気持ちはわからなくはないけど。

ロードショーでタイミングが合わず見逃していたけど、ダイノジ大谷君が大絶賛だったので

新開地の名画座に足を運んでみたのは、浅草の芸人の物語。

というと名作「浅草キッド」みたいに「売れないけど夢があった」話になりがちだけどこれは違う。

主人公は50歳の落語家。実の父親でもある師匠から名前をもらったものの、才能もやる気もない。後輩に馬鹿にされ、親父からも認められず、おまけに痴呆まで始まった。八方塞がりの男の悲しいストーリーだ。そこにこちらも売れない女性漫才師が絡んで…という展開なんだけど、2人とも才能も夢もないのでなかなかいい感じに転がらない。現実から逃げて逃げて逃げまくってきた主人公が、ついに向き合って…でラストを迎えるが、ちょっとそこはご都合主義すぎるだろ。あの下手な落語が覚醒のシーンというのはちょっとつらい。