写真でわかる看護のためのフィジカルアセスメント
発行:インターメディカ(2010年3月)
定価:2,835円
内容は?
タイトルに「看護のための」…。どういう意味があるのだろうと思っていたが、
その答えは章立てにあった。
通常この手の本だと医学的に「臓器別」に分類し各論を解説するけど、
この本では、「見る、聴く」とか「食べる」とか「排泄する」など、
生活行動の視点から患者を診る、ということをポイントにしているのだろう。
それが章立てにも表れていて、上記の「食べる、栄養を取りこむ」や
「排泄する」が各章のタイトルになっている。
臓器を診るのではなく、人を診る、という視点が「看護のための」という訳ね。
考え方としては特徴的で、まあ面白い。
でもって内容はというと、おなじみの写真シリーズだけあって、
きれいな写真には圧倒される。
写真ごとにポイントも示されていて、よくわかる。
加えて解剖的なイラスト、図表もたくさん使っている。
中には身体の写真に解剖イラストを重ねて表現し、
体の内面をイメージできるように構成しているところも多くみられる。
視覚的に理解してもらおうという工夫が随所に表れている。
また、正常と異常所見が一覧になって整理されているのは見やすい。
最初の方のページでは、やはり写真をふんだんに用いて
聴診器の当て方やら身体計測やらを丁寧に解説。
バイタルサインの診方含め、「看護学生や新人看護師が〈やり方〉をイメージする」
には、なかなかの1冊だろう。
ただ、ポイント、ウリでもあり、弱点でもあるのが
写真の多い、少ないでレイアウト的に統一感がなく、読みにくい点。
特に写真が多い頁はごちゃごちゃしてしまっている。
特に同社の「写真シリーズ」の中でも、このフィジカルアセスメント編は
手技の流れがいまいちつかめないところが多い気がする。
まあ、「読むというより見る本」だから仕方がないのかもしれない。
結局は各臓器を診ることになるわけだけれども
(章立ても確かに臓器別の方がわかりやすいかも)、
「診る対象は生活者」だという視点を意識して読むことは大事かもしれない。
それと、注意としては「異常」に対するアセスメントと対応が
あまり載っていない本なので、実践で役立つかというとなかなか難しい。
結論的には、「フィジカルアセスメント」の初歩的な方法、
手順を学ぶにはよい1冊と言えるかな。
写真を見ていけば、見よう見まねでとりあえずトレーニングにはなるからね。
また、看護を意識したという点で少しプラス評価。
フィリップの結論
「目で見てまずは形からできるようになりたいなら一見の価値あり!」
総合評価
10点満点中6点★★★★★★☆☆☆☆
