毎年10月1日は「ピンクリボンデー」

 

ピンクリボンとは、乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進することなどを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーンです。

 

そこで、今回は乳がんの現状を公益財団法人 がん研究振興財団発行の「がんの統計2021」などを使ってお伝えいたします。

 

 
がんの統計2021より

 

日本人女性の乳がん罹患数は2020年予測で92,300人となっており、がんの中で最も多くなっています。
予測がん罹患数429,900人の内、21%が乳がんです。(下図参照)


公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2021」より


 

1980年、今から34年前からの女性の乳がんの罹患数の動きは下記の通り

1980年    14,447人
1990年    24,697人
2000年    37,389人
2010年    68,071人
2017年    91,605人
2020年予測  92,300人

この増加数の勢いはびっくりですよね。

今や、女性9人に1人が乳がんになる時代なのです。

 

 

しかし、死亡予測をみてみると、4位が乳房となっています。

 


公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2021」より


 

 

年齢別でみてみると、乳がんに罹患する年齢は、中高年、特に40歳代後半~60歳代後半がピーク。

死亡数をみてみると、35歳以上の死亡率が増加しており、特に50歳以降の増加が目立っています。

 

35歳~50歳といえば、働きざかりでもあり、子育て世代でもあります。
自分だけではなく、誰かのためにも、命をつないでいかないといけない世代ですよね。

 

乳がんの罹患率は高い、しかし死亡率とは連動していないことは、上記のグラフから一目瞭然。

乳がんは早期には発見すれば治るがんです。だからこそ、仕事や子育てで忙しくも、まずは乳がん検診。

 

早期発見こそが、乳がん治療の要です。

 

 
乳がんのリスク要因と飲酒

 

では、次に乳がんが予防できるのかを考えていきましょう。

 

乳がんの乳がんのリスク要因は、まだはっきりとしたことは分かっていないそうですが、医療関係者によると考えられる要因は次のとおりだそうです。

 

●  初経年齢が早い
● 閉経年齢が遅い
● 出産歴がない
● 初産年齢が遅い
● 授乳歴がない
● 閉経後の肥満
● 一親等の乳がんの家族歴
● 良性乳腺疾患の既往歴
● 飲酒習慣

 

上記のリスク要因は、自分でコントロールできることと、できないことがありますよね。というか、コントロールできないことの方が多い!?

 

しかし、その中でも唯一コントロールできるのが「飲酒習慣」ではないでしょうか?

 

これまで、欧米を中心とした研究から、飲酒は乳がんリスクを上昇させることが確実とされていましたが、日本人女性は欧米女性と比較すると飲酒少なく、飲酒にまつわる背景が違うので、これまで日本人を対象とした大規模な研究は行われていない状況でした。

 

しかし、愛知県がんセンターがん予防研究分野と国立がん研究センターの研究グループは、これまでデータがなかった日本人女性の飲酒習慣と乳がんリスクの関係を明らかにすることを目的に、全国の30~60代の健康な女性約16万人を対象に平均14年間追跡した8つの大規模調査(コホート研究)のデータを分析し、本年2月に発表いたしました。

 

その結果、約2200人が乳がんになっており、乳がんになったグループの飲酒率は79%、喫煙率は61%といずれも高い状況でした。

 

研究グループは飲酒習慣との関係をさらに詳しく調べたところ、飲酒の頻度については「飲まない」「機会があれば(週1日以下)」「時々(週1日以上4日以下)」「ほとんど毎日(週5日以上)」の4つに、また1日の飲酒量については、酒に含まれるエタノールに換算して「0グラム」「0~11.5グラム」「11.5~23グラム」「23グラム以上」の4つを、それぞれグループに分類して比較検討しました。

(エタノール23グラムは日本酒で約1合、ビール約500ミリリットル相当とされます。)

 

 

調査の結果、閉経前の女性では、23グラム以上のグループは0グラムと比べて乳がんになるリスクが1.74倍になっていました。

飲酒の頻度では週5日以上飲む人は、飲酒習慣のない人より1.37倍リスクが高い結果。

 

閉経前の女性は、飲酒の頻度、量ともに増えるほど乳がんになるリスクが高くなる傾向がみられた。

 

 

一方、閉経後の女性については飲酒の頻度、量ともに乳がんリスクとの有意な関連は示されなかったそうです。

 

 

 

 

昨日、政府は19都道府県の緊急事態宣言と8県のまん延防止等重点措置について、30日の期限をもってすべて解除する方針を対策本部で正式に決定しました。

 

東京ではおよそ2か月半ぶり、沖縄ではおよそ4か月ぶりに宣言が解除されることになり、宣言と重点措置がどの地域にも出されていない状況は、ことし4月4日以来、およそ半年ぶりになるそうです。

 

ということは、10月1日から、飲食店での酒類提供を全国で解禁されるということです。

久しぶりに友人と飲み会を計画している方も多いでしょう。

 

 

新型コロナもまだまだ油断大敵!! 用心にこしたことはありませんし、女性の方は10月1日はピンクリボンデーということを思い出して、乳がん予防の観点からも飲みすぎにご注意くださいね。

 



 

㈱ニュートラジェン

石井