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フィリップの看護のブログ-看護雑誌と書籍を批評

通りすがりの管理人フィリップが
看護の本と雑誌の読みかたや選びかたを
真剣レビューします

緩和ケア2011年8月増刊号(青海社、3150円)


フィリップの看護のブログ-看護雑誌と書籍を批評


全体評価

●ホスピス・緩和ケアに携わるすべての人のための専門誌、というコンセプト。これだけ絞りこまれた領域だけに、特集テーマのばらつきはあるが、1本芯の通った「侍」的雑誌。時折みせるあっと驚く切り口は、編集者の力か、はたまた魅力的な編集委員の現場目線によるものか。誌面は1色、お金をかけずに地道に展開。しかし、やるときはやる。普段が平凡だから余計にそう感じるのか。いや、もしかして、これがこの本の特徴だとしたら、さしものフィリップも脱帽だ。



増刊号評価

●「がん疼痛ガイドライン -現場で活きるわたしの工夫」という、一見平凡なタイトルか。しかし、序文からして、非常に実践的であることがかいま見られる。ガイドラインという堅物を、いかに現場に役立てるか、「ABもどっちでもいいよ」としか書いてない、「そんなもんであるガイドライン」を、やさしく解説するとともに、現場の工夫と題して、スペシャリストのワザをがん疼痛全般にわたって解説している。薬剤の使い方が中心なので看護師向け、と全面的にはすすめにくいが、がん領域の看護師ならば、買って損なし。いや買うべし、読むべし。




今月の評価

10点満点中9点★★★★★★★★★☆


お買い得感

シンプルな作りで色はなし。しかし、ここまで読ませる切り口と実践的な内容。1冊もって、日々読みたくなる。この執筆陣を集めたら、こうなるだろうとは思うが、本来、想像で終わる構成。ガイドラインはあくまでお飾り。いかにして使うか、ここにこそ答えがあることを思い知らされる1冊。通常号より値段は張るが、お買い得感は高い。太鼓判



看護師国試2012 必修問題完全予想450問

●しくみ:B5判/226頁/定価1,995円/2011年7月発行

●発行:照林社

●一問のお値段:4.43円



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本の内容は?

●看護学生誌「プチナース」を発行している照林社からの1冊。看護学生向けの月刊誌を刊行しているだけあり、学生へのヒアリングはよくできていると思われる。また雑誌的な見やすく、ポップでありながら、しっかりした見やすいレイアウトには好感が持てる。

●各問題については、○×にかかわらずすべての問いにわかりやすく、丁寧に解説を付けているが、さらに覚えておいた方が良い項目は「MORE」のマークを付け、詳しく解説している。この辺りの解説のボリューム、レイアウト、丁寧さもちょうどよく、効率的な学習を期待できる。解けた問題をチェックする欄など、細かい部分のレイアウトも編集のセンスを感じる。



こに注意

●2色刷り(朱色、赤色シートで語句を隠せる)の色が、メディックメディアと比較して若干暗い。好みもあるが、悪く言えば野暮ったく、やる気がそがれる。よく言えば「目に優しく」落ち着いて長時間の勉強に向くか。

●オール予想問題の450問(うち150問は模擬試験形式で50問×3回分)というのが売りではあるが、心理的にどうしても過去問も解きたくなるもの…。1冊で済まそうと思っている場合は、そのあたりも考慮するのがよいだろう。



どんな人にオススメ?

●予想問題オンリーの問題集。過去問はある程度クリアし、自信のある学生にオススメ!必修問題クリアに向け、直前に力試しをする使い方が最適な参考書!



本書の評価


【見た目・雰囲気】 ★★★★☆

【わかりやすさ】  ★★★★☆

【くわしさ】    ★★★★☆

【お買い得感】   ★★★☆☆

【総合評価】    ★★★★☆

セレクト必修2012 看護師国家試験問題集

●しくみ:B5判/428頁/定価2,415円/2011年7月発行

●発行:メディックメディア

●一問のお値段:4.83円


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本の内容は?

●「看護学生のためのレビューブック」「クエスチョンバンク看護師国家試験問題集」などで学生の支持を集めるメディックメディア発行の1冊。本書の特徴は、解説がレビューブックやクエスチョンバンク等の同社の参考書に対応して作られていること。詳しい解説をそちらに任せることで本書の解説を簡潔に済ませることができている。

●多くの学生が購入しているレビューブックやクエスチョンバンクに対応しており、購入している学生も多いはず。みんなが持っているので、買って安心、という1冊か。




ここに注意

●2色刷りの誌面は色が鮮やかだが、若干色が強く(朱色。赤色シートで語句を隠せる)、ちょっと疲れてしまうかも。レイアウトはシンプルだが若干単調でメリハリが今ひとつ。

●表紙は可愛く、誌面もイラストなどを多用しており、わかりやすさを演出する努力が見て取れる。428頁(3cmくらい)の大ボリュームで2,415円はお買い得感があるが、ちょっと厚過ぎて、重く、これでもかという内容に見えて、くどく感じることも。文字量も多く(見える)、「はたしてすべてやりきれるのだろうか」「必修問題にここまでのボリュームが必要か」という感想を持つ学生さんも少なくないそう。必修問題対策にどれくらい時間と労力を割こうと考えているかを吟味して購入を決める必要がある。

●問題数は予想問題370問(内100問は模擬試験形式)+過去問題130問(模擬試験形式での出題)=500問。過去問題の解答に対する解説にも手を抜かず、選択肢ひとつひとつにも解説を添えている点は評価できる。




どんな人にオススメ?

ひたすら問題を解き、調べ、自己学習できる人にはオススメ!単なる必修問題対策としてではなく、知識のボトムアップとして、早いうちから取り組む定番の1冊。




本書の評価

【見た目・雰囲気】 ★★★★☆

【わかりやすさ】  ★★★★☆

【くわしさ】    ★★★★☆

【お買い得感】   ★★★★☆

【総合評価】    ★★★★☆














看護ジャーナル20118月号(医学芸術社、定価714円)


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全体評価

20115月号創刊の看護総合雑誌。昨年末に看護学生向け雑誌ナーシングカレッジが廃刊。その後を受けるような形で臨床看護師向け雑誌として登場した。今までにない斬新な看護雑誌というふれ込み。「ジャーナル」というタイトルに“マンネリ化しすぎた看護雑誌のくさびになるか”の期待もあったが、現状は何一つ新鮮味のない内容。むしろ、震災の記事を、ただの報告として全面に押し出した点は、あまりに浅すぎ。「ジャーナル」というコンセプトを、今後、どのように押し出すか。やるなら徹底して先が見えるか。


8月号評価

●そもそも、720日発売の雑誌ながら、今日現在、ホームページに最新号のコンテンツが紹介されていない。会社自体に売る気があるのか疑問。読者目線はこの時点で疑わしい。

●特集記事は認知症ケア。急性期というキーワードが上乗せされているが、テーマ自体は、“困った時の対応法”で新しさはない。ナースの悩みはリサーチしただろうが、10年前からの切り口。さらに、人選はきちんとしていながら中身が薄いのは、記事がライターによる口述まとめゆえか。発想に斬新さがないなら、せめて登場した先生方の思いは十分に伝えて欲しい。


今月の評価

10点満点中2点★★☆☆☆☆☆☆☆☆


お買い得感

今のところ注目できるのは700円台の定価のみ。ただし、最新情報を得るにはあまりに不足感が大きい。十分に吟味したうえで購入すべき。


今日のオマケ知識

タイトルの「看」の文字に入った赤十字マーク。漢字が間違いだし、そもそも、この十字マークは、ジュネーブ条約と商機法などの日本の法律が、その使用を制限しているのは基本的事項。もちろん、商業誌である看護雑誌の誌名に使えるはずもなく、看護のイメージを安易に赤十字マークで表す発想の貧困さも含めて、本雑誌の吟味不足を感じざるを得ない。

http://news.shikoku-np.co.jp/national/medical_health/200805/20080502000322.htm









月刊ナーシング2011年8月号(学研メディカル秀潤社、定価1200円)


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全体評価

●業界NO2の看護総合雑誌。スマートナース(メディカ出版)の廃刊、ナース専科(SNS)の隔月化をうけ、2番手の位置どりは確定か。誌面のテイストは毎年変化し、老舗ながらとくに看護雑誌全体が苦戦する現状に試行錯誤している様子が垣間見える。1年に1~2度くらい、キラリと光る特集テーマが見られるが、年間購読するにはいささか確率は悪く感じる。とはいえ,ここ1年ほどの潔いクラシック路線は、しっかりした2大特集と定番連載という看護雑誌の“売れていた頃”の基本にのっとったものだとか。あとは独自のヒットタイトルを見いだし,他誌と差別化を図れるかで伸びシロが決まるだろう。



8月号評価

●看護師の方から「苦手」という声を聞くことが多い脳神経系領域がテーマ。意識障害と麻痺は教科書的な指標はあるが、じゃあ、実際に細かな評価はどうつけるのかは、意外にわかりにくいそう(事細かな評価が、日々必須かどうかはさておき)。「どうアセスメントしていいか、よくわからない」という現場の声に沿ったテーマでGOOD。問題は、中味として、「ここが欲しい」を誌面で展開できているかどうかだが、実践的にしようという試みはされているものの、プラクティカルな要素は物足りない。読んで役立つ内容となるのは、もう一息踏み込みが足りないという声が、モニターをお願いしている看護師からは聞かれている

●おすすめするなら、「ざっくり学びたい」若手の看護師。ただし、手にとって開いて、読み進めたくなるかどうかというと、誌面作りやわかりやすさへの工夫はいまひとつなので、文字を読むことを苦にしないタイプなのが条件。

●「意識や麻痺の記録への書き方」などの項目があるのは、読者の声を丁寧に拾った結果か。雑誌という媒体は、こういう工夫が、次の購入に大きく影響するのだろう。問題は、このニーズがマジョリティであるかどうか。気になる人はパラパラめくるだろうし、もう通り過ぎた人は再確認するかしないか程度だろう

●摂食嚥下の第2特集は、基本的ながら軽くないコンテンツ。この手の特集記事、最近は摂食嚥下の認定看護師の方々をずんずん登場させがちだが、この領域の第一人者である田中先生を登用。目新しい情報ではないのだろうが、見方を変えると、摂食嚥下領域の基本知識や介入策は、古くから積み重ねられたものということ。何事も基本ありきを思い知らされる。ラストの嚥下食のレシピは、カラーページで贅沢な作り。制作は女性の編集者か。楽しんで作っている感じが伝わってくる。こういうレシピ、実際に試す人はどれだけいるのか。フィリップが今後リサーチしたい項目の1つだ

●もう1つ、第1特集の「脳神経系障害」からの第2特集の「嚥下機能障害ケア」という流れに注目したい。患者状態の成り行きを想定して作られたコンビネーションなら、先月号(第一特集 感染の基礎知識→第二特集 感染管理の具体策)に引き続き、視点を変えた味な構成といえる。1冊で同系統の領域を2テーマ眺めることが可能だ。


今月の評価

10点満点中点★★★★★☆☆☆☆☆


お買い得感

計算されたものかは定かでないが、2つの特集テーマの並びがよい。80ページ前後の脳神経系の書籍が1200円で手に入るとすればお得感もアップ。