実は100種類以上もあるといわれるホルモン。
私たちの健康や美容に大きく影響しています。
今回は、ホルモンのことを詳しく見ていきましょう。

ホルモンとは
ホルモンはからだのさまざまなはたらきを調節する化学物質です。からだの外側・内側で環境(かんきょう)の変化が起きても、からだのはたらきを常に同じになるように保つはたらきをしています。

 

ホルモンが作られる場所
ホルモンはからだの中の内分泌腺(ないぶんぴつせん)というところで作られています。

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内分泌腺には、脳下垂体(のうかすいたい)、甲状腺(こうじょうせん)、副甲状腺、副じん、すい臓、生殖腺(せいしょくせん)などがあり、それぞれにちがったはたらきのホルモンが作られています。ホルモンは血液によって全身に送られ、内臓の機能やからだの調子を整えるような、さまざまなはたらきをしています。

このほかにも、じん臓では血圧を調整するホルモンや、骨髄(こつずい)では赤血球を作るように刺激(しげき)をあたえるホルモン、脂肪(しぼう)組織では体脂肪(たいしぼう)を一定に保つためのホルモンなど、からだの各器官でさまざまなホルモンが作られています。

どのホルモンもほんの少しの量で効果を発揮します。ホルモンが必要な時期に必要な量を作られることにより、からだのバランスは保たれています。多すぎたり少なすぎたりすると、さまざまな病気を引き起こします。

 

ホルモンの分泌が少なくなると?

肩こり、汗をかきやすい、どうきが激しい、頭痛、ほてり、のぼせ、不安になる、イライラする、憂鬱になるなど、卵巣から出る女性幌門の分泌が少なくなったときに、更年期障害として不調が出てきます。
更年期障害は、精神的なストレスの影響も原因のひとつと考えられています。

 

ホルモンの分泌が多くなると?
☆「バセドウ病」・・・・甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されておこる病気で、女性では100人に1人位みられます。症状としては、疲れやすい、体重の減少、生理不順、汗をよくかく、体温が高め、小指がふるえる、下痢をしやすい、脈拍増加など。

☆「糖尿病」・・・・膵臓から出るインスリンというホルモンの働きが足りないために起こる病気です。血糖値が異常に高くなり、糖が尿の中に排泄されます。

 

キープしたい5つの若返りホルモン
★成長ホルモン : 主に睡眠中に出るホルモンで、傷ついた細胞を修復し若々しい肌を作ります。疲労回復によって体を若返らせてくれるホルモン。

★エストロゲン(女性ホルモン) : コラーゲンの生成を促し、肌や髪の新陳代謝を促進する「美のホルモン」。主に卵巣で作られ、女性を妊娠できる状態にしてくれます。

★テストステロン(男性ホルモン) : 筋肉を増やしたり、やる気をアップしてくれる元気ホルモン。女性でも男性の10分の1から、多い人では3分の1の分泌量があります。

★メラトニン : 体内時計に従って、夜が来たことを体に知らせてくれます。深い眠りを維持して成長ホルモンを分泌したり、体を老化させる「活性酸素」を消す作用もあります。

★DHEA : 長生きの人に分泌が多いという若返りホルモン。内臓脂肪を減らしたり、血管機能を改善する効果があります。

 

分泌量で大きな違いが「エストロゲン」
女性の体に大きな影響を及ぼすエストロゲン。その分泌量は年齢によって大きく変化します。

●エストロゲンの主な働き

① 月経や妊娠のコントロール
② 女性特有の丸みをおびた体のラインをキープ
③ 肌や髪を美しく
④ 骨を丈夫にする
⑤ 自律神経を安定させる
⑥ 記憶力を保つ
⑦ 食欲を抑制する

●エストロゲン

不妊ケアのためにもバランスを崩さないようにすることが大切なエストロゲンの分泌量は30歳前にピークに達します。
さらに40歳代に入ると著しく低下し、やがて閉経を迎えます。
しかし、エストロゲンは別のルートから産生され続けます。
一般に、乳がんの最初の発生は40歳代に多いとされています。
「エストロゲンが急速に低下していく」年代ですが、分泌量が減る一方のエストロゲンを少しでも多く受け止めるために、乳管上皮細胞ではエストロゲン受容体(ER)が増えてきます。
この受容体と結びついたエストロゲンは細胞分化や細胞増殖を促す働きがあるため、乳がんの発症につながると考えられています。
一方で、体格の向上や食生活の高脂肪化により、日本女性の体内ではより多くのエストロゲンが分泌されるようになっています。
こうした状況で乳腺は、何らかの発がん刺激によって傷ついた細胞が、エストロゲンの影響を受けて増殖し、がん化しやすい状況だといえるのです。
加齢とともに乳腺は萎縮しますが、ERが発現した乳管上皮細胞は残っているため、いくつになっても乳がん発生の可能性があるといえるでしょう。

しかしながら、45歳~55歳ぐらいまでは、エストロゲンの減少による、俗に言う更年期障害のような様々な不調が出てくる時期でもあり、また55歳以上は、骨がもろくなったり、薄毛や白髪が気になるようになります。

ですからホルモン療法などで人工的にエストロゲンを補うのではなく、できれば自然な状態で増やす工夫をしてみましょう。
若返りホルモンをぐんぐん増やすコツ
やはり基本は「食事・運動・睡眠」という、規則正しい生活習慣です。

① 食事のコツ
●植物性エストロゲンが多く含まれる、大豆、ザクロ、山芋などの食品を積極的に摂る。
●朝の暑い飲み物がホルモンの目覚めを助ける。
●野菜は緑黄色野菜を中心に摂る。

② 運動のコツ
●足腰を使う運動をする。スクワットがオススメ。
●腸をマッサージすることでホルモンのつまりを解消する。
●就寝前のリラックスした状態でのツボ刺激も効果的。
「壇中(だんちゅう)」
両方の乳首を結んだ線の真ん中から指1本ほど下にいくと、少しくぼむところがありと思います。そこが壇中(だんちゅう)というツボになります。
両手の人差し指から薬指を上下に重ねて、少しつず息を吐き3~5秒ほどそっと押してあげます。これを4~5回繰り返すと良いでしょう。ただ、デリケートな箇所なので、1セットあたり60秒くらいでとどめるようにしましょう。

「渕腋(えんえき)」
両方の乳首を結んだ線を体の外側に伸ばして、ちょうど脇の下と交差するところが渕腋というツボになります。押し方は、両方の親指で、左右同時にやや強く押してあげましょう。1回の刺激は3秒くらい。これを4~5回繰り返してみてください。

「三陰交(さんいんこう)」
冷え性・生理痛のツボで有名です。うちくるぶしの頂点から指4本分上のところです。手の親指で指圧してください。痛気持ちいいぐらいを目安いに3分ぐらい指圧してみましょう。

「合谷(ごうこく」
人差し指の骨と、親指の骨を手首の方向に向かって指でなぞってみてください。この2つの骨が合流した地点からやや人差し指よりに上がったところに、合谷というツボがあります。合谷のツボを押すには、もう一方の手の親指を使います。最初に書いた合谷の位置に親指を持っていきますが、ただ単にくぼみを押しても効果はあまりありません。大切なのはくぼみをつくる骨の下にある神経を刺激することです。そのため、親指を人差し指側の骨の下にもぐりこませるようにして指圧します。

③ 睡眠のコツ
●小さな明かりでお風呂に入る。
●寝室は寝るだけの場所にする。
●夜中に目がさめても時計を見ない。
●起床後は朝日を浴びるようにする。

④ ストレス緩和のコツ
●趣味を楽しむ時間をつくる。
●アロマや音楽などで心を落ち着かせる。
●前向きな考え方をもつ。
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