○○について本気出して考えてみる | 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ

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このページでは、沼津港深海水族館の飼育員が水族館で会える生物たちの飼育状況や、日々のちょっとした発見などを随時お届けしていきます。
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みなさんこんにちわ!




今日のテーマは○○について本気出して考えてみる!

ずばり私の2016年の課題はメンダコ

※私というより沼津港深海水族館のという方が正しいか...





「メンダコについて本気出して考えてみたら
いつでも同じ所に行きつくのさ
君もメンダコについて考えてみてよ
後で答え合せしよう 少しはあってるかなぁ?」



ポルノグラフィティの名曲に合わせて妄想してみました。誰か答え合わせさせてください。








さてここからは真面目に。




2015年11月25日、駿河湾底曳網にて捕獲された2匹のメンダコが水族館に搬入されました。スレなどもなく予備槽へと搬入、その後も非常に落ち着いた様子でした。



ちなみに2匹のメンダコはどちらもオス個体。タコってオスは縄張り争いするわけだし、メンダコももしかしたらオス同士を同じ水槽にいれるのは良くないかも?なんて考えていましたが、この2匹はうまいこと共同生活してくれました。




※もちろん縄張り争いなんて状態良く落ち着いた個体の話、メンダコにとって最も重要なのは採集時にスレや水温、光に気を付けること。というのは間違いないと思います。



どちらも飼育は順調に20日を越え、サクラエビを食べる様子を観察することが出来ました。その直後に1匹は残念ながら死んでしまいましたがその後ももう1匹は調子が良さそう。



しかし年末が近づくにつれ、メンダコの様子にも陰りが...最終的に2016年1月1日、残念ながら死亡が確認。約37日間の飼育となりました。






今回の飼育で感じたこと。


沼津港深海水族館ではメンダコ用にいくつかの予備槽を用意しています(光を完全に遮断した水槽、わずかに光が差し込む水槽etc)。今回飼育していた水槽は完全に光を遮断した所でした。その水槽と同じ系統で、新しくメンダコ用に水槽を利用し始めたんですが、何故か死んでしまう。ある程度光を遮断してもダメ。違いといえば・・・水槽への吐出がシャワーになっているか否か。


長期飼育していた個体の水槽は吐出がシャワーパイプになっており全体的にゆるやかに水が行き渡る作り、新しい方は1か所に向けて水が出るような作りでした。



メンダコにはある程度の水流があった方がいい???今後の検証事項です。


そして餌やりも上手に上げないとメンダコがビックリして泳ぎ始める、これも大きなストレスとなっていることは間違いない。食べないことも多いですしあげるタイミングや頻度なども要検証。



なお、展示水槽でのメンダコは「落ち着いている個体だ」と思っても突然死んでしまうことが多かったんですが。こころなしか土日に死んでしまうことが多い気が。



先日、展示水槽で長生きしていた個体がいたんですが結局死んでしまったのは日曜日。なおその個体は2週間以上展示水槽にいたので何度か土日を乗り越えていたのですが、調べてみるとその土日の来館者数は他の土日と比べると少なかったんですよね。



人に見られることや大きな音などのストレスが私たちが考えている以上に大きいのかもしれません。



当館ではメンダコの撮影は全面禁止とさせて頂いておりますが、そういった生体への影響を考えての決断となっております。




考えれば考えるほどメンダコの飼育は難しい。

課題も多いですが1つずつ問題をクリアし、メンダコの常設展示を実現できるように頑張りたいと思います。




フトタ