軍資金の調達の話から、一度決算書の話に移りますね。


どんな会計事務所に依頼しても、同じ決算書が出来上がる。


そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないですね。


しかし、僕にはこんな経験があります。


あるクライアントの軍資金の調達のために、懇意の銀行に本交渉の前に事前に決算書を提出しました。


このクライアントは、当期から弊社とご契約した新規クライアントです。


前期までは、他の会計事務所に決算書の作成を依頼していました。


この懇意の銀行は、僕と何度も財務の打ち合わせをしていますので、僕がやろうとしていることを暗黙のうちに理解してもらえています。


ツーカーの関係です。


それが前提で、銀行の支店長はこう仰いました。


「この税理士さんの決算書の作り方は下手ですね」


「(僕の)財務による決算書戦略を実行すれば、充分検討できるでしょう」


話が早いと助かるなあ、としみじみ思ったものです。


つまり、この決算書は軍資金の応援が得られない決算書ということを意味しています。


応援が得られる決算書と応援したくない決算書


信用だけ(プロパー)で応援したい決算書と保証協会等の保全付きで応援したい決算書


決算書には、こんな功罪があることをご存知でしたでしょうか?


財務を知っているのと知らないのとでは、こんなにも扱いが違うのです。


【銀行は晴れの日に傘を貸すが、雨の日に傘を取り上げる】という言葉があります。


ですが、決算書に財務の発想を取り入れるだけで、天気をマネジメントできるのです。


こんな大事なことを教えてくれる機会は、僕はあまり知りません。


だからこそ、僕はこれを一番訴えたいのです。


「その決算書で大丈夫なのでしょうか?」


決算書が会社の寿命を延ばしもするし、縮めたりもします。


財務を知らない決算書は、少しずつ会社の寿命を縮めていきます。


これも良く聞く一般的な勘違いなのですが


「そもそも会計事務所はそんなこと知っているもんだと思っていた。」


「経営の相談をどんどんできるもんだと思っていた。」


実は、税理士試験にも会計士試験にも、「財務」の試験はありません。


簿記、会計、税法、会社法、経済学など。


その中に財務という科目は全くありません。


そもそも、会計事務所は財務という仕事を使命としていないのですから。


だから、そんなことを求められても酷なんです。


では知っている知っていないの違いはなんでしょう?


試験合格後、自ら学び、経験した者だけが知っているんです。


では、どうやって知ってる知ってないを見分けるか?


とても簡単です。


財務を知らない人とは、次のような人です。


【節税スキームばかり話す人】


【節税が得意だと言っている人】


【節税でお金を残そうと言っている人】


それで間違いないと思います。


節税する人は財務を知らないだって?


節税しないとお金が出ていくから反対じゃないか?!


これが、「軍資金を調達できない決算書」をつくる発想です。


他人のお金で戦うことを許されない決算書です。


なぜでしょう?


その理由は。。。。今日はここまでね。