不動産あるある、といっていいのかどうかはわからないが、一般の人にとっては人生で頻繁に経験することはない不動産売買。高額でもあり、慎重かつ間違いのない意思決定が求めらる、ので業法で業者の説明義務が色々と課せられている。

 とはいえ業者も商売なので、売らんがための説明をして取引をクローズしがち。それが後々怨念として残り続けた一例が今回の話。そこには当初道路計画があり、将来その先に抜けて便利になると説明され(それを期待して)土地を購入。しかし、その後一向にその計画は実現しないばかりが、計画の変更で白紙に。計画があったのは事実としても確定ではなく、計画地の土地の所有者としてはその計画を実行する義務や責任を負っていない。

 にも関わらず、期待を裏切られた購入者は「話が違う」と、道路計画地の土地所有者に訴える。本来であれば、変更の可能性もある未確定な計画に期待を持たせる説明を行った分譲業者等を恨むべきところである。しかし、時が経過しその会社や担当者がすでに存在しないことで、その怒りの矛先は義務も責任もない隣地所有者に向かう。それが何年経過してもくすぶり続け、ことあるたびに再燃し、その火種は消滅せずにお隣さんとの融和を阻む。

 説明がいい加減で口頭では事実と違うことを語りつつ、契約書にはその内容の明記がない。そんな悪意のある契約が横行すると、不動産取引に対する不信感が増すばかりで健全な発展は望めない。販売は一度(その場限り)だが、近隣の関係は所有する限り続くもの。間に立つ者はそのあたり「立つ鳥跡を濁さず」ではないが、良好な隣人関係・地域環境が維持継続できるよう、こだわりと誇りをもち、将来にわたって感謝されるような取引を増やしたい。信頼と実績に基づく紹介の広がりこそ、商売発展の基本と信じて。