小さい頃、母親に「医者か公務員になれ」と口うるさく言われていた。
だから、医者か公務員には絶対にならないと決めた。
大学に合格し、一人暮らしの準備を手伝ってもらった父親から、「研究職が向いてる」と言われた。
だから、研究者には絶対にならないと決めた。
実家を出れば変われるかもしれない。
研究室に入れば変わるかもしれない。
サークルに入れば変われるかもしれない。
バイトをすれば変われるかもしれない。

何も、変わらなかった。
普通の人になりたかった。
普通の人みたいに、何気ない会話で盛り上がったり、プライベートで遊ぶような友達がいたり、自分の意見を言えたり、自信を持っていたり、明るく振る舞えたり、、、。

どこにいっても、どんな場に所属しても、馴染むことができない。
何も喋らない、気の利いた返事もできない、特技があるわけでもない、仕事もできない。
きっと、みんな私に嫌悪感を抱いている。
私がそこにいるだけで、周囲に不快感を与える。
昔のようにそれをあからさまに表現されなくなったのは、周りが大人になったからなのだろう。
どうせ歓迎されないのなら、変なことを言ってしまわないように、ずっと黙っていることを選択してきた。

近頃は気分の浮き沈みがある。
ある日はどうにでもなれと楽観的になり、ある日は消えてしまいたいぐらい悲観的になる。
外にでるのが億劫で、外出を決めるのに数十分かかる。
やらなければいけないことは山積みなのに、何もやりたくない。
おはようからおやすみまで、ずっと眠っていたい。
バイトを始めた。
己が以下に無能であるかを突き付けられる。
24歳、仕事ができない、何の才能があるわけでもない。

無価値観、無能感がつのる。
やりたいことがあるわけでもない、誰かに必要とされるわけでもない、人生の目標も希望も無い。
私は何で生きているんだろう。

明るくなりたい。
暗い性格を直したい。
直し方がわからない。
もっとみんなと仲良くしたい。おしゃべりしたい。友達がほしい。恋人がほしい。
直し方がわからない。
人付き合いは面倒くさい。
集団行動をしていると、ふと一人になりたくなる。

生きづらい。
妬ましい。
自殺する勇気は無い。
誰にも知られないうちにふと消えてしまいたい。


音楽だけが、いつも私を、癒してくれた。