東京都木平市某所、ミクロマンの警邏機関POAN(ポアン)の支部に、異世界から来たアクロイヤーが保護された。
「つまり私の知るマイクロノーツと君たちミクロマンは似て非なる存在。並行世界が多数あり、この土地はゲートが開きやすい、と」

「ご理解が早くて助かります。あなたは聡明な方だ」
ホームズの言葉に、アクロイヤーは答える。
「貴君らの説明が巧みだからだ。……なんと言おうか、並行世界や複数の同一人物に関する説明役として、実に適任だ」


ホームズィズ
スパイマジシャンM143ホームズの2人組。両方異なる世界から来た本人だが、顔や身長が多少異なる。
POANのネゴシエーションエリアで、主に異世界ミクロマンとの武力を伴わない交渉全般を行う。
区別が必要な際は左がマイクロフト、右がシャーロックと名乗る。


イリヤがホームズィズを迎える。
「彼へのレクチャーは?」
「滞りなく終わったよ。彼は理知的な紳士だ。ところでイリヤ、彼の処遇だが」
マイクロフトの後にシャーロックが続ける。
「本部の方針が固まるまで、木平支部で預かってもらいたい」
「待てオイ」


長い会話の後、イリヤはため息をつく。
「いかん、口ではあの2人にかなわん。……アクロイヤー王、あなたのお名前は諸々差し障りがある。コードネームは『スパルタク王』でよろしいか?」
「理解している。受け入れよう」
ジェームスは微笑んだ。
「王様、よろしくッス!」


スパルタク王
『マイクロノーツ』系の異世界から来たアクロイヤー。ただし彼が元いた世界は、既に知られているいくつかの『マイクロノーツ』世界とは異なる。
寡黙、聡明にして勇猛な短剣術の名手。基本能力はこの世界のアクロイヤー2と同等。


ここは東京都木平市。次元振動の多いこの地域をミクロマンたちは「木平ゲートウェイ」と呼んでいた。
「王様ー、メシ食いに行きましょう。元の世界のマクマクナルドと味比べてみてほしいッスよ!」
「元の世界のを食べたことがないのだが」
「マジすか」

第7話<オワリ>

東京都木平市某所にはミクロマンの警邏機関POAN(ポアン)の支部がある。
ジェームスは新たな部下ラジカセロボR06ヨリニテとパトロールに出ていた。
「向こうは鷲の台駅で……」
「部隊長、アクロイヤー計反応が! ……この数値は巨大化!?」



「マジだ! この20年、巨大化するアクロイヤーなんていなかったのに!」
アクロイヤーは巨大化能力を持つが、繰り返すと命を失う。制限回数は事前に計測不能なため、令和まで生き残ったアクロイヤーは用心から誰も巨大化しなくなっていた。
「ヨリニテ、基地に連絡を!」



POAN木平支部基地内では、指令基地がそのまま指令室として運用されている。
「ヨリニテから報告。巨大化アクロイヤーが府東街道を中川駅方面へ移動中。全高7~8m、過去にデータなし」
「あまり大きくはないな……道路添いに歩いてるが、電柱や標識を破壊してるぞ」



「部隊長、指令基地より連絡。マイケルのスーパージェットとアゼリア、レグルスがこちらへ向かっています。我々は避難誘導並びに可能な限り迎撃・足止めをせよとのこと!」
「OK、自分は周囲の地球人に対応するッス! ヨリは無理のない範囲で迎撃を!」



「ふはは、やるなアクロイヤーアサルトのトーテツ! 巨大化回数無制限は本当のようだ。このアーデンバルガーは部下になったと思わせておいて奴を利用してやるのだ!」
「……それ、俺に聞かせない方がよかったんじゃねえかな……トーテツもなんでゴムなんか欲しがってんだ」



(このアクロイヤーは破壊が目的ではないのか……なぜ歩いて目的地に向かってる……示威行動か?)
ヨリニテはサウンドソニックガンで迎撃を試みる!



「ン……なんだ、ミクロマンの攻撃か? このトーテツ様にはこんなもの効かんわ!」
ニューミクロマンの敵ニューアクロイヤーには巨大化能力がない。そのためミクロチェンジロボの火力は最大2m程度の敵を想定している。巨大化したトーテツに対しては火力が足りないのだ!



「ミクロマン共が来たぞ、グリーンスター! レディーコマンドはともかく、ジェットとタイタンをトーテツに近づけさせるな!」
「分かってるよ!」



「あのアクロイヤーはどこに向かってるんだ、あの先に何がある?」
「スーパー2軒、ファストフードとレストラン5軒、大型電器店、一般住宅……違うな……ファーストパンの工場と、ブリジウッドのタイヤ工場がある、そのどちらかだろうか」



「まずいぞメイスン、タイヤ工場狙いの場合、手前に歩道橋がある。奴の身長だと通るために破壊されるぞ! しかもすぐ側に小学校がある!」
「こちらマイケル、邪魔されて巨大アクロイヤーに近づけねえ!」
「こちらヨリニテ、火力不足です!」
「くそっ、万事休すか!」


その時、現場に新たなミクロマンが現れた!
「遅くなってすまん! 非番の日だったから莫張メッセまで行ってた!」
ヴァルマガハラ空中遺跡で目覚め、POANに身を寄せているミクロマンコマンド1-2-3号ザックだ!



「いくぞ、反重力念力!」
ザックの手から出た光線が当たった瞬間、トーテツの動きが止まる。
「何だ、体の自由が……俺の巨体が宙に浮いているだと!?」
ザックは覚醒前に神秘の超古代遺跡の力に影響された。その反重力パワーは通常のミクロマンの十数倍を誇るのだ!



指令基地から連絡が飛ぶ!
「いいぞザック! そのままブリジウッド団地の南グランドまで運ぶんだ、被害を最小限に抑えろ!」



ズ・ズーン! ザックの反重力念力によりトーテツはグランドに叩きつけられる!
「ぐはっ! お、おのれミクロマンめ……」
「バルガー、トーテツに何か起きた!」
バルガーがグリーンスターの言葉に気を取られた隙に、スーパージェットとレグルスがグラウンドに向かう!



「今だみんな、俺が念力で抑えてる間に攻撃を!」
「了解! マシンガン、サイドワインダー発射!」
「磁力波光線!」
「サウンドソニックガン!」
「ぐおわああああ!」

 

「いかん、トーテツの援護に向かうぞ!」
「……ちょっと待てバルガー、何か……来る! 次元振動だ!」



突如、空間に歪みが生じる。そこから現れたのは……。
「うそっ、こんな時に異世界からアクロイヤーが!」
アゼリアが叫ぶ。
「ここは……地球か?」
「おお、いいところに現れた、アクロイヤーの同志よ! 我らと共にミクロマンを倒し、地球人を支配するのだ!」



バシュッ! その言葉が終わるやいなや、新たなアクロイヤーはバルガーに斬り付けた!
「ぐわぁ! 何をする、貴様もアクロイヤーだろうが!」
「いかにも、我が名はアクロイヤー。スパルタクの王アクロイヤー!」



「クソッ、収拾が付かねえ! トーテツ、ミクロサイズに戻れ!」
グリーンスターは小さくなったトーテツを掴むと、体中から緑色の霧を吹き出した!
「グリーンミスト!」
「いかん、毒霧だ、気をつけろ!」
そして毒霧が晴れると、3人のアクロイヤーは消えていた。



「アクロイヤー計にあの3人の反応なし、撤退したようだ」
「よくやったみんな! 状況終了とする、セーフハウスに使っているアパート空室で休息の後、支部に帰投せよ!」



ここは東京都木平市。次元振動の多いこの地域をミクロマンたちは「木平ゲートウェイ」と呼んでいた。
「……つまりここは地球だが、君たちはマイクロノーツではない、ということか?」

第6話<オワリ>
 

「ワープサンダー、クラッカースター! 逃がすなよ!」
ミクロマンジェネファー・ジョディは本来移動すべき異世界から座標をずらされ、2017年の「ミクロマンがフィクション上にしか存在しない」世界に飛ばされた。
そして謎のミニGアクロイヤー部隊が彼女を狙う!

ジェネファーの原始重力波ブレストのエネルギーは無限だが、それは無敵や全能を意味しない。「出力装置」がミクロマンの体である以上、瞬間的に出せる攻撃力や防御力には制限があるのだ!
「追い詰めたぜ、ワープサンダーの干渉波でテレポートもできまい!」

「セイヤーッ!」
ミニロボットマンの乱入だ!

「ドリルタンクモード! ミクロマンの君、地中ルートを作るからついてきて!」
「分かったわ!」


「もう大丈夫だよ」
そう言うとミニロボットマンはミクロサイズの人間の少年に姿を変えた。
(アキラクン! なんてこと、彼は「片貝あきら」だわ。伝説的なミクロマンの味方……)

……。

「サイズ感!」

『2017年のジェネファー』第2話 終

東京都木平市某所にミクロマンの警邏機関POAN(ポアン)の支部がある。
「赤い~赤い赤いあたし~レッコちゃ~ん♪あ、ジェームス兄ちゃん、ヨリ兄ちゃんいる?」
「ヨリニテ君ならアロムさんとこに再調整に行ってるッスよ」
「ありがと! 行ってみるね」



サウンド戦士ラジカセロボR-06RW
個体名レッコ。基地内の通信係。武器はエレキコンダクター。
妹気質でミクロマンや他のミクロロボを「○○兄ちゃん」「○○姉ちゃん」と呼ぶ。
デコパーツは人間用の市販品で特別な機能はない。戦闘で剥がれると少しへこむ。



「……レッコ君、なんで歩いて用事伝えに来るんスかね……」
「彼女は誰かと直接話すのが好きなんです。緊急を要する場合には放送や通信を使います」



木平支部では、ミクロチェンジロボ運用の実証実験のため、ジェームスをリーダーとする班が組まれた。
レッコはメンバーではないがよく顔を出しに来る。
ここは東京都木平市。次元振動の多いこの地域をミクロマンたちは「木平ゲートウェイ」と呼んでいた。


第5話<オワリ>



サウンド戦士ラジカセロボR-06B

個体名ヨリニテ。

通信を主な任務とする。銃と音波攻撃で戦う。

音楽にはあまり強い興味はなく、ラジオのチャンネルを変えず小さめの音量で流しっぱなしにするのを好む。比較的おとなしい性格だが、戦闘意欲は低くない。


ヨリニテ(本体)

ラジカセロボR-06Bのラジオユニットに変形する。

ラジカセロボ側には意識がなく、彼が操縦している。遠隔操作も可能だが複雑な行動は難しい。

性格は分離時も変わらないが、戦闘力が大幅に低下して余裕がなくなるため、敵に対して多少容赦がなくなる。



サウンド戦士ラジカセロボR-06RW(未起動)
ラジカセロボ現行型の特色版。特に性能の違いはない。
R型及びRW型はラジカセロボ側に意識があり、ニューカセットマン同様カセットロボを運用できる。
通常は男性人格。
立体としてはヨリニテの残りパーツである。

レッコという名は「レコーディング」と「レッド+子」から。
なお、私がレッコを女性人格に設定したのは、勉強ユニーカー軍団の「女の子」バージョンが頭にあったのと、「でかい妹っていいよね……」という、極めて正当な理由からである。

空間を照らした光が人型に凝縮する。
「共に大ゾーン計画を……えっ、普通の民家? ミクロマンの基地は? 他のみんなは!?」
困惑するミクロマンジェネファー・ジョディに影が迫る。
「邪魔だからさ……その計画がな!」
「ジャイアントアクロイヤー! えっサイズが……どういうこと!?」
「『界渡り』はお前達だけじゃねえ!」
さあ、戦いだ!

「なんなのコイツ……原始重力波ブレストの無限パワーがなかったらヤバかった……」
「ほう、興味深い。そいつはぜひ、お嬢ちゃんを解剖して研究したいねぇ」
「もう1体!?」
「『量産型』って単語知ってるかい、お嬢ちゃん」
「ヤダーッ!」

「マジ? ここミクロマンがフィクション上にしか存在しない世界じゃん! しかも正典(カノン)部分だけ……一番面倒なんだけど!」
ジョディは途方に暮れた。
「だいたい2017年って何よ! 微妙に現代じゃないんですけど!」

HITOGATA地獄 

 

「ミクロマンオルタナティブ ジェネファー」
Ma-104 ジョディが主人公の物語
『2017年のジェネファー』
2024年8月、あなたの脳内で連載開始!
(※展開は掲載誌により異なります)
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ミーンミーンミーン……
「誰か来たな……『界渡り』が……」