デロンギに代表される輻射熱暖房はだいぶ認知が進み、昨今の高断熱高気密住宅ではだいぶ活用が進んできているのではないだろうか。エアコンのように風も起こさず空気も汚れないので、アレルギー疾患のある人や乾燥や音が気になる人にもお勧めだ。

 その他にも暖房機器は、火災や換気の問題があるものの古典的な石油ストーブ、薪(もしくはペレット)ストーブなど風を起こさない機器はもちろん、居住者が後から追加設置が容易な電化製品は(コタツやアンカなども含め)数多い。一方その逆、冷やすことについては、エアコンという空調以外では代替手段が乏しい。

 そんな中、「エフコン」(旧称・光冷暖)や「眠リッチ」といった風を発生させないエアコンの開発が進み、冷房にも無風ニーズに応える機器が相次いで市場に登場してきている。前者の輻射熱パネルを使用したタイプはまさにデロンギの逆バージョン。暖かいパネル(暖房)との決定的な違いは、多湿な日本の夏の室内で発生する結露。除湿対策にはなるが、排水経路の確保がマストとなる。その点に対応したのが、後者の天井設置のパネルエアコンであるが、寝室仕様限定だ。

 設備とコストの両面で高いハードルがあり普及には程遠いのが現状ではあるものの、体に優しいひんやり感は一度体験したなら是非とも欲しくなる快適さ。量産や技術開発による一層の性能向上とコスト低下が1日も早く進むことを期待したい。