極端な糖質制限を行ったり食べないダイエットを行う方も増えてきました。このような極端な糖質制限や食べないダイエットなども、低血糖症に陥りやすくなる原因です。

 

その理由としては、過剰な糖質制限や食べないダイエットなどによって摂取カロリーが低くなってしまうと、体内で利用出来る糖やエネルギーが枯渇してしまうためです。人は食べた食べ物をエネルギーに変えて体を動かしたり、体温を維持したり、消化吸収をしたりしています。もし、過剰な糖質制限や食べないダイエットなどによって摂取カロリーが低くなってしまうと、体内で利用出来る糖やエネルギーが枯渇してしまいます。その結果、低血糖へと陥ってしまうことがあるのです。

 

そのため、ダイエットや糖質制限を行っている方の栄養アプローチとしては、まず第一に「食べないダイエット」や「ファスティング」「過剰な糖質制限」行わないようにすることです。

 

実は、このような食べないダイエットやファスティングを行っても、脂肪はほとんど燃焼されません。これは、糖質制限や食べないダイエット等で体内でブドウ糖が足りなくなってしまったとき(血糖値が下がったとき)は、真っ先に筋肉を壊してブドウ糖を生成し、エネルギーとして使ってしまうためです(糖新生)。

 

そのため、食べないダイエットや過剰に糖質制限を行っても、実際には脂肪が効率的に燃焼されることは殆どありません。

 

人によっては、食べないダイエットや糖質制限によって体重が減ることがありますが、これは筋肉量が減ったり体内の水分量が減ったり(脱水)したことによる体重の減少です。筋肉や水分は体重に占める割合が多いため、筋肉量が減ったり脱水になると目に見えて体重が減少する事があります。

 

しかし、筋肉にはブドウ糖をエネルギーとして使ってくれる組織でもあるため、筋肉量が落ちてしまうとブドウ糖をエネルギーとして上手く使うことが出来なくなってきます。その場合に引き起こされるのが、前述した「血糖値スパイク」や「かくれ低血糖症」などの低血糖症です。

 

実は、低血糖症を引き起こす原因の1つに、筋肉量の低下があります。筋肉はブドウ糖を取り込んでエネルギーとして使っている臓器ですので、筋肉量が減ってしまうとその分だけブドウ糖がエネルギーとして使いにくくなり、血糖値が上昇しやすくなったり、血糖値の乱高下を引き起こしたりしやすくなるのです。

 

加えて、食べないダイエットや過剰な糖質制限では、食べる量も噛む量も少なくなるため、消化管の筋肉量低下に繋がります。胃や腸の殆どは筋肉である事から、消化管の筋肉量低下は消化吸収能の低下を招く大きな原因です。この結果、食べ物を上手く消化吸収出来なくなり、さらに低血糖症を深刻化させることに繋がることがあります。

 

消化吸収能の低下や低血糖症が深刻化した場合、最悪の場合は「甲状腺機能低下症(低T3症候群)」や「SIBO」「リーキーガット症候群」などにも発展する恐れも高いです。また、胃や腸の筋肉が低下すると胃や腸を十分に支えられられなくなり、胃や腸が垂れ下がってしまう「胃下垂」も引き起こしやすくなります。胃下垂は、更に消化吸収能を低下させ、栄養障害を引き起こしやすくなる原因です。

 

このため、食べないダイエットや糖質制限はむしろ身体に大きな悪影響を引き起こしますので絶対に行わないようにしましょう。

 

それから、野菜たっぷりのヘルシーな食事を行っている方は、貧血やタンパク質不足に注意が必要です。野菜たっぷりのヘルシーな食事では、鉄分やタンパク質が十分に摂取出来ないことから貧血が進行したり、筋肉量が低下したりしてしまう危険性があります。

 

鉄分は肉や魚などの赤身肉に多く含まれていますが、野菜たっぷりのヘルシーな食事ではこれらを避けてしまうため、十分な量の鉄分を補給することが出来ません。特に女性は毎月の月経によって血液が失われてしまうので、十分な鉄分補給しないと貧血がドンドン進行してしまいます。この貧血も代謝を悪化させるため、太りやすくなったり低血糖症を引き起こす原因です。

 

また、筋肉はタンパク質で出来ているため、肉や魚などのタンパク質の摂取量が不足してしまうと筋肉量の低下にも繋がります。筋肉量の低下は低血糖症と深い関係がありますので、ヘルシーな食事をすればするほど低血糖症に陥ってしまうリスクが高くなります。

 

ですので、間違ったダイエットや極端な糖質制限、最近流行りの「ファスティング」などは低血糖症や貧血を引き起こす主な原因になりますので、絶対に止めましょう。

 

間違ったダイエット・過剰な糖質制限を行うことによって引き起こされること

  • 貧血になりやすくなる

  • 甲状腺機能が低下しやすくなる

  • 筋肉量が低下する

  • 太りやすくなる

  • 低血糖症を発症しやすくなる

  • 消化吸収能が低下する

  • PMS(月経前症候群)、生理不順など月経に問題が起こる

  • 非アルコール性脂肪肝になりやすくなる

  • 腸内環境が悪くなる、便秘、下痢になる

  • SIBOやリーキーガット症候群などになりやすくなる

極端なダイエット・糖質制限は行わず、きちんとバランスの良い食事とカロリーの摂取を心がけましょう

こちらの対策としても先ほどの「かくれ低血糖症」や「血糖値スパイク」と同じく、バランスの良い食事を心がけることが大切です。

 

繰り返しになりますが、野菜などのヘルシーな食事に偏らず、炭水化物や脂質、タンパク質などバランスよく食べるように心がけて下さい。

 

オススメの食事内容としては、和食や地中海料理などがオススメです。和食ではご飯に味噌汁、納豆に卵焼き、焼き鮭など複数種類の食べ物を食べるので、炭水化物に脂質、タンパク質をバランスよく摂る事が出来ます。また、地中海料理も、肉や魚などおかずの種類も多く、炭水化物や脂質、タンパク質をバランスよく摂る事が出来ます。

 
 

それから、糖質制限やダイエットを行っている方は朝食を食べない方も多く、もし朝食を抜いてしまうと低血糖症に陥りやすくなってしまいます。低血糖症を引き起こさないようにするためにも、朝食はしっかり食べるようにして下さい。

 

この時大切なのは、必要な量のカロリーはしっかり摂るようにすることです。カロリーは身体を動かすために必要なエネルギー源のことで、これが足りなくなると低血糖を引き起こしやすくなります。

 

特に極端なダイエットや糖質制限によって低血糖症を引き起こしている場合は、まず第一にバランスの良い食事と適正なカロリーの摂取を行う事が必要になります。その為には、ご自身に必要なカロリー摂取量を把握し、基礎代謝を下回らないように食事を摂取していきましょう。

 

必要なカロリー量の計算は、次のサイトで計算することが出来ます。

 

基礎代謝量・1日の必要エネルギー量計算式 基礎代謝量・1日の必要エネルギー量計算サイト

 

サイト上で、ご自身の体重と身長、年齢と性別を入力し、活動レベルを「低い」「普通」「高い」の中から選択して「計算」ボタンを押せば、一日に必要なエネルギー量と基礎代謝量が分かります。ここで計算したカロリー量を参考に、一日に必要なエネルギー量は必ず摂取するようにして下さい。

 

例えば、ある人の基礎代謝量が1320kcal/日、一日に必要なエネルギー量が2292kcal/日だとしましょう。

 

この基礎代謝量は、「体温など生命維持をするために絶対必要なカロリー」のことです。この基礎代謝を下回ると命の危険に晒されてしまいます。基礎代謝量以上のカロリーは生きる上で最低限必要なカロリーですので、絶対に下回らないよう注意してください。

 

一日の必要エネルギー量は、基礎代謝に加えて体を動かしたり、頭を使ったり、喋ったりするなど日常生活を送る上で必要なカロリーが足された物です。この一日の必要エネルギー量を十分に摂取する事で、筋肉が壊されてエネルギーとして使われてしまうことを防げます。

ですので、ご自身に必要な一日のエネルギー量を計算し、これを下回らないような食事をするようにしましょう。

 

逆に、この必要エネルギー量よりも多いカロリーを摂取してしまうと肥満に繋がります。多すぎても少なすぎても体には良くありませんので、適切なカロリー摂取量を心がけて下さいね。

 

 

 

 

 

 

この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓