分子栄養学を実践する際、ベースサプリメントとして殆どの方がビタミンEを取り入れています。

 

このビタミンEのサプリメントを選ぶ際、どのような基準で選んでいますか?

 

含有量でしょうか? それとも、合成されていない天然型でしょうか?

 

ビタミンEを選ぶときはなんとなく天然型を選んだ方が良いという話は聞いたことがありますよね。また、含有量が少ない物よりかは、多い物の方が良いに決まっています。

 

ですが、ビタミンEのサプリメントに関しては、一概に「天然型だから良い物」「含有量が多いから良い物」とは限りません。

 

なぜなら、いくら天然型で含有量が多い物だったとしても、

 

それが消化管できちんと吸収され、体内で効率よく利用されるとは限らない

 

からです。

 

ビタミンEのサプリメントは、同じように見えても中身が全く異なります。例えボトルに「E400」と書かれていても、その成分内容にはピンからキリまであります。

 

分子栄養学を実践する際は、サプリメントの善し悪しを自分で判断出来るようになる事が大切です。

 

今回はより実践的な内容として、ビタミンEサプリの選び方を解説していきます。

 

 

まず、分子栄養学を実践する際のビタミンEサプリメントの選び方のポイントは、次の4つです。

 

ビタミンEサプリメントを選ぶポイント

  1. 天然型のトコフェロールが配合されているものを選ぶ
  2. エステル化されていないものを選ぶ
  3. トコフェロール・トコトリエノールの各4種の同族体(α・β・γ・δ)が複数配合されているものを選ぶ
  4. ビタミンEが酸化しないよう酸化防止剤が配合されているものを選ぶ
 
これらポイントを踏まえて、ビタミンEサプリメントを選んでみて下さい。
 

天然型のトコフェロールが配合されているものを選ぶ

まず一つ目のポイントは、「天然型のトコフェロールが配合されているものを選ぶ」です。
ご存じの方も多いと思いますが、ビタミンEのα-トコフェロールには「天然型」と「合成型」の2種類があります。
 
天然型は、食品などに含まれる自然な形のもの、合成型は人工的に合成されたものです。天然型は「d-α-トコフェロール」と表記され、合成型は「dl-α-トコフェロール」と表記されます。
 
サプリメントでの見分け方は、パッケージや成分表示を見て「d-α-トコフェロール」と書かれていたら天然型です。
 
対して「dl-α-トコフェロール」と書かれていたら合成型になります。
 
この天然型と合成型の違いは、含まれる成分の違いと生体内利用率の違いです。
 

合成されたdl-α-トコフェロールには、合成の過程からd体とl体という2種類の分子構造のものが含まれています。d体とl体は鏡写しの構造になっていて、このうち体内で利用出来るのはd体のみです。

 

この理由は、食品などに含まれる天然のビタミンEは、d-α-トコフェロール(RRR体)のみが作られて利用されているためです。

 

このdl-α-トコフェロールに含まれるdl体をd体とl体に分離するには、かなりのコストがかかります。そのため、一般的にd体とl体に分離する作業は行われていません。

 

仮に、dl-α-トコフェロールにd体とl体が半分ずつ含まれていた場合、使えないl体は捨てられてしまうことになります。

 

このことから、同じ量で比較した場合、合成dl-α-トコフェロールは天然型と比べて効力が半分ほどしかありません。(d-α-トコフェロール1mg(天然ビタミンE)= dl-α-トコフェロール2mg(合成ビタミンE))

 

分子栄養学の実践でビタミンEサプリメントを選ぶ際は、「d-α-トコフェロール」と書かれたものを選ぶことがポイントです。

 

エステル化されていないものを選ぶ

上述したd-α-トコフェロールdl-α-トコフェロールの中には、酢酸などと反応させて「エステル化」されたものもあります。このようなエステル化されたものは、天然型と比べて吸収や利用効率に劣ります。

 
そのため、エステル化されていないものを選ぶのがポイントです。
 
 
具体的には、天然型の「d-α-トコフェロール」には、「ヒドロキシ基」と呼ばれる抗酸化作用を発揮する部分があります。(上図の赤丸で囲ったHOの部分)
 
このヒドロキシ基にあるH(水素)とO(酸素)のうち、H(水素)が外れて違う物質に渡すことで、抗酸化に働きます。(この場合、ビタミンEが酸化されてビタミンEラジカルになります。ビタミンEラジカルは、ビタミンEとしての働きを失ってしまった状態です)
 
エステル化された「d-α-トコフェロール」dl-α-トコフェロールでは、この「ヒドロキシ基」が酸化されてしまうことを防ぐため、「酢酸」などと反応させて安定化させる加工が行われています。(エステル化)
 
エステル化されたα-トコフェロール

エステル化すると抗酸化を発揮する「ヒドロキシ基」が「COOH」という「カルボキシ基」に変わるため、酸化に対する安定性は非常に高くなります。

 

しかし、このような加工が行われていると、「H(水素)」が外れにくくなってしまい、抗酸化力は望めません。

 

そのため、食品への酸化防止剤としての使用はなく、主に栄養強化(ビタミンE源)の目的で使用されています。

 

そして、エステル化されると吸収にも違いが現れます。天然型の「d-α-トコフェロール」は、消化管でそのまま吸収されますが、エステル化されたd-α-トコフェロールやdl-α-トコフェロールは、消化管の膵リパーゼの働きによって加水分解されてからa-トコフェロールとして吸収されます。この過程を経るため、エステル化されたビタミンEは天然型と比べて吸収や利用効率に劣ります。

 
そのため、ビタミンEサプリメントを選ぶ際はエステル化されていないものを選ぶようにしましょう。
 
サプリメントの見分け方としては、パッケージや成分表示に
 
  • α-トコフェロールアセテート(d-α- Tocopheryl Acetate)
  • 酢酸d-αトコフェロール
  • d-αトコフェロール酢酸エステル
  • dl-α-トコフェロールアセテート(dl-α Tocopheryl Acetate)
  • 酢酸dl-αトコフェロール
  • dl-αトコフェロール酢酸エステル
 
と書かれていた場合はエステル化されています。
 
このような記載が無い「d-α-トコフェロール」を選ぶのがポイントです。
 

トコフェロール・トコトリエノールの各4種の同族体(α・β・γ・δ)が複数配合されているものを選ぶ

一般的なビタミンEサプリメントは、d-α-トコフェロールのみが含まれているものが大半です。

 

これは、d-α-トコフェロールが8種類のビタミンE同族体の中で最も活性が高く、生体内存在量が多いためです。

 

しかし、体内で多く使われているからと言って、d-α-トコフェロールだけを摂れば良いというわけではありません。

 

食品など自然界に存在するビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールの各4種の同族体(α・β・γ・δ)が複数含まれています。

 

これらはお互いに補い合って働いており、各同族体を複数摂取することで体内のビタミンE濃度や働きが維持されています。

 

 
そのため、分子栄養学の実践に使用するビタミンEサプリメントを選ぶ際は、トコフェロール・トコトリエノールの各4種の同族体(α・β・γ・δ)が複数配合されているものを選びましょう。
 
複数の同族体が含まれているものは、より食品から摂取するビタミンEに近くなり、ビタミンE本体の働きをする事が出来るようになります。
 
d-α-トコフェロールのみしか含まれていないサプリメントでは、自然界に存在するビタミンE本来の働きは期待出来ません。
 
ビタミンEが体内で高濃度に維持され、本来の働きが出来るよう、複数の同族体が含まれているものを選ぶのがオススメです。
 

ビタミンEが酸化しないよう酸化防止剤が配合されているものを選ぶ

ビタミンEは、強力な抗酸化作用がある栄養素です。その反面、空気や光に弱く、特に紫外線によって酸化、分解されやすい性質を持っています。
 
そのため、ビタミンEが本来の働きを保ったままサプリメントとして摂取するためには、ビタミンEが酸化・分解されないよう工夫する必要があります。
 
通常では、ビタミンEを酸化から守るために上述した「エステル化」が行われています。しかしエステル化せずともビタミンEの酸化や劣化から守る方法があります。それが、「酸化防止剤」の使用です。
 
酸化防止剤というと薬剤のように聞こえますが、ビタミンCやビタミンEなど酸化を防止する働きがある栄養素なども酸化防止剤になります。
 
エステル化せずに抗酸化剤によって酸化を防ぐ工夫がされたサプリメントを利用すると、より吸収されやすくなるメリットがあります。
 
そのため、ビタミンEサプリメントを選ぶ際は、ビタミンEが酸化しないよう酸化防止剤が配合されているものを選ぶのがポイントです。
 
パッケージや成分表示などに、ビタミンEを守る成分がきちんと配合されているか、チェックしてみて下さい。
 
 
 
以上が、分子栄養学実践時に使用するビタミンEサプリメントの選び方とポイントでした。
 
今回はポイントだけなので、細かい部分についてはまだまだ解説しきれていない部分も多くあります。
 
ですが、これを知っておくだけでもビタミンEサプリメントの選び方はなんとなく分かってくるかなと思います。
 
ビタミンEサプリメントを選ぶ際は、上述したポイントを抑えながら選んでみて下さい。
 
 
 

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