間違ったオーソモレキュラー療法の情報に注意! 間違った情報が多く発信されている事が、誤解される大きな原因

ここまで、なぜオーソモレキュラー療法は怪しいと思われてしまうのかについての考察でした。

 

オーソモレキュラー療法が怪しいと言われる主な部分としては、料金やサプリメントに関する部分と、効果が懐疑的とする部分が大半を占めています。この部分の疑いが多く出てしまう理由としては、オーソモレキュラー療法に対する認識自体が間違っている事や、オーソモレキュラー療法についてしっかり理解していない事が主な原因と考えられます。

 

では、なぜこのようなオーソモレキュラー療法に対する認識のズレや理解の不足が生まれてしまうのでしょうか? この原因として考えられるものに、「間違ったオーソモレキュラー療法や分子栄養学の情報が錯綜している」事と、「人に勧めらるまま何となく検査を受けた」場合など、そもそもオーソモレキュラー療法自体がどのような療法なのかをしっかり理解せずに受けてしまっている事が挙げられます。

 

例えば、SNS等では「サプリメントを摂るだけで病気が良くなる」「食事を変えるだけで不調が改善出来る」「オーソモレキュラー療法ならあらゆる不調に効果がある」「検査を受けなくてもサプリメントを摂るだけでいい」などの情報が出回っています。繰り返しになりますが、これは典型的な間違ったオーソモレキュラー療法の情報です。このような情報がSNSを始めとして多く拡散されてしまっているのです。

 

特に、すべての不調は自分で治せるとする「メガビタミン健康法」は、その手軽さから人気を博しており、実践した内容や独自の内容に工夫したものなど、発信される情報量も多くなっています。また、分子栄養学を講座やセミナーで学んだ方が「分子栄養学のカウンセラー」と称し、商売目的で情報発信する方も増えてきました。

 

このような中で問題となってくるのが、間違ったオーソモレキュラー療法の情報です。分子栄養学の情報の中には間違った情報や、分子栄養学をしっかり理解せずに情報発信されたもの、独自理論を組み合わせたものや、自身の経験のみで語られた客観性、エビデンスのない情報なども発信されています。酷いものでは、分子栄養学だとしつつ実際はただの栄養学になっているなど、全く分子栄養学でも何でも無いのに分子栄養学だと語られているものもあります。

例えば、次のような情報は間違ったオーソモレキュラー療法の例です。

 

間違ったオーソモレキュラー療法の情報に注意!

 

次に当てはまるものは間違ったオーソモレキュラー療法であり、実践することで病態や体調が悪化するなどむしろ命に関わる危険性があります。事実、当方にもこれら誤った情報を元に実践した方からの健康被害に関するご相談も増えてきました。

 

現代では個人がSNSで気軽に情報発信が出来る世の中になっています。このような時代だからこそ、間違ったオーソモレキュラーの情報にはくれぐれもご注意ください。

間違ったオーソモレキュラー療法の例

  • メガドーズ、メガビタミン健康法

  • 食事内容の改善や、特定の食材を摂取するだけで至適量の栄養が得られ、病気が改善するとしているもの

  • この不調にはこの栄養素」といったように、単に不調の症状だけで栄養アプローチを行うもの

  • 海外サプリメント、単に安価なサプリメントなど、安全性、有効性が確認されていないサプリメントでオーソモレキュラー療法の実践をおこなっているもの

  • 前駆体では無く、活性型の栄養素を用いているもの

  • ファスティングとオーソモレキュラー療法を組み合わせるなど、独自理論が組み合わされたもの

  • 薬は一切使わない、栄養療法だけで病気が治るなど極端なもの

  • 不必要な人まで過剰に糖質制限を推奨するもの

  • 病態や不調の根本原因を調べるための検査に誘導しないなど、栄養欠損となった原因をきちんと調べずに行っているもの

  • 医師免許を持たない者が、血液検査データを扱う、サプリメントを処方する、食事指導を行うなど、医療機関を通さずにオーソモレキュラー療法を行っているカウンセラー など

このような情報は、間違ったオーソモレキュラー療法の典型的な例です。少し詳しい方がこのような情報をみたら、「絶対に怪しい」と思うのは当然ですよね。僕自身も、もしオーソモレキュラー療法について知識を持っていなかったら、怪しいと感じてしまうかと思います。

 

特に、「食事を改善させるだけで不調が治せる」「サプリメントを飲むだけで不調が治せる」なんて情報は怪しさ満点です。普通に考えたら、こんな事絶対あり得ません。これを読んでいるあなたも、もしかしたらこのような情報を見て「オーソモレキュラー療法は怪しい」と感じてしまったのかと思います。

 

ですが、中にはこのような情報を見て「サプリメントを飲むだけで不調が改善出来るなら・・・」と、勘違いしてしまう方もいるのです。そのような方が、「不調を改善するためはどのサプリメントを飲めば良いのか知りたい」といった動機でオーソモレキュラー療法の検査を受けるケースが増えています。

 

また、インターネットやSNSだけに限らず、オフラインなど知り合いからオーソモレキュラー療法を勧められたというケースもあります。

 

このような場合は、あまりオーソモレキュラー療法について理解せずに受けてしまうことが殆どです。すると、いざ検査代やサプリメント代が高額になった時に、その金額の高さに驚き、懐疑心が芽生えてしまう事が多いのです。

 

つまり、オーソモレキュラー療法が怪しいと言われてしまう理由は、オーソモレキュラー療法に対する認識自体が間違っている事や、オーソモレキュラー療法についてしっかり理解していない事が主な原因と考えられます。もし、オーソモレキュラー療法を受ける前に、正しいオーソモレキュラーの知識を付けていれば、怪しいと感じることも少なくなるかと思います。

 

ですので、オーソモレキュラー療法を検討している方は、まずオーソモレキュラー療法について学ぶことから始めて下さい。正しいオーソモレキュラー療法を行うためにも、一人一人が分子栄養学を学ぶことが大切です。

オーソモレキュラー療法の本来の目的は、オプティマムヘルスを目指すことにある

私達は、病気になったり調子が悪くなったりすると、当然ながら気分が落ち込んだり、活動量が低下したりしてしまいますよね。逆に、体調が良い状態が続いていれば、気分も明るく活動的に過ごすことが出来ます。

 

ただ、中には体調不良の状態に慣れてしまって、不調であることの自覚がないまま、自分は健康だと思い込んでしまっている方もいます。また、分子栄養学で病気が治ったり、自分の中では健康だ、調子が良いと思っていたりしたとしても、分子栄養学的に見たら分子レベルではまだまだ改善の余地が残っている場合も多いです。

 

このような場合、ご自身では今が最高の状態だと思っていても、分子レベルで見たらパフォーマンスが低下している可能性があります。細胞それぞれの働きが低下している場合、あなたが本来が持っている能力をすべて発揮出来ているとは言えません。

 

例えば、自分の中では「よく眠れている」と思っていても、分子レベルで見たらまだまだ質の良い睡眠に改善出来る余地が残っている可能性があります。

 

また、ちょっとしたことでイライラしやすい、不安になりやすい、気分が落ち込むなどの精神的な症状や、疲れやすいといったことも、実は分子レベルで見たら改善出来る余地が残っているかもしれません。

 

あなたが「自分の性格だ」と思っていることや、「これが普通だ」と思っていることでも、実は栄養がまだまだ不足していることによって引き起こされている可能性があるのです。

 

このような不調や活動量の低下は、日々あなたの人生に影響を与え続けます。特にイライラしたり気分が落ち込むなどの精神的不調は、気がつかない間に人間関係や仕事などに影響を与えます。

 

もし、このような精神的な不調が無くなり、今よりも活動的になれたとしたらあなた自身でも気がついていないような能力やパフォーマンスがすべて発揮され、今よりももっと人生が変わると思いませんか?

 

この分子レベルで細胞を整え、あなた本来の能力をすべて引き出し、心身共に最高の状態を目指すことが、オーソモレキュラー療法の最大の目的であり、オプティマムヘルス(最適な健康)と呼ばれる状態です。

 

オプティマムヘルスとは、どのような環境下や激しいストレス下においても、常に最適な健康状態が維持できている状態の事です。人生では、その時々に応じて環境も変化しますし、良いこともあれば悪い事もあります。そのたびに体調が変化したり寝込んだりしていては、オプティマムヘルスの状態とは言えません。どのような状況下においても、最適な健康状態を維持できていることが理想です。

 

このオプティマムヘルスの状態を目指すためには、自ら分子栄養学を学び、自分の健康状態は自分で管理できることが必要です。

 

例えば、栄養の必要量は、運動や食事内容、体調によって日々変化します。オプティマムヘルスの状態を維持するためには、これらも考慮して、自らが日々オーソモレキュラー療法を実践し続ける必要があります。

 

日常的な活動で言えば、

  • 今日はお酒を飲むからアルコール代謝に必要なナイアシンを多く摂っておこう

  • 今日はストレスが多くかかったから、カルシウム・マグネシウムを多く摂っておこう

  • 今日はいつもより運動量が多かったから、プロテインを多く摂ろう

  • 風邪を引いたみたいだから、ビタミンCを多めに摂ろう

  • 血液検査の結果でフェリチンが下がってきたから、ヘム鉄を多めに摂ろう

といった感じです。

 

このようにオーソモレキュラー療法では、単に病気の治療や予防という枠を超え、細胞レベルで常に最適な健康状態を得られるよう、その時々の状態に応じて最適な栄養補給を行っていく事が理想です。

 

そのためには、やはり自分自身の健康状態は自分で管理するという意識に加え、分子栄養学に関する知識も欠かせません。自分自身の状態は自分が1番理解していますので、自分に必要な栄養素は自分自身で判断出来ようになる事が重要です。

 

つまり、分子栄養学やオーソモレキュラー療法とは、自らの身体を自ら管理できるようになる学問でもあります。ここで解説した分子栄養学に関する事は、まだまだ基本中の基本で、学ばなければならないことは沢山あります。

 

もし、ここまで読んで分子栄養学に興味が湧いた方は、是非もっと深く分子栄養学を学んでみて下さい。オーソモレキュラー療法は、単にサプリメントを飲んで病気を治す療法では決してありません。病気になってから慌ててサプリメントを摂るのでは無く、病気になる前から予防、健康管理を行っていく事が大切です。

 

そして、病気の予防、健康管理は一生続きます。病気が治ったからといって、その後にオーソモレキュラー療法の実践が必要なくなるわけではありません。分子栄養学は、学び続けること、実践し続けることが一番大切です。是非、分子栄養学を学び、自分の健康は自分で守れるようになりましょう。

オーソモレキュラー療法って何だか怪しくない? 怪しいと言われている理由を、実際にオーソモレキュラー療法に携わる人が考察してみたまとめ

以上が、オーソモレキュラー療法について、怪しいと言われる理由や原因についての考察、解説でした。

 

筆者は、オーソモレキュラー療法に関わるものとして、今までオーソモレキュラー療法が怪しい、分子栄養学は怪しいと言われたことは枚挙にいとまがありません。

 

こちらにご相談頂く方も、始めは半信半疑や疑いながらオーソモレキュラー療法を受ける方が殆どです。ですが、分子栄養学を学び、検査を受ける意味や質の高いサプリメントを選ぶ意義を理解された方は、口を揃えて「オーソモレキュラー療法を受けて良かった!」と仰ってくれます。

 

この記事でも解説しているように、オーソモレキュラー療法の検査代が高い事やサプリメントの値段が高いことには正当な理由があります。このあたりをしっかり学ばないと、オーソモレキュラー療法に対する懐疑心は拭えません。また、オーソモレキュラー療法はサプリメントで病気を治す療法という認識も間違いです。このあたりの間違った情報が溢れていることから、オーソモレキュラー療法は怪しいと思われてしまう原因かと思います。

 

オーソモレキュラー療法は決して怪しい療法では無く、正しく理解し、正しく実践できれば、とても素晴らしい療法です。そのためには、正しいオーソモレキュラー療法についての情報発信を行っていく事が何よりも重要だと考えています。この記事を書いた理由も、「正しいオーソモレキュラー療法を広めたい」という気持ちが大きかったからです。

 

オーソモレキュラー療法は奥が深く、一生学んでも学びきれないほど奥が深い学問です。この記事で解説したことはごくごく僅かですので、もしオーソモレキュラー療法に興味を持たれた方は、是非分子栄養学を学んでみて下さい。

 

 

 

 

 

※この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓