食事はバランスが重要。甘い物の摂りすぎは避けるとともに、食事制限のしすぎには注意しましょう。

では、低血糖症に対して具体的にどのような食事を心がければ良いのでしょうか? 低血糖症の改善には前述した疾病の改善や貧血を始めとした栄養欠損の改善も必要ですが、その前に食事内容を改善しなければならない場合もあります。

 

例えば、糖質や炭水化物などを取り過ぎていて「血糖値スパイク」が引き起こされている場合や、逆に過剰な糖質制限や食べないダイエットによって「カロリー不足」になっている場合などです。これらも、低血糖症を引き起こす原因になります。

 

現代は飽食の時代と言われるように、食べたい物を食べたいときに、食べたいだけ食べる事ができるようになりました。このような中、特に甘い物やお菓子などの糖質や炭水化物だけを摂りすぎてしまうことは、血糖値の乱高下を招き、機能性低血糖症を引き起こしてしまう原因になります。

 

また、上述した糖質の摂りすぎが問題視されるようになった事から、「糖質制限」や「食べないダイエット」「ファスティング」を行う人が増えてきました。そこで新たに問題となってくるのが、カロリーや糖質の摂取不足による低血糖症です。

 

私達の身体は、食べた食べ物からエネルギーを得て体温を維持したり、身体を動かしています。この時に必要となるのが炭水化物や脂質などのカロリーです。このカロリーや糖質が足りないと、エネルギーとして使える糖が無くなってしまい、低血糖に陥ってしまう原因になります。

 

このような食事の内容によっても低血糖症に陥ってしまう原因になる事から、食事はバランス良く食べる事が重要です。

糖質の摂りすぎによる血糖値スパイク・かくれ低血糖症に注意

まず、低血糖症を引き起こす原因として挙げられるのが、最初にも解説した糖質や炭水化物の摂り過ぎです。

 

糖質とは砂糖などが大量に使われたお菓子やジュースのことで、炭水化物とはパンやうどん、パスタやお米などのデンプン質のことです。デンプン質は噛むことでブドウ糖に変わり、糖質になります。

 

このようなラーメンやパスタ、うどん、パン、お菓子、ジュースなど、精製された糖や糖質を大量に摂取してしまうと、血糖値が一気に上昇し、その後急降下する「血糖値スパイク」と呼ばれる状態が起こることがあります。

 

ジュースやお菓子には大量の砂糖が使われ、パンやポテト、ラーメンなどは炭水化物が多く含まれる。これらを摂りすぎると血糖値が急上昇し、その後急降下する血糖値スパイクが起こることがある

 

血糖値スパイクでは、普段の状態では正常の血糖値の範囲内に収まっていても、食事をすると血糖値が乱高下し、低血糖症に陥ってしまう事が最大の特徴です。

 

具体的には、お菓子やジュース、炭水化物を摂ることによって血糖値が上昇し始め、血糖値が160を超えるなど高血糖状態になります。

 

その後、身体は高くなった血中の糖を利用して血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンをすい臓から分泌します。この時、インスリンの効きが悪くなっていると、通常以上にインスリンが分泌されてしまい、それが逆に効き過ぎてしまうことで低血糖症に陥ってしまう事があるのです。

 

このような糖質の摂りすぎによって低血糖症が引き起こされていた場合は、第一に糖質の摂りすぎや食生活の見直しを行う事が大切です。

血糖値スパイク、かくれ低血糖症に必要な対策

では、血糖値スパイクやかくれ低血糖症には、どのような対策を行えば良いのでしょうか?

まず大前提として行いたいのは、「甘い物の撮りすぎや炭水化物の過剰摂取をしない」事です。お菓子やジュースなど、加工された甘い物には大量の砂糖が含まれています。また、ラーメンやうどん、パスタやパンなどは炭水化物と言われ、消化されると糖分に変わります。

 

これらを摂りすぎることによって血糖値が急激に上昇する原因となりますので、まずはこれらを摂りすぎないようにしましょう。また、バランスの良い食事を心がける、よく噛んで食べる、食べたら運動するなどの習慣を取り入れることも大切です。

 

これらを行う事によって、血糖値の急激な上昇を防ぎ、血糖値スパイクを防ぐことが出来ます。

 

血糖値スパイク・かくれ低血糖症対策に必要なこと

  • 甘い物、炭水化物の摂りすぎを控える

  • バランスの良い食生活を心がける

  • よく噛む

  • 食べたら動く運動する習慣を取り入れる

  • インスリンの働きを高める栄養補給をする

  • 必要に応じて回数頻回食を取り入れる

  • 口腔内のケアをする(歯周病など)

具体的には、お菓子やジュースなどの甘いものは極力避け、ラーメンやパン、パスタなどの炭水化物だけでお腹いっぱいにすることは避けるようにしましょう。そして、タンパク質や脂質、炭水化物を含めたバランスの良い食事を心がけるようにして下さい。

 

オススメの食事内容としては、和食や地中海料理などがオススメです。和食ではご飯に味噌汁、納豆に卵焼き、焼き鮭など複数種類の食べ物が食べられるので、炭水化物に脂質、タンパク質をバランスよく摂る事が出来ます。

 

また、地中海料理も、肉や魚などおかずの種類も多く、炭水化物や脂質、タンパク質をバランスよく摂る事が出来ます。

 

 
 

 

このような食事を参考に、ご飯やパンなど炭水化物ばかりに偏らず、スープやサラダなどの前菜、煮物や豆腐などの副菜、そして唐揚げや焼き肉などの主菜、メインの主食となるご飯などをバランス良く食べるように心がけましょう。

 

そしてこの時、必ずサラダやスープなどの前菜から食べるようにし、主食であるお米や麺などは最後に食べるようにするのがオススメです。こうすることで炭水化物の消化が緩やかになり、血糖値の急激な上昇を抑えることが出来ます。

 

また、食べる時はしっかりと「よく噛んで」食べるようにしましょう。よく噛むことによってインスリンが食事中から分泌され、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。

 

よく噛んで食べると言われてもなかなか難しいかと思いますが、よく噛むコツとしては、一口食べるごとに箸を置くことです。こうすることでワンクッション動作が加わり、早食いを防止できます。もし、あまり噛まずに飲み込んでしまったり、早食いをしてしまうと、その分だけ短時間に大量の食べ物を胃と腸に送り込むことになって血糖値が上昇しやすくなりますので注意して下さい。

 

それから、バランスの良い食事をよく噛んで食べたら、スグに歩くことも重要です。食べた糖質は、エネルギーとして使っていくことで消費できますので、体を動かせばその分だけ血糖値の急上昇を防ぐことが出来ます。

 

軽いウォーキングでも構いませんので、食べ終わったら30分から1時間くらいは歩くようにしましょう。間違っても、食べたすぐ後に横になったり寝たりしないようにして下さい。エネルギーとして使われなかった糖質はインスリンによって脂肪に貯えられてしまいます。脂肪が付くことによって余計に糖代謝が悪化する原因になりますので、食べた後はなるべく体を動かす事を心がけて下さい。

食事をこまめに摂る回数頻回食を実践する

状態によっては、バランスの良い食事を心がけても低血糖になってしまう場合があります。このような場合は、回数頻回食を実践してみましょう。

 

回数頻回食とは、1時間や2時間おきに少量の食事を何回も摂取する事です。また、朝昼晩の三食に加えて、間に間食を挟むという方法もあります。こうすることによって食事一回あたりの血糖値の急激な上昇を抑えることができ、血糖値を一定に保てるので低血糖も防ぐことが出来ます。

 

回数頻回食のコツとしては「吸収が比較的穏やかな糖質を組み合わせる」事と「なるべくこまめに食べる」ことです。こうすることで血糖値の乱高下を防ぎ、更に血糖値を下げないように安定させることが出来ます。

 

 

ここで言う吸収が比較的穏やかな糖質とは、お米や芋類などのデンプン質のことです。デンプンは噛むことによって徐々にブドウ糖に分解され、徐々に吸収されていきます。このため、精製された砂糖を補給するよりも、比較的穏やかに血糖値を上昇、維持させることが可能です。

 

また、いくらお米でも一気に食べると血糖値が急上昇しますので、何回にも分けて食べるようにしましょう。お団子くらいに小さく握ったおにぎりを1時間おきに食べるなど、細かく分けて食べれば、血糖値をなるべく一定以上に保つことが可能になります。

 

それから、お米などのデンプン質は油でコーティングすると急激な血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。具体的には、チャーハンやピラフなど、お米を油で炒めるものがこれにあたります。

 

これらも血糖値スパイクや低血糖の予防としてはそれなりに活用出来ますので、吸収の早い糖質と吸収の遅い糖質を組み合わせてなるべく回数頻回を行い、低血糖にならないよう工夫してみて下さい。

 

 

 

 

 

 


この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓