私にはこの季節の思い出はなんといっても、部活である。
中学高校とも吹奏楽部に所属していた。
トロンボーンを吹いていた。入部まえから、やりたかった。
そしてこの季節は、吹奏楽コンクールである。
1学期末テストが終わってから、コンクール当日まで部活一色。
勿論ふだんも土日返上で部活三昧。
だがこの時期はなお一層、寝ても覚めても課題曲と自由曲が駆け巡る。
当時はただひたすらだった。
今おもえば、あれ以上のめり込んだものは、ない。
つまり、平穏無事すぎる大学時代を過ごし、社会人になってから、後悔しまくっている。
吹奏楽の世界を離れて早15年経つ今でも、この時期は特別な気がする。
50人近くの人間が、ベクトルを揃え、駆け抜ける。
社会人になった今では、ほぼ不可能に近いことをやっていたのだ。
今年も例外なく、やってきた。
ここ数年は自分の出身校は勿論のこと、度々このblogに登場する、中学教諭で吹奏楽部顧問のかつての同級生の学校も気になっている。
情報源は今やインターネット。
私の時代には、コンクール当日に発表があったが、今は翌日なのだそうだ。
あの会場で皆でキモチを分かち合えないのは寂しい限りだが、会場近辺の都合なんかもあるらしい。
仕方ないのか。
そして、コンクールの翌々日にサイトにアクセスした。
ドキドキした。
出身校は残念だったが、例の同級生が指揮する学校は、金賞だった。地区代表になっていた。
そして、グランプリだった。
私たちが成し得なかったことを、彼は立場こそ変わったが、果たしていた。
知らない間に涙が流れていた。
少し寂しい気分にもなった。
でも仕事でいっぱいいっぱいになっていたココロを温かくしてくれた。
あのホールがよみがえった。ホール横の公園の緑の匂いがした。
改めて。
今目の前にあることに、のめり込もうと思えた。
もう、不完全燃焼はゴメンだ。
やりたいことをやれる限り。
つらくなったら、また夏を思い出そう。
乗り越えるために。