人間臭すぎて・・
昨年のカンヌのグランプリを獲ったイラン映画だ。
主人公は借金で刑務所に入った男。婚約者がたまたま拾った金貨で返済しようとするが思いとどまり、落とし主を探し、姉を通じて返却する。その美談が広まり、一躍英雄になるが、落とし主が消えてしまったために作り話ではという疑惑が…。良心、感謝、賞賛、乗っかり、愛情、保身、嫉妬、怨恨・・・リアルとSNSであらゆる人間の感情が登場しぶつかり合う。特定の誰というわけではないが、それぞれ部分的に思い当たる節がある。心の隅をチクチクとつつかれ続ける2時間。カンヌ作品によくあるパターンで気持ちよく終われはしないが、考えさせられる。だって人間だもの…な1本だ。