地価の高い地域においては有効活用面積をいかに確保するかがしばし課題となる。それが狭小地ならなおさら。駐車スペースを確保しようとすれば、希少な1Fの有効面積の一部が犠牲に。車を屋上に置ければ解決できるが、スペースと設備の両面で不経済極まりない。そこで車を上にあげることは断念し、それ以外の機能を屋上に確保しようというのが屋上庭園の発想だ。
都心部の注文住宅や分譲戸建てでは、屋上活用のプランは珍しくないが、これは賃貸でも同じこと。立地によってその活用法は様々に考えられる。日々の物干し用途はもちろんだが、イマ風な活用であればリモートワーク用の解放感たっぷりなサテライトワークスペースとして。また程よく視界を遮れる立地であれば、日焼けスペースやひだまりハンモック設置のリラックス空間としたり、隣地が近すぎなければBBQやパーティースペースとしたり、幼児の水遊び(プール)やドッグラン用途にだって最適だ。防水対策にコストがかかるので、駅前など客付けが容易な立地では不要かもしれないが、形状や立地の関係で差別化が必要なケースでは検討価値は大いにあるだろう。
設計時は通常は意識する必要のない留意点もいくつか。
・下からの視界遮断/解放感と安全性という相反する要件をどう担保するか
・後付けが難しくなる電源や給排水(スロップシンクがおススメ)、物置等の設備設置
・落下や転倒防止を含む強風や砂埃対策
・降雪対策(積雪量が多い地域ではそもそも融雪や雪おろしの問題が生じる) など
いずれも屋根を駐車場にするほど実現困難なことではない。永住産業のOSORA(おそら)リビングやスターツのココロテラスなど規格化された商品も参考になるだろう。