オーソモレキュラー療法が怪しいと言われる理由③

わざわざ専用の高額な検査を受けさせられるって本当?

続いて、オーソモレキュラー療法では高額な検査を受けさせられるのは本当かどうかについてです。

 

これも結論を先に言いますが、半分正解で半分間違っています。というのも、オーソモレキュラー療法では、提供しているクリニックによって、検査の項目や方針、料金が大きく異なるためです。

 

基本的に、オーソモレキュラー療法では栄養状態や健康状態を客観的に知るために専用の血液検査などを行います。この検査は健康保険が適用されないため、保険適用の検査と比べるとどうしても高額です。また、必要な検査は人によって違うことから、状態によっては検査費用が高額になってしまう人もいます。

 

例えば、当方が推奨するオーソモレキュラー療法の血液検査(基本スクリーニング検査)では、血液、唾液、尿を含めた全60項目以上もの項目を検査することで、全身の状態や栄養状態を把握することが出来るようになっています。

 

更に、オプション検査として糖尿病や骨粗しょう症、SIBOやリーキーガット症候群、DHEAs、酸化LDL検査など様々なオプションを加えることで、更に詳細に身体の状態や栄養状態を把握することが可能です。

 

これらの結果は、分子栄養学に精通した専門医が一人一人のデータを解析し、レポートにまとめられます。メディカルレポートでは、血液検査結果についての解説を主に行い、栄養レポートでは個別に最適な栄養アプローチのアドバイスが記されています。

 

これらを参考に、分子栄養学実践専用サプリメントでオーソモレキュラー療法を実践していくのが当方が推奨するオーソモレキュラー療法です。

 

このオーソモレキュラー療法の検査では健康保険が適用されず、すべて自己負担となる自費診療です。加えて、抱えている病態が多ければ必要な検査の数も増えてしまいます。

 

このため、人によっては検査代が2万円〜5万円、受けるクリニックによっては10万円や20万円以上するケースも見られます。このことから、「オーソモレキュラー療法は検査代で儲ける商法なのでは?」と思われてしまうことも少なくありません。

 

ただ、前回も触れましたが、そもそもオーソモレキュラー療法を受ける方は、現在何らかの不調や病気を抱えている方が殆どです。病院の治療を受けても体調が良くならなかった方、原因不明の体調不良が続いている方、ガンと診断されて治療法を模索していた方等、状態に差はありますが、ほぼ何らかの不調や悩みを抱えている方々になります。

 

そうなると、必要な検査の項目が増えてしまうのは当然のことです。当てずっぽうで行う事は出来ませんので、必要な検査は適切に行い、きちんと状態を把握してからオーソモレキュラー療法を行うのが当然の流れになります。

 

ということは、検査代が高額な方というのは、それほど状態が悪い方や病態を抱えている方ということになります。状態や病態が悪い方ほど検査代や治療代が高額になるのは、オーソモレキュラー療法に限った話しではありません。

 

つまり、オーソモレキュラー療法の検査が高額になってしまうのは、その方に必要だからその検査を推奨しているだけであって、決して不必要な検査を行って儲けようとするビジネスではないのです。

 

また、検査代が高額になってしまう理由についても、専門性の高い検査や特殊な検査では、安く提供すること自体が難しいものもあります。オーソモレキュラー療法の検査は健康保険適用外であることから、結果的に検査代が高くなってしまっているのが現状です。

 

では、なぜオーソモレキュラー療法の検査は健康保険が適用できないのでしょうか? 血液検査なんてかかりつけの病院で安く受けることが出来ますし、人間ドックなどの健康診断でも受ける事が出来ますよね。これらの保険診療で受けられる検査や健康診断の血液検査を使えば、もっと安くオーソモレキュラー療法が出来そうな気がします。

 

しかし、健康保険や健康診断で行う血液検査でオーソモレキュラー療法を行う事は出来ません。オーソモレキュラー療法で受ける血液検査は、病気の時に受ける血液検査や、健康診断などで受ける血液検査とは全く異なるものです。

 

例えば、病気の時など健康保険を使って行われる血液検査は、病気である場合や病気の疑いがある事が前提に行われる検査です。こちらは、主に病気に関連する項目のみで、病気を診断したり経過を観察したりする目的で行われています。

 

もう一つの人間ドックなどで受ける検査は、病気が隠れていないかを判断するためのものです。こちらは保険で行われている検査と比べて項目数は多いですが、栄養状態を把握するためには使われていません。

 

対してオーソモレキュラー療法の血液検査では、体内での栄養状態や、体内で栄養がどのように働いてるかを調べるためのものです。血液には、食事から取り込んだ栄養素や、それを代謝して体内で産生した様々な物質が溶けています。この血液中の成分を詳しく調べることにより、身体の栄養状態や健康状態を正確に把握することが可能です。

 

このように、健康保険や健康診断で受ける検査は安く受けられる分、必要最低限の項目しか受けられません。それに、オーソモレキュラー療法の血液検査と健康保険や健康診断で受ける検査では、目的と用途が異なるために健康保険は適用できないのです。

 

加えて、SIBO検査やリーキーガット症候群検査など、そもそも健康保険が適用されない検査も多くあります。このような検査では、そういうものとして納得していただくしかありません。

 

ただ、オーソモレキュラー療法と一言で言っても、提供している組織やシステムは様々です。どこで受けても同じように見えるかも知れませんが、やり方も異なれば検査料金も異なります。安く提供してくれる所もあれば、高めに料金が設定されているクリニックもあります。

 

例えば、オーソモレキュラー療法を提供しているクリニックの中には、オーソモレキュラー療法の基本検査だけで25,000円以上、これに遅延型アレルギー検査や有害重金属を調べるための毛髪検査、食事指導などを受けるための相談料などがセットになっている事もあり、検査料金は10万円〜20万円以上する場合があります。

 

対して、当方が推奨するオーソモレキュラー療法の場合、よほど病態を抱えていない限り初回検査で2万円を超えることは殆どありません。2回目以降の検査では基本検査のみを受ける方が多く、その場合は基本検査の料金のみです。これを高いと見るか安いとみるかは人によるかと思います。

 

これに加え、状態や病態によってはこの他にもオプション検査として糖尿病の検査、甲状腺の検査、関節リウマチの検査、腸内短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査、SIBO(小腸内細菌増殖症)検査DHEAs検査など、必要に応じて追加することがあります。

 

SIBOやリーキーガット症候群など、一部の検査料金はクリニックによって2万円〜5万円以上と大きな開きがあり、同じように見える検査でもクリニックによって検査料金やシステムが大きく異なります。このあたりについては、よく調べてから受けて頂くのがオススメです。

 

もし、このような検査料金が高めに設定されたクリニックでオーソモレキュラー療法を受けてしまった場合、人によっては「オーソモレキュラー療法の検査は高すぎる」と感じてしまうかもしれません。このようなクリニックのやり方や料金が大きく異なることや、内容が複雑な点も、オーソモレキュラー療法が怪しいと思われてしまう理由になっています。

 

 

 

 

※この記事は、下記記事から一部を抜粋・改編したものです。記事全文は下記記事をご覧下さい。元記事はこちら↓