資金繰り表を作ることは、重要なことです。



給与を支払うことも、経費を支払うことも、借入金を返済することも。



これらは全部、利益で支払うわけではないからです。



キャッシュで支払います。



そこで損益計算書の利益が、資金繰りに役に立たないことがわかります。



全く役に立たないわけではありません。



しかし、ほんの少し工夫をしないと使えないのです。



だから、試算表の損益計算書だけでは、全く無意味でしょう。



なぜなら、損益とキャッシュフローにはズレがあるからでした。



損益は、費用収益を対応させることが使命。



だから現実にキャッシュが流れていなくとも、益であり損であるという考え方。



でしたね。



販売しても未回収先があった場合、これは損益計算書では売上。



しかしキャッシュはゼロです。



例えば年3650万円の売り上げがあったとします。



未回収のお金が100万円あるとすると、損益計算書ではこれも売上。



しかし100万円のお金は、まだありません。



この100万円は、どれくらいの売上に相当するのでしょう。



年3650万円の売上とすると、単純に1日10万円の売上に相当します。



3650万円 ÷ 365日 = 10万円



とすると、100万円の未回収のお金は、10日分の売上に相当しますね。



100万円 ÷ 10万円 = 10日



この会社は、平均するとほぼ10日かけてお金を回収するとわかります。



これが売掛金の回転日数です。



異種の売上があれば、部門別・顧客別などに分類して考えるべきでしょう。



買掛金の回転日数も同様の考え方をします。



納品した時点で仕入ですが、支払っていなければキャッシュは出て行きません。



例えば上記売上のために、年1825万円の仕入をしました。



1日当たり5万円の仕入れをしたこととなります。



1825万円 ÷ 365日 = 5万円



未払いの仕入れ代金が、100万円あったとしたら



100万円 ÷ 5万円 = 20日



分の買掛金に相当する未払いだとわかります。



ところでこの例だと、売掛金の回転日数は10日、買掛金の回転日数は20日でした。



売掛金のほうが、短い期間で回収できるとわかります。



もし、買掛金の回転日数のほうが短かったらどうでしょう。



つまり売上金の回収ペースより、支払のペースのほうが早いということです。



・・・・聞いただけでも、資金繰りに困ってしまいますね。



あと、在庫が不可欠な業種には、たな卸し資産回転日数という数値があります。



在庫を計算すると200万円あったとします。



1日当たりの売上高が10万円だから



200万円 ÷ 10万円 = 20日



分の在庫だと計算します。



つまり、仕入れてから納品までの期間が20日間必要だということです。



これらが資金繰りに影響する要素の一例です。



ここでわかることは、資金繰りを良くするためには



① 売掛金の回転日数を短くすること



② 買掛金の回転日数を長くすること



③ 在庫の回転日数を短くすること



だとわかりますね。



そのための方法は・・・・・



計算式に隠れています。



もうひとつ、注意すべき事項があります。



何度も書きましたが、これは試算表がしっかりできていることが前提となります。



それは、発生ベースで試算表を作るということです。



ですから、これら回転日数そのものをいじっても、損益計算書には一切影響しません。



売上を上げることで、回転日数に影響があったとしても、



回収、支払ペースを長短させたところで、損益に影響はないのです。



その影響は、貸借対照表に現れてきます。



ホントは、もっと突っ込みたいのですが、今日はここまで。



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