劣等感の塊でやりきれなくなる。
明るい人、快活な人、自信に溢れている人、楽しそうにしている人、自分には無いものを持っている人を見ると、嫉妬心で一杯になる。
どうせ私は無価値な人間なんだ。
卑屈な自分が嫌で一層卑屈になっていく。
世間知らずであることがコンプレックスになっている。
カラオケ、ボーリング、旅行なんてしたことがない。
ファーストフードやチェーンの飲食店には、最近なんとか入れるようになった。
個人経営の店にはまだ抵抗を感じる。
居酒屋やバーなんて以ての外。

親は共働きで、休みの日にどこかに出かけるタイプではなかった。
家族で外食したのは保育園児の頃に行ったファミレスが最後だと思う。
家族旅行なんて行ったことがない。
家族で揃って外泊したのは小学校低学年の頃に伯父の家に遊びに行ったきりだ。
小遣いを貰ったことがない。
服は全部親が買ったものを着ていた。
友達なんていないから外に出て遊ぶこともしなかった。

同年代の人達が当たり前に経験してきたであろう遊びや人間関係をこれっぽっちも体験していない。
今更になって知らないのが恥ずかしくて、ますます出不精になる。
引きこもり一直線。
この春に入ったサークルの夏休みの旅行に参加して思い出したこと。
昔から集団行動が苦手だった。
思えば保育園の散歩や遠足のときも、仲間から外れて一人(+保母さん)と歩いていたことが多いような気がする。
小中高の修学旅行は一度も楽しいと思ったことがないし、前日の夜から憂鬱でたまらなかった。
思い出は美化されるというけれど、自分の思い出はどうレタッチしても灰色にしかならない。
周囲を見渡すと、みんな誰かに自然に話しかけ、自然に話しかけられている。
自分にはそれができなかった。
そもそも何を話せばいいのかわからないし、普段から押し黙っているから当然誰からも話しかけられない。
集団の一員でありながら常に孤独で、たまらなく居心地が悪かった。
自分なんていなくたって構わない、むしろ自分がこの場にいるせいで空気を台無しにしているのではないか。
歳を重ねるごとに自意識が肥大化し、すっかり染み付いてしまった。
殻を破りたいのに、破り方がわからないから、誰かが外から割ってくれるのを待っている。