街で見かけた謎の飲食店。
どんなメニューがあるのかをシークレットにして、お客にドキドキ感を楽しんでもらおうという腹なのだろう。
外食産業に一石投じようというその意気込みは買ってやろうじゃないか。
しかし、ここは渋谷や六本木ではない。
上福岡@埼玉なのだ。
慈悲深い心で形容すれば、長時間労働で疲れたサラリーマン諸氏の疲れを癒す、素朴が魅力のベッドタウンであるが、忌憚なく表現すれば、未来への希望を抱けず日々の労働に溺れるだけのゾンビ共やパチンコ中毒者がひしめき合うデッドタウン(過去に日本一住みにくい町に3年連続で認定された実績あり)である。
そんな街でメシを食おうとするときに誰が冒険心を抱くというのだ?
いつだって貧乏人は安くて確実なものを望むというのに。。
この手の店は、ゲーム性や話題性を好む若人集う渋谷など都会の街に出店するか、あるいは学園祭で出店すべきなのだ。出店期間が2~3日の学園祭の場合、リピーターを獲得する必要もないし、その場限りの話題だけで収益を上げることができるだろう。
と、書いていて、高校1年の時の文化祭にまつわることを思い出した。
我がバドミントン部では例年通りベルギーワッフルを売ろうということになった。
のだが、「毎年同じじゃ何だかつまらないよなぁ」と先輩たちは漏らしている。
「では、ベルギーワッフルを売るには売るんだけど、商品のネーミングだけ変えてみては?」
と僕は提案した。
お客に「なにそれ? 一体なんなのよ、その商品名?」と思わせて、正体を確認させるためにベルギーワッフルを売りつける。
1組のお客に1つしか売れないけど、別にリピーターなんていらないし、お祭り気分で財布の紐も緩んでいるはずだから、真面目に売るよりも客が飛びつく可能性が高いんじゃないか?
(不思議な名前の商品を話題にして女子高生とも会話できるという特典付きだし!)
「というわけで、”ぬめんちょ”にしましょうよ!
今年は”ぬめんちょ屋さん”で行きましょ!!」
口を突いて出た適当な言葉を商品ネーミングとして提案し、熱をこめて部員たちを説得したのだが、彼らは「こいつ何言っちゃってんの?」という冷ややかな視線しか返してこず、結局は無難にベルギーワッフルという名前のベルギーワッフルを売ることで落ちついた。
その時から、他の部員への反骨精神の表れとして、僕は「ぬめんちょ」と自称するようになった(実話)。
※ちなみに、この「なに屋?」は写真を撮影した時には既に閉店が決まっていました、残念。。